今日の記事では、「守破離」と呼ばれるやりかたに基づいた英語の勉強について書いています。
昨日は下の記事を書きました。
●外国語が話せるようになる方法ー「守破離」の「守」でネイティブをとにかく「師匠」とあがめる。
以前、私のこのブログで、茶道の「守破離」について書きました。
これは、外国語が流暢に話せるようになる方法にもあてはまります。私の体験をお話します。
ボランティアとして外国人の留学生に日本語を教えていたことがあります。私が教えていたかたはとても積極的で、一生懸命、日本語を話そうとされるのですが、ときおり、日本語の会話ではあまり使わないような言い回しや言葉を使おうとされるのです。
たとえば、「白物(しろもの)電気」。
白物電気、あるいは白物家電とは、冷蔵庫や電子レンジをはじめとする白っぽい色でもともと売られることの多かった家電製品を表す専門用語ですが、日本語の会話にはほとんど出てきません。
テレビでお茶の間の人気者である芸能人のかたが冷蔵庫のことを「白物電気」なんて言ってるのを聞いたことはありません。笑 電子レンジのことを「チンする」というのはきいたことがありますが・・・。
そこで、私はその点を指摘したのですが、するとそのかたは「白物電気という言葉は日本語としてたしかに存在する。新聞に書いてあった」と言い張りだしたのです。
私は日経新聞にまで直接、電話するはめになりました。大笑
わかりますよ。気持ち。その言語の新聞にその言葉が書いてあるとそれがネイティブの間でも一般的なのだろうと思ってしまうのは。でも、白物電気って言葉、ヨドバシカメラやビックカメラの店員さんとか日経新聞の経済担当記者でもないかぎり、まず使うことはありません。
一般的な言葉ではないのです。ですよね?
この経験から、私は外国語が話せるようになるには、まずはネイティブの言うことを虚心坦懐でまるまる信じ切ってしまう、というのがてっとりばやいと実感したのです。
ネイティブの間ではけっして一般的ではない専門用語をひろってばかりいるよりも、ネイティブが使う一般的な言葉をたくさん、覚えていくほうがネイティブとの会話につながってその言語の会話力が上達します。
ネイティブの言うことを一方的に聞いているだけだとしても、意味が分かってきますし、相槌も打てるようになります。ネイティブの速度にも慣れてきますし自分もその速度で話せるようになります。何度も何度もおなじことを耳にしたり自分でも言ったりするからです。
もちろん、とんちんかんなことを言うネイティブもいます。笑 それは、日本語ネイティブでもそうですよね。言葉の短縮形、きちゃない言葉、えらい平たい口語など。
でも、私たちの目的は「その言語を流暢に話せるようになること」。
まずは、ネイティブを「師匠」とあがめるぐらいのつもりで彼らの言うことにしっかり耳を傾けて「守」をする。
そういうもんなんだ。
そういう言い回しが一般的なんだ。
などと吸収して、自分が使わずとも、ネイティブが会話のなかで使うときに意味を理解できるようにする。それを繰り返すうちに、ネイティブとの会話も自然なものになります。
断言します。
●ネイティブの間で一般的な言葉にはそれぞれ理由や経緯、背景がある。
たとえば電子レンジであれば表現として「それをチンする」といいますよね。「その食材を電子レンジで温める」という意味です。タイマーが設定時間になったときに「チン」というような音を鳴らして知らしてくれるのが日本の電子レンジだからです。
「その食材を白物電気で温める」と表現するひとは、まずいないと思います。笑
「チン」という擬声語によって言葉が生き生きとしますし、それを聞いた相手との距離感も縮まるように思えます。
先日、私は宅配業者のかたに大きなものを届けていただきました。「これ、どちらに置きますか?」とたずねてくださったので、私は無意識に、「あ、そこへ、ドカン、と置いてください」と言ってしまいました。
それを聞いた宅配業者のかたはははは、と笑いながら置いてれました。自分でもとっさに出てきた言い方だったのでなんでかな、と思ったのですが、
1)荷物が大きくて重たく、
2)宅配業者のかたに丁寧に扱っていただくのも悪い。
3)気軽においといていただいてかまわないものだから、
あえて投げ出しているような擬声語を使った。そんなところだと思います。振り返ると。
もちろん、言葉のえらびかたには人の性格が現れます。私はざっくばらんな性格なのでわりと擬声語や擬態語、くだけた表現が多い。
でも、日本語としては「梱包され、かついま配達されつつあるその宅配荷物は、そちらの床に直接、設置してください」なんてちんぷんかんぷんな言い回しでは意味不明になってしまいます。
ドカン、とひとことそえるだけで、日本語ネイティブには通じやすい。大きな荷物がドスン、と床に無造作におちるビジュアルも伴って。
外国語も同じです。口語では言葉を短くしたり、短くなった分、ほかの言葉を詰め込んで情報量を多くしたり、歴史的な経緯を経て使われる言葉があったり、多民族国家ゆえに自分の名前を名乗るときはスペルもつげたり、場所と5桁の数字を言えばそれが、住所とZip codeを表現したり(“Beverly Hills 90210”)。
戸惑うことも多いですが、その言語が喋れるようになること、という目的をつねに頭に入れて、まずはネイティブを師匠に、「守」を実践してみましょう!
へんちくりんな言葉を覚えたくない、というならもちろん、知的で語彙が豊富でまともな言葉をしゃべる人を師匠に選ばないとだめですよ~。
●おまけ。日本語で一般的な言葉のかずかずを記してみますね。外国人のかたがた。Apendix for global folks (lol)
「チンする」(Chin-Sulu) → 電子レンジで温める (Microwaving)。
「ぶっちする」(BUcchi-sulu) → 大学の授業をサボる。→
「サボる」(Sabolu) はsabotageからですよ!
「授業を意図的に欠席する」なんて表現するよりも、ぐっと生き生きした日本語になります。
「なになにゲー(something + Geh」→若者言葉です。ゲーマーが好んで使ってる気がする。
「しょっちゅう )Shocchuh)」→ ひんぱんに (Frequently)。
「なんで?(Nande?) 」→ どうして? (Why?))
「そうそう (Sou-sou) 」→ そうなんですよ、の口語 。(Right)
「ちょっぱや (Choppaya)」→ 朝いち。一番早くに。(Super-quick action)
「そっこー(Sokkoh)」→ 速攻で、すぐに何かをする。(Same as above )
「やばい・やべ (Yabai/yabe)」→ こいつはすげー (Four letter words, i.e., “Fxxx”)。
「おやじ (Oyaji) 」→ 年食っていばりくさってる中年男。血のつながった父親のことをそう呼ぶときもあります。英語でいう”Dad, daddy”でしょうか。おやじ、と同じ意味で、「おっさん」「おっちゃん」。
「くそじじい (Kuso-jijii)」→ おやじに指をおったてること。To give fingers.