【ESG/スチュワードシップ】「エンゲージメント」という言葉の重み。 ”Engagement”

今日の記事では、15年以上に渡って「サステナビリティ・ESG・気候変動・地球温暖化対策・環境CSR(企業の社会的責任)」等に特化した専門翻訳会社を経営している私・小山ケイが、企業活動において世界的に重要な言葉として取りざたされる「エンゲージメント(Engagement)」について書いています。

<もくじ>
●「エンゲージメント(Engagement)」という言葉の重み。
●”Engagement”の発音。

このブログ「小山ケイ:Feel this precious moment」はいくつかのカテゴリーに分かれています。今日の記事は「Sustainability(持続可能性/サステナビリティ)」のカテゴリーで書きました。同じカテゴリーの過去記事は下からご覧になれます。

●「エンゲージメント」という言葉の重み。”Engagement”

このブログで何度か触れているように、ESG投資(企業の環境・社会・ガバナンスをも見定めた投資)や統合報告書、ISO等はほぼすべて、英国や米国を発祥としています。

それらの基本にあるのは、「キリスト教的な教義や倫理観」

 

ESG投資やSRI/PRI等の投資がもともと、18世紀のキリスト教から始まっていることからも歴然としています。

  小山ケイ過去記事】個人によるESG投資の拡大。15年以上にわたる「サステナビリティ・ESG投資」専門翻訳会社を経営してきた私から見て(小山ケイ)。

 

だからでしょう、英語で書かれた海外のそれらに目を通すと、「engagement」という言葉がよく現れます。

「Engagement」とは「神との約束」「神との契約」。

日本語で「エンゲージ・リング」とカタカナで言うと婚約指輪を指しますよね。「夫婦となる人と苦楽を共にしてこれからの人生を歩みます」と神に誓う予定であることを意味している。つまり、婚約です。

神という絶対的な存在のまえで、己を律し、隠し立てをせず、神の道に沿った「真理(真理、という言葉はキリスト教では重きがおかれています)」を追求し、職務を全うする。

「エンゲージメント」については、私の母校・青学ビジネススクールで私が長年参加していた私的勉強会でもよくとりあげられました。

数年前に「スチュワードシップ・コード(Stewardship Code)」金融庁から出されました。英国版Stewardship Codeに習っていることもあるため、「日本版」と冠がつきます。

 

  金融庁「責任ある機関投資家の諸原則(日本版スチュワードシップコード)」

  金融庁当該サイトURL: https://www.fsa.go.jp/news/r1/singi/20200324.html

 

日本は「神」のような絶対的な存在ではなく、自分が所属する「組織」という相対的な存在が力を発揮する、と私はこのブログで何度も書いてまいりました。

  小山ケイ過去記事】日本の組織社会を理解する。

  小山ケイ過去記事】組織というものについて。

 

古くは「五人組」「隣組」に始まり、いまは一億総サラリーマンで「私の・俺の会社」がその人の価値観や振る舞いを左右する。「自分が」作ったわけでもない会社であるにもかかわらず。

 

けれど、「エンゲージメント」は絶対的な価値観、存在を抜きにしては実行できません。

 

受託者という金融機関の機関投資家を見ているのは自分よりも立場が上の自分の組織の部長でも社長でもない。「株主・受益者」のさらにさきにいる、崇高で絶対的な天の存在です。日本で昔、「お天道様」と表現した存在に置き換えてもいいかもしれません。

 

部長にこう言われたからESGはこの銘柄を買っとこう」

社長に怒られるからこの運用はやめよう」

俺の居場所がこの組織でなくなるから、この銘柄を買うのはやめよう」

俺より立場が上のあいつがあの銘柄にしろって言うから従っとこう」

 

これでは「エンゲージメント」は意味を成しません。

エンゲージメントとは型でも方法でもなく、その運用者や受託者の倫理観や信念、ひいては「株主・受益者、そしてそのさきにある世の中、後世に対する愛」ですらあるからです。

受託者側は「資金をお預けくださった株主に代わって(「スチュワード」として)、環境・社会・ガバナンスを大切にしながら事業をしている企業(銘柄企業)と高次な目的意識を共有する」。

昔の近江商人が言った、「三方よし」に通じます。

そして銘柄企業側は「利己主義ではなく利他主義を前提として、よりよい社会・未来をつくるために事業を行う」。

それも、神、あるいは大いなる宇宙という絶対的で普遍的な存在のもとで。

それが英語の”Engagement”という意味です。

  小山ケイ過去記事】【英吾】英語圏のnativesと意志の疎通を図るために。キリスト教やユダヤ教についても頭の隅に入れておく。

 

横浜港

これまでの日本の会社勤めにはなかった価値観とも言えます。

監督機関である金融庁の前身ですら多々、不祥事をおこした時代がありました(パンツをはいていないすっぽんぽんの女性たちが接客してくれるという「しゃぶしゃぶ店」でのあれこれは、当時センセーショナルに報道されました)。

金融機関に勤務する会社員という機関投資家は、「働くこと=メシの種を得る」だけでは済まない。受託者責任の中核に「エンゲージメント」があるからです。

ESG投資やSRI,/PRI等についてかたるとき、機関投資家や受託者は、お経のように「エンゲージメント」と唱えるのではなく、キリスト教の聖書の勉強会をひらく」あるいは「道徳を勉強する時間を持つ」ぐらいの気概をもって、「エンゲージメント(Engagement)」という言葉が意味することを理解し実行する必要があると私は強く感じます。

●”Engagement”の発音

1) エン

2) ゲイ

3)(母音なしで)「J」

4) メン

5) (母音なしで)「T」

6)  エン + ゲイ + 「J」 + メン + 「T」