ビジネスで相手の英語を聞き取る。いろいろな出身地の。

St. Andrews

Q) 相手の英語になまりがあるようで、どうも聞き取れません。

A) 英語圏といえども、それぞれの国・地域によっても発音やアクセントが違うこともあります。聞き返してゆっくり言ってもらいましょう。ビジネスですれ違うよりはずっと良いです。

今日は、英語圏であってもそれぞれに響きが違っていたり、あるいは非英語圏の人とのビジネスについて書いています。



昨日は下の記事を書きました。

●出身地によっても英語の響きはさまざまです。ビジネスにおいてどうするか。

St. Andrews

 

私が青山ビジネススクールに通っていたときの話です。

ある講師の先生が、国際会議でのプレゼンで質問が出たさいに意味が分からなかったりよく聞き取れなければこう返答する、と教えてくれました。

“What is your point?”

こういうふうに言うと、相手が質問の詳細をゆっくり、説明してくれるとのこと。

一歩間違うとケンカを売っている感じですが(笑)、まぁ笑いを取るのが上手な楽しい先生だったので、半分冗談かなぁと思いながら聴いていました。

青山学院 正門

でも、実際のビジネスの場で相手が英語圏の人間であっても、英語がよく聴きとれないことはありますよね。

ご自身が慣れ親しんだ英語もあると思います。小さいときに英語圏に住んでらして、その国・地域の英語には慣れているけれど、成長してビジネスでほかの英語圏の人間とやりとりしてみると、「ものすごいなまり」があるように聞こえてしまうとか。

私などは義務教育と高校では米国英語を習っていたうえに米国大学へ留学したので、米国の標準的な英語は聞き取れるのですが、ほかの英語圏でかなり地方のかたの英語となると、聞き取れないことがあります。スコットランドのSt. Andrewsがそうでした。

それぞれのネイティブのかたはご自分に「なまりがある」と思って話してはいないはずです。なまりがある、と思っているのは聴いているほう。つまり、聴いているほうがどんな英語に慣れているかによって聞き取り具合が変わってきます。

日本の中ですら、方言となまりで、こちらが「聞き取れない」かたたちがいるのですから。

これはもう、聞き返すしかありません。

ビジネスであれば、誤解によってビジネスがなくなってしまうことにもなりかねません。なので、具体策としては以下の2点がまず大切です。

いちばんやってはいけないことは、「わかったふりをすること」。相手に対してまずは失礼。

【具体策】

1)聞き返す。

2)ゆっくり言ってもらう。

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St. Andrews

私がスコットランドへ行った際、B&BのかたやEdinburghからSt. Andrewsまで案内してくださったドライバーのかたなどは、さほど強い「なまり」を感じなかったのですが、St. Andrewsからさらに北の人口1万人ほどの町、Carnoustieへ行った際に運転してくれた地元のドライバーさんは、英語が違うものに聴こえました。笑

しいて日本語にたとえると、小さな町(村)の東北弁というのでしょうか。

私は小さいころに東北に住んでいたことがあるのですが、さらに奥地で昔からの方言が外部にさほど影響を受けずにずっと生きつづけているようなコミュニティだと、言葉のひとつひとつの発音からして違って聞こえるのです(私の友達がそうでした)。

 

もちろん、わからなければ聞き返す。これはコミュニケーションの鉄則です。スコットランドであれば相手は相手できっと、私の英語がどこか米国英語に影響を受けたような不思議な英語に聴こえたはずですし(waterの発音やlittle bitというとき、「r」のときに舌先を軽く巻く発音など)。

「よくわからなくて笑ってごまかす」をすると、ビジネスでは信用をなくします。まともにビジネスをする気がないんじゃないか、と勘違いされることも。

 

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Sorry, but could you say one more time, please?

Could you say more slowly, please?

I have poor ability to understand English, so please say one more time!

Excuse me?

I’m sorry?

Pardon me? 

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くだんのドライバーさんも、言葉数の少ない寡黙なかたでしたが、都会の人間にはない素朴な雰囲気で話しやすく、「帰りのドライバーは違う人間がくるかもしれないけれど」と言いながら、Carnoustieのゴルフ場に帰りも来てくださった。照れたような笑顔とともに。

“Oh! Hello again!”と言いながら私は、「よし、年に1回以上はスコットランドへ行く人生を送るぞ!Yes! Scotland!」と決心しましたね。ドライバーさんの笑顔を見ながら。

 

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たとえば、オーストラリアやニュージーランドのかたの英語でも、コックニーが強いとたまに聞き取りづらかったりします。(一般的にeiと発音するところがaiとなるので、「あ、このかたはオーストラリア人だわ。ニュージーランダーだわ」となります)。

そのほかにも、アイルランドの地方のかたとか、英国でも相当地方のかたや労働者階級のかた(Ken Loach監督作品の登場人物たちのセリフとか)、米国でもかなりの南部のかただとなまりがつよい。アジアでもシンガポールやフィリピンのかた、インドのかたで、私が聞き取れないほどになまりが強い方がいる。インドのかたなど早口だし・・・。

いずれも聞き返すしかありません。そしてとにかく、ゆっくりと言っていただきましょう。意思の疎通を図ることが目的ですから。ビジネスであれば、お互いに良いビジネスをすることが目的ですから。

 

 

●非英語圏のひとの英語について。

日本人の英語でも、聴いていると「あ、この人は日本人だわ」とわかる人がいますよね。英語のひとつひとつのsyllable に母音がくっついている中国人も四声がついていたりして「あ、この人中国人」とわかります。

英語圏の人の英語以上に母国語のなまりが強い場合があるので、さらに聞き取りづらいことが考えられます。

でも、何度も言うように「笑ってごまかすこと」がいちばんやってはいけないこと。

【理由】

1 成約、と受け取られる可能性。

2 win-winにならない。

3 足元見られる。

4 不利な条件を今後も突き付けられる可能性。

5 何言ってもいいんだ、と押し切られる。

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悪質な商談相手につかまると大変です。カモだと思われる。わざとゆさぶりをかけてくることもあります。だからこそ、聞き取れないことをそのままにせず、「もっかい言ってほしい」としっかりとした意思表示が大切になってきます。

控えめなことがよしとされる日本文化ですが、外国人相手の商談ではすこしくらい強気なくらいがよいですよ。ゆさぶりやはったり(bluff)、ごまかしが通用しない、強硬なビジネスパートナーを「演じて」ください。それぐらいの相手に一目置く文化もあります。

まるで振り込め詐欺です。なんだか自体がよくのみ込めないうちに、あれよあれよというまに相手の手口にのってしまい・・・なんてことにならないよう、言葉をつくして聞き返しましょう。