Q) 外国映画が好きで、好きな俳優さんの映画はとくに、字幕や吹替なしでも理解してみたいのです。
A) お勧めの方法はたくさんあります。今日は「10個」ご紹介しますね。
●動画や映画を字幕なしで聞き取る勉強方法【10個】。高校生だったころの私への回答です。
私は映画少女(?)だった高校生のころ、「字幕を見なくても洋画のセリフが理解できるようになりたい」と本気で思いました。声優さんたちの吹替にうっとりしたり、「字幕の神」戸田奈津子さんに憧れたりしていたにもかかわらずです。
米国大学へ留学したのも、「英語の青山(青学)」に入学したのもその一環です。
現在は一般的な英語を話す英語圏の映画やテレビドラマであれば、字幕を見なくても理解している私ですが、ここにいたるまでにとった方法はたくさんあります。そしていまもそれは進行形です。
今日は「英語」を取り上げて、具体的な方法について書いてみたいと思います。外国映画や海外ドラマが大好きで、語学を取得しようと日々奮闘している、世の同胞の方々に向けて。
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1) まずは問いかけてください。「映画(動画)が好きですか?」
映画や動画があまりすきではないのに「なんとなく」、で「字幕を見なくてもわかるぐらいになりたい」、と思っても、残念ながらモチベーションはあがりません。
それよりも、たとえば学術論文が大好きだとか、専門書が大好き、科学雑誌が死ぬほど好き、というかたであれば、それらを「辞書なしでも難なく読めるようになること」を明確に目標として設定されるほうが、英語という語学は習得しやすいです。
なんども申しているように、語学はその人の好奇心や興味、成功体験などによって上達の度合いが左右されるからです。
「映画が好き、というよりも、それにでている俳優さん(タレント、アイドル、歌手)がすきだから」でももちろん、良いのです。
興味のあるものを教材にする。好きではないもの、興味のないものを教材にしても、残念ながら勉強が頓挫する確率が高いです。
教科書や語学番組のテキストを教材に選んでも、途中で挫折するのはあなたがそれらに魅力を感じていないから。「おもしろい!」と思ってないから。その感情が湧き起こってないから。
でも、たとえば海外科学雑誌が大好きだというかたが無心に雑誌を読み続けていることによる副産物として、「映画を字幕なしでも見られるようになった」ということは起こりえます。
2) 1)でイエスなら、映画や動画を教材に。
まようことはありません。好きなものを教材にするのが一番だと申し上げました。海外の映画やテレビドラマ、動画が大好きなら、それらを教材に、どっぷりつかります。
3) 集中力を味方につけて。
一昨日の記事でも書きました。
だらだらと1時間、よりも、「爆」がつく(あるいは「ド」でもいい)集中力による3分では、後者による勉強のほうがおどろくほど効果的です。なにしろ私はその経験者です。いまでも日々、集中力は大切にしています。
2)で教材を選んだら、集中力をもって触れる。なんとなく気分がのらなくて注意散漫で観てしまった、としても今日はそれでおしまい。また明日、集中力のあるときにやる、と気持ちを切り替えるほうが、モチベーションを保ちやすいですよ。
4) 気に入った言葉は書きとめて!
一時停止にでもして、急いで書き留めます。スマホでもパソコンでもノートでもいいです。そして、これを定期的に音読して自分の潜在意識に落とし込んでいきます。
5) 原文のScriptを探す。
合法的なものかどうかわからないのでリンクは貼りませんが(笑)、ググるとその映画やテレビドラマのscriptを掲載してくれているネイティブさんが随所にいてくれます。
詳しい素性は知りませんが、ご自身でテープ起こしのようにして起こしているのであれば、大学の映画学科の学生さんとか、プロを目指しているシナリオライターさん、なんてことが考えられます。
本当に感謝!
合法的なものでも、たとえばテレビ局や制作会社が販売しているscriptがあります。私も直接、購入したことがあります。ハリウッドあたりならお土産としても売っていた気がします。online shoptでも探せばあった気がします。Amazonでも。
どうしても見つからないときは、思い切って自分でテープ起こしをしてみましょう!たとえばNetflixの英語字幕をオンにして、その動画のscriptを自分で作ってみるとか。ご自分だけで使う分にはまったく違法ではありません。
Go for it!
6) 聞き取りづらいシーンはある。
睦言(大笑)のセリフなんかは、俳優さんたちもぼそぼそ話しますので聞き取りづらくなります。こういう艶っぽいシーンで、活舌よく、朗々と、なんてことはないですもんねぇ。雰囲気ぶちこわし・・・。
そこで、5)のScriptが役に立ちます。もちろん、captionも。
ちなみに睦言のことを、Earth Winds and Fireは「Blue talk」と言いました(爆)。
★★★★★Quoting from the official YouTube video of Earth, Winds & Fire’s★★★★★
7) 集中力がとぎれない程度にRewind
気になるシーンやセリフは、集中力が途切れなさそうなら、すぐに観返します。「復習力(おさらいりょく)」の一環です。
小山ケイ過去記事】「復習力(おさらいりょく)」。喋れる英語のために。
8) 聞き取りやすいシーンこそがんばって。
法廷シーンとか、大統領(政治家)のスピーチのシーンとか、王様が国民にスピーチするシーンとか、俳優さんも活舌よく、大声で朗々とセリフを述べています。こういうシーンこそ、力がつきます。
字幕を見ないでどれだけ理解できるか、頑張って聞き取ってみましょう。聞き取れなくても、Scriptで確認したり、captionみたりして、徐々に慣れるようにしていきますよ。
9) 気に入ったシーンは、何度も何度も観ましょう!
大好きな俳優さんのラブシーンとか、ひねりの利いた大逆転シーンとか、心がぐぅっと動かされて涙したシーンとか、映画やテレビドラマには、そのストーリーから切り取って何度でも振り返りたいシーンがありますよね。
「映画史に残るシーン」みたいな特集すらあるぐらいですから。
そういうシーンこそ、ご自身の感情や気持ちが働いて言葉が自分のなかに定着していきます。何度みても苦にならない。そうしていつのまにかセリフをおぼえていたりします。俳優さんの表情とか衣装などとともに。なんと一発で覚えていることも!(私の体験です)
10) 「理詰め」で考えない。「分析」もいらない。「計算式」もいらない。ひたすら、「練習」。
文法の勉強や長文読解をしているのではありません。「映画やテレビドラマを字幕なしで観られるぐらいの語学の能力を身につける」には、自分の興味と好奇心、感情を大切にして、何度も画面を見直したり音読したり、「テープ起こし」をしたりします。
●どれくらいの期間で「見なくてもわかる」ぐらいになるだろうか?
ひとによってまちまちだと思いますが、上記のやりかたをこつこつとしていれば、1年で相当の力がつくはずです。毎日かかさず、集中力を味方につけて、音読もして、scriptという文字でも確認する人であれば、その映画なりテレビドラマなりをまるまる1本、暗記するぐらいにはなるはずです。
私がそうでした。
30年もまえ、James Spaderが大好きで、彼の映画を見あさっていましたが、なかでも“Sex, Lies, and Videotapes”のJamesの芝居が好きで、毎日のように何度も何度も見てましたね。
いまの”Blacklist”のレディントンには一発で殴り倒されそうな(笑)、ひ弱な「Artie」といった役どろこでした。この役でカンヌ主演男優賞を受賞しています。
Jamesによって、私は彼のセリフを自然と覚えてしまいました。好奇心や「なんて言ってるか知りたい!!」という強烈な願望をモチベーションにして。
★★★★★Quoting from the official YouTube video of TV Promos’ as the trailer of Season 7 of “Blacklist” (created by “It’s a Sony” lol) ★★★★★
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上達に左右するものは、集中力、そして強い願望(欲望、としてもいい)」だと思います。儲かっている起業家が、「自分の欲を大切にすると起業家として成功する」というのと同じです。
忙しくてなかなか時間がとれない、というかたもおられるでしょう。体調を崩すということもあります。
私が考える、「半年から1年で結果が出る」場合の要因は以下のとおりです。
1) 集中の度合い
2) 願望(欲望)の度合い
3) 熱の入れ方
4) 反復度合い
5) 体調は万全