ビジネスでは横文字カタカナが指数関数的に多くなってきました。でも、私の経験から「なんでも横文字カタカナで言う人間には身構えておいたほうがいい。最初くらいは」と思っています。そのことについて今日は書いてみます。
昨日は「Today’s coffee」のカテゴリーで記事を書きました。
(我が母校青山学院の駅伝チームOB森田くん、下田くん、一色くん、林くん等々が就職したGMO社です!私がひそかに応援してきた島貫温太くん(帝京大)もGMOチームへの参加が決まりました!やった。実業団からも目が離せなくなります)
●日本語で「横文字カタカナ」を連発する商談相手には話半分で聞いといたほうがいい。
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今日もまたもや、都内のとあるカフェにて、となりで商談しているおにいさんたち(35-40歳ぐらい)のお話に耳をそばだててしまいました。最近はとにかくカフェで商談するんですね。へぇ・・・(私のような好奇心旺盛な人間は隣で耳ダンボ)。
それにしても、横文字カタカナの連発です。マックをカタカタならして説明しているおにいさんが商談相手にむかって連発していたかずかずの横文字カタカナ用語。私もわからなくはないけれど、ビジネスってこんなにも横文字カタカナ用語だらけだったっけ、としばし考え込んでしまいました。
エコノミクス
プロダクトマーケットフィット (PMF)
スケール
ノベル
ロードマップ
カスタマーなになに
商談相手のおにいさんたちもいっしょになって使っていたので、お互い理解できていたのだとは思います。カスタマーなんとかという横文字はたいてい、Cなんとかと略語があるマーケティング用語。
マーケティングやITは米国でおもに研究されてきたので、それらを語るときに横文字が多くなってしまうのはある程度はしかたがないとしても、初対面のビジネスパーソンとの商談で、やたら横文字のカタカナを連発された場合は、ある程度身構えておいたほうがいい、というのが私の経験から学んだことです。
だいたい、日本語にやたら横文字カタカナが入ってくる人間は、使ってるわりに肝心の英語はしゃべれないことが多い。大笑 帰国子女で英語がぺらぺらの人でそんな横文字カタカナが入ってくる人には私はめったにお目にかからないことからも、そう確信するに至っております。
さらに、日本人どおしの商談で、横文字カタカナ連発の人間は、「地頭」がそんなによくないことを自分で語っているようなもの。万が一相手がその用語を知らなかったらどうするつもりなのでしょう。
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私が「これは問題ですよ」と思っているのは、商談で不利な立場にたたされることになりかねないので、なにとぞお気を付けください、ということ。日本語が乱れてるうんぬんではないのです。
ともすると、ケムにまくような役割がありませんか?
ビジネスの横文字カタカナ用語って。
ホリスティックがなんちゃらかんちゃら。ビッグデータがどーしたこーした。シズル感がどーとかこーとか。「シズル感(sizzling)」というなら私はまずはSizzlerのサラダバーでサラダをおなかいっぱい食べたい。
マーケットイン・プロダクトアウトなんていう、もう何十年もまえにドラッカー先生あたりの本を読む商学部を出た、うちの年老いた父親ですら使ってるカタカナ語があるのはしょうがない。
でも、なんとなくわからないけれど、相手のペースにすっかり乗せられて、あれよあれよという間に商談が成立してしまって、なんてことがなきにしもあらず。先日私が書いた、「英語の商談で相手が突然、まくしたててきたときはご用心を」と同じ理由です。
モノを知ってる感も漂わせられるから便利なのかもしれない、と私も横文字カタカナ連発人間にはいつのころからか、身構えるようにしています。笑 マウンティングされかねないですし。
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●たしかに、英語を使いたい気持ちもわかる。でもなぁ。
ビジネスで横文字カタカナ用語を使うと、マーケティングとITにはとりあえず強そうに見えると思います。会計用語もそう。私もビジネススクールで財務分析をするときに、たくさんの略語を学びました。ROE、PRE、ROAなどなど。
ビジネスの現場がどんどんグローバル化して、デファクトスタンダード(とこれも横文字。笑)の英語が横文字カタカナ用語として日本語の中に入ってくるのは時流ですし、定着している言葉であればまわりの認知度も高いと考えられるから使うこともあるでしょう。
でもプロとして日々ビジネスにかかわっていると、たとえば「あれそれはそんな意味じゃないはずですが・・・・」とか「それ、スペルが違いますよ」とか、言いたくなることやほんとに言うことなどが多々、あるのです。
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先日も、とある企業に出向いたときのこと。その会社の部屋の扉に、きれいなデザインが描かれていました。文字も書かれていて、それらはすべて英語。デザイン性に優れていたので「わぁ、いま風できれいだわ」と眺めていたら、私はその文字のひとつがひっかかりました。
使っている言葉の意味からすると、スペルが間違っていると思ったのです。
日本語訳にするとどうも、「役割」という意味でその英語を扉に描いたようなのですが、書かれている英語は、「Roll」。
Rollって、トイレットペーパーの「ロール」と同じじゃなかったっけ。Rolling Stonesみたいに「転がる・転がす」って意味じゃなかったっけ。「役割」の英語は「Role」じゃなかったっけ。最後のスペルは「L(エル)」じゃなくて「E(イー)」じゃなかったっけ。
こういう翻訳者の能力って、翻訳者ではないかたがたにはわりと、軽視されやすいのですよ。くやしいことに。「そういう能力なんて、持ってないよね」と。でも、日々英語に触れているわけですから、なんかスペルがおかしい、ってのはたいてい、わかります。よっぽど小難しい言葉ではないかぎり。
「これ、英訳するにあたっては、日本の電話番号には+81ってつけていただいたほうがいいと思います。日本の国際番号だから」とWebデザイナーから指図を受けたこともあります。悪気はないのだとわかっています。でも、「それって翻訳者なら基本中の基本ですよ」、と私は喉元まで出かかりました。笑
上記のように日本語にやたら横文字カタカナが入ってくるかたの話についても、外国人が聴くと日本語としてときどき理解が難しくなるのだそうです。「聞き取りずらい」と。これもまた大変。
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それゆえに、ビジネスにおいてもつい、横文字カタカナ用語がたくさん出てくるかたにはこんなことをいちどは言ってみたいのです。
「いまいったこと、カタカナまったくなしで言い直してみよー」
【付録】
エコノミクス・・・・売上が立って「儲けが出る」こと。
マーケットイン・プロダクトアウト・・・お客さんが欲しいモノ中心にするか、「うちでこんな画期的なもの作ってみました!どうです?いままで見たことないでしょ?」という商品を市場に提供するか。
スケール・・・はかり、ではなく「規模」「大きさ」という意味で使ってるみたい。ボリュームもそう。ましてや、「さかなのうろこ (scale)」のことではない。
ロードマップ・・・もともとは古代のアフリカ大陸において、砂漠の民などが利用したととされているもの。現代のビジネスにおいてはその基本には「可視化 (to be tangible)」がある。
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