上にはシニアと呼ばれる世代、下にはばりばりの若手がたくさんいる世代となった私から、「世代が違う人と働くということについて」、今日は書いてみます。
昨日は下の記事を書きました。
●世代の違う人と働くことに不安を感じる人もいるとのこと。そこで、真ん中世代の私から。
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日経新聞を読んでいて、シニア世代が現役の若者たちと同じ職場で働く割合が増えるにつれて、一部の若者の側に「シニアに対する苦手意識がある」とする記事を読みました。
また昨今、「モンスター部下」なる言葉があることも知ったり。
なお、シニアとは日経新聞では65歳以上、となっています。
上記の若者の気持ちには私も共感するところがあります。そのいっぽうで、モンスター部下、がでてくるのもなんとなく理解できるところもあり。
世代が違うことで「なんとなくよくわからないから不安」と思う人もいれば、「実際に嫌な体験をしたから」という人もいるでしょう。
年上と一緒に仕事をしていやなだな、と思ったところはこんなところじゃないでしょうか?私の実体験も含めて私はこんなふうに想像しました。
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1)上から目線。
2)自分のほうがモノを知ってる、という前提で話をすすめる。
3)相手は年下だから自分よりできない、と思っているふしがある。
4)高飛車。
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最後の「高飛車」は人間として論外ですが、1)から3)は、わりと多くの人が勘違いするところだと思います。私も65歳の人と話をしていて、「自分のほうが詳しい」という前提で一方的に話をされたことがあります。その時間のつらいことつらいこと。
そのほかにも、目上の人間と話していて、1から3はときおり経験します。中年の私が経験するぐらいなのだから、私よりうんと若い20代30代ならさらに経験しているかもしれない。
かと思えば、「いやいや、僕もまだ未熟ですから。心は20代30代ですし、聴いてる音楽も若者とおんなじです!」となぜか、ご自身の「若さ」を強調されるかたもおられる。笑
とかくに人の世は住みにくい。夏目漱石はさすがうまいこと表現しました。「草枕」。
だから、若者が「シニアと働くのはなんとなく不安・いやだ」というのは私にはすごくよく、わかるのです。だって私が感じていることだから。
重要な役職についたり、難しい仕事をしたことのある人ほど、シニアになれば無意識だとしても「自分のほうがモノを知っている」と思ってしまう傾向にあるように思います。
そして若者のがわは若者で、よく知らない世代に対してなんとなく不安に思ったり、あるいは過去の経験がトラウマのようになって(私が受けた苦痛のような)身構えたり、苦痛を感じながらも相手が目上であるがゆえに必死に話を聴いたりしているのだと思います。
それぞれが、こんなふうにしたらうまくいくんじゃないかな。
1) とにかく、目の前にいる相手を「見る」「聞く」。妄想をふくらませない。
2) おたがいに共有しているタスクがある、ということを忘れない。どちらかがメンターで、どちらかがサポート役、ではなく。
*たとえば、最新機器などは若者のほうが本当に詳しい。目もよく見えるから細かい文字も一発でわかる。耳もいい。のみ込みも早い。
3) 意識して、相手の言葉に「なるほど」「ああ、そうですね/そうだよね」と同意を表現してみる。→ 以前、このブログで書いたことがあるのですが、これを言わずに、私の意見にかぶせるように言葉を続けられると、私には不快なのです。同意の意思表示がないから。違う世代が協働作業するのだからこそ、意識して自分の同意を表現してみる。
次の項目で詳しく説明します。
4) いやだ、と思ったらがまんせず、誰かに相談するか、「逃げる」→ 人事部などに相談して、配置換えしてもらったり、相手を変えてもらったりすることも大切です。逃げるが勝ち、は本当ですよ。せっかくのあなたのエネルギーが無駄なことに費やされてしまいます。
●「言葉」を介在にしてみる。世代が違うからこそ。多民族国家アメリカから学ぶ。Let’s learn from the manners of US.
私が米国へ留学生として大学生活を送っていたころ、カルチャーショックを受けることも多かったですが、「すごいなぁ」と思わせられることも多々ありました。
その例が、褒め上手な人が多い、ということと、言葉の額面を大切にして、言葉を介在にして意思の疎通を図ろう、とする人が多かったということです。
日本は高コンテキスト社会なので、言葉の額面ではなく、「あうんの呼吸」や社会慣習、身振り手振り、空気感、などが言葉よりも重視される傾向にあります。
人の前をとおるときも、明確に「すみません」と言わない人や、目も合わせずにささやくように「(すみません)」と言う人がいたり。
でも、世代の違う人たちはほぼ、異文化の人たちのようなものです。聞いていた音楽も違うし、社会背景も、教育環境も違う。
だからこそ、多民族国家で低コンテキスト社会の米国のように、違う世代間では、言葉の額面を大切にして、言葉を尽くして意思の疎通をはかることがよいのではないかと思います。米国は言葉を介在にしないと社会として成立することすら難しいようなところがあるのですから。
「言わなくてもわかるよね」ではなく。
なにかしてもらったら、活舌よく「ありがとう・ありがとうございます」と言ったり、いい意見だな、と思ったら「まったくその通りですよね・僕もそう思う」と同意をちゃんと表明したり。
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1) 明確に挨拶する。
なんとなく、「あ、いるよね」ではなく、朝なら「おはようございます」「こんにちは」帰りは「おさきに失礼します」「おつかれさま」。
2) なにかしてもらったらお礼を言う。
「ありがとう」「ありがとうございます」「助かります」「心強かった」
3) 笑顔を忘れない。
喧嘩をしに来ているのではないのですから、協働作業する相手とは笑顔でやりとりしたいものです。笑顔は最高の非言語コミュニケーションです。
4) 相手を褒める。
あ、いい考えだな、と思ったら、何も言わずに話を続けるのではなく、「うんうん、なるほどね」「いい意見ですね」「あー気づかなかった」などなど、いくらでも言葉は出てくるはずです。
出てこない、というかたはいまから人生のドリルをやらなくてはなりません。こういう言葉は人間関係の潤滑油として、若いころから出てくるようになってなくてはならない言葉だと私は思います。
究極の誉め言葉は「さすが」「すごい」。男性が言われて喜ぶ言葉ですよね。笑
これみよがしに言う必要はありません。自分が本当にそう思ったときに、口をついてとっさに出てくるようにすればいいだけです。
それができないのなら、日頃から練習するしかありません。自主トレです。英会話と同じです。口に出して、何度も何度も、こつこつと、独りで練習します。口をついてとっさに、がコツですよ。「なるほど・・」「すごい・・・」「ほんとそうですよね・・・・」「さすが・・・」
5) 程よいアイコンタクトをとる。
ジーっと見る必要はありません。でも、目線をあまり合わせないのも協働作業をしているのにおかしいです。アイコンタクトは「あなたの存在を認めていますよ」というシグナルですから、程よくとりましょう。「異文化」の相手とは。
6) 「自分は間違って理解しているかもしれない」とつねに自分を疑う。
勘違い、ということがあります。私もそうです。相手の言うことを間違って理解してしまって、それが大きな誤解を生んで、となっては大変です。つねに「間違いがあるかもしれない」と思いながら、「間違ってたらごめんね。こういう理解で大丈夫?」「間違ってたらすみません。こう理解したのですが、あってますか?」と確認しあう。
言葉を介在にして。
あうんの呼吸、が存在する関係性はもちろんありますが、最初からそれをもとめてはいけない。
7) 同性で親しくなったら親しみを込めた軽いボディタッチもよし。
腕に触れたり、肩に触れたり。親近感と信頼感の表現になります。ただし、あくまで「軽く」。
8) さりげないチープな贈り物を!
飴玉、タブレット菓子、キャラメル、クッキー、お菓子、スナック、チョコレート。なんでもいいのです。相手とある程度のやりとりができるようになったら、相手の食べ物の好き嫌い(アレルギーの有無や既往症なども含めて)に合わせてさしあげてみましょう。
缶コーヒーとか缶ジュース、なんていうのもいいですよね。打ち合わせの時に自販機で紙コップのコーヒーとか。
あくまで、100円単位のチープなもの、がいいですよ。お互いの負担になりませんので。
そして、いただいたら、「ありがとう!ありがとうございます!」と心を込めて、活舌よく、言いましょう。笑顔をそえて。
9) 相手の名前はちゃんと呼ぶ。基本です。
「そっちは」などと、方向を表す指示代名詞なんかでよんじゃ、だめですよ。ちゃんとなになにさん、と名前で呼びかけます。相手の存在を認めていることの意思表示ですから。
10) 親しくなってきたら、プライベートな話もときにはする。対話で。
私の銀行員時代の経験からです。プライベートな話はほとんどしないのに、怒るときだけ正面切って、親の仇のように「どーしてこーいうことするのよっ!」と言われると、ますますモチベーションが下がります。なんでそんなに敵視されなくちゃならないんだろう、と。
敵視なんかしてないよ、ということを常日頃から相手に示すことが必要だと思います。違う世代であればあるほど。
初対面でプライベートな話はなかなかできませんが、たとえば粒のミルクチョコレートをもらったときに、「これが好きなの?」と聞いてみたり、ミントタブレットをもらったら、「ミント味が好き?」と聞いてみたりしてもいいと思います。
鉄則は、自分も質問に答える、ということでしょうか。「僕(私)もこのミルクチョコレート、大好きなんだ」「ミントってすっとしておいしいよね。僕(私)も好きなんだ」と。
質問だけだと、相手がかえって警戒してしまいますので。
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