今日は、3回にわたって書いてきた「日本の組織社会」ついての続きの記事として、序列付けや決まり事、しきたりによって組織が組織として機能する場合について書いていきます。
<もくじ>
●序列付け、決まり事、しきたりによって組織が組織として機能する場合。
●組織には組織の良さがある。良い組織を選んでみる。
このブログ「小山ケイ:Feel this precious moment」はいくつかのカテゴリーに分かれています。今日は「徒然なるままにひぐらし。」のカテゴリーで人生ドリルシリーズとして書きました。同じカテゴリーで前回書いた記事は下からごらんになれます。
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●序列付け、決まり事、しきたりによって組織が組織として機能する場合。
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★序列付け
序列付けがあることで、指令系統が明確になります。序列づけが明確でない場合、「船頭多くして船山に上る」ことがあるのです。やたら人に指図する人間ばかりの集まりになることもこれまで私は経験してきました。
組織にはある程度の自由度が必要なときもあります。けれど、組織が組織としてその威力を発揮できるためには、明確な序列付けと、有能な人間がトップにくることが最低限の条件だと思います。
*有能な人間:地頭が良い。人の話をきく。1言えば10を理解する。温厚。懐が深い。他
たとえば以前書いた記事で、「70歳以降のかたたちはそれぞれの経験が大きく違うことがある。そのため趣味の世界に生きようとしても、それを長年やっている人には初心者はものたりなく見えることがあるそう」と書きました。
小山ケイ過去記事】70歳以上のかたのための英会話。コツ3つ。
同じ年齢の人たちの集まり・組織だと、気兼ねがいらないと思ってしまうのか、ともすると指図しあったり言いたいことを言いあったりして、結局組織として機能しないことがあります。
年下の人がいる場合はさらにその可能性が大きい。学生であったりすると、相手がかなりの大人であれば遠慮や気兼ねをすることがある。けれど、序列がなければ年下の人はそのぶん上に向かってわりとものを言ってくることがある。良くも悪くも。
だから、組織で動く良さを十二分に発揮したいと考えるのであれば、明確な序列付けをして、有能な人間を上にもってくる、ということをまずはやる必要があると私は思います。
会社組織であれば序列付けは他の組織よりも簡単です。わりと難しいのが上記のような趣味のあつまりや年齢層がばらばらながら対等な立場となる場合。
ある程度の年月が必要だからです。今日はじめて会った人間ばかりの集まりで、「この人がトップ」「私がトップです。私の指示に従ってください」と言われても理由が分からないので私であれば戸惑います。「なんでこの人の指示にしたがわなくっちゃならないんだろう」と。
多くの人から人望を集めていて、面倒見が良くて、人の話をよく聞いてくれて、動きも良くて、ものわかりも良くて、温厚で、組織をしきるというよりも組織に参加している人間たちがそれぞれ主役であるかのように思わせてくれる人がだれであるか、ある程度の年月を経たことで組織の参加者たちが分かったころに、その組織や集まりにはリーダーが生まれるものだと思います。
*組織で動く良さ:目標なりやらなければならないことなりが全員に共有されやすい。動き(手順や仕事のやり方を含めて)に無駄が少なくなる。それぞれの能力をその組織内で発揮することで、自分にはできないことが可能になる。たとえば大きな事業など。
★決まり事やしきたり。
先日のブログで書いたように、たとえばある組織に新しく入ってくる人に対して、もともと組織にいる人間は率先して挨拶するように、という決まり事があるとします。
そうすると、新たに入ってくる人は、初めて会う人会う人から「なになにと申します。よろしくお願いいたします」と挨拶を受けたり、それによってスモールトークを始めたりすることが可能になります。よく表現されるBreaking the iceような緊張が緩和された状態も生まれることがあります。
いっぽうで、私が会社員時代に体験したような理不尽な決まり事やしきたりは、いっけん序列付け(権力構図)を明確化していたり序列の下のものにとっての勉強素材(人生ドリル)となりそうですが、組織が存在するおおもとの理由からは外れがちです。なぜなら、私が所属した銀行という組織は金融業界で業務を行う場所だからです。人生修行を行う宗教法人ではありません。そしてそれにより無駄ができたり業務効率が落ちたりします。
私が思うに決まり事やしきたりは、その組織なり集まりなりが生産的に動いていくために必要なのであって、中に存在する人間の序列付けや権力の誇示のために利用されるべきではないはずです。
●組織には組織の良さがある。良い組織を選んでみる。
組織が組織として機能していなかったり、能力のない人間が序列のトップにいたりする組織で人生ドリルとして揉まれてみたい、というかたもおられるかもしれない。
けれど、組織のだいご味や良さをじっくり経験してみたい、というかたもおられることでしょう。
魅力的とはいいがたい組織で揉まれて自分を鍛えることは若い人ほど有効です。失うものがありませんし、初めてのことばかりでこれからの人生のいい勉強になるはずです。新卒銀行員時代の私の経験は私にとっては中年となった今振り返ると一生の財産だと思っています。あそこまで密に「日本の組織社会」について学べる場はありませんし、その経験を積んだ人間も日本にはそう多くはないからです。私のOne and onlyな武器として利用できます。
年功序列が重んじられ、男尊女卑のような風潮があり、お国に守られ(銀行が潰れることはほとんどありません。まったくとは言いませんが)、理不尽な決まり事やしきたりが横行している。
私にとっての良い組織とはその対極にあるといえます。
今日は「日本の組織社会」について書いてきた記事の最後として、私にとっての良い組織の要件を列挙してみようと思います。
1) 序列のトップにくる人間が有能である。
地頭が良い。
人の話をちゃんと聞く。
1言えば10を理解する。
笑顔がある。
アイコンタクトがある。
人をほめる。
組織とはなんであるかよく把握している。
人間の心理や行動特徴をよく把握している。
推進力がある。
行動力がある。
意思決定能力がある。
スピード感がある。
確固たるものさしがある。
審美眼がある。
経験を積んでいる。
(プラスアルファーとして、ユーモアや美的センス、クリエイティビティ、芸術・文化への理解がある人だと私には最高の上司ですね)
2) それぞれの序列の人たちが序列に見合う能力を有している。
3) 決まり事やしきたりによって、組織内に風通しの良さが確保されている。
外部の人間も自由に入ってこられる(組織の一員として)。
4) それぞれの人間が有する能力が十二分に発揮されやすい。
5) 協力体制ができている。
6) 指令系統が明確に存在する。
7) 問題がおきたときにそれを別の人やもので補える。
まるで、人体の細胞組織で不具合がおきたときに、別の細胞組織がそれを補おうとするような働きです。
8) 序列の下の人間でもモノを言える風通しの良さがある。
9) その組織に所属することで、インスピレーションや創造性が得られる。
わたしにとってここははずせません。
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