今日の記事では、約20年間「在宅ワーク」をしている私が「ビジネスパーソンのテレワーク」における「部下の立場」について書いてみます。
<もくじ>
●ビジネスパーソンのテレワーク「部下の立場」。
●目的はもちろん、「いい仕事をするため」。テレワークの利点を最大限に活かしながら。
このブログ「小山ケイ:Feel this precious moment」はいくつかのカテゴリーに分かれています。今日の記事は「新しい生活様式・仕事形態に向けて」のカテゴリーで書きました。働き方改革やリモートワーク・ノマドについて私が思うことについては以前、下の記事で書きました。
●ビジネスパーソンのテレワーク「部下の立場」。
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テレワークはほぼ、それぞれの居場所(所在)が分かっていますよね。
出勤ワークのときも同じフロアにいれば所在は分かりますが、出張や営業、外部との研究会などなどの内勤以外の仕事の場合は、GPS機能でも付けられない限り、上司のあずかり知らぬところに移動することも可能です。笑
会員制図書館で私が見かけるのは、わりと中年以降のおじさまです。営業の移動の際にその図書館を利用しているようです。
ソファでうたた寝しているようなかたもおられますね。移動の合間に1,2時間、コーヒーでも飲みながら、といったところでしょうか。商談しているかたもおられますが、カフェのように時間やまわりを気にすることなく、いたいだけいられるのがきっと心地よいのだと思います。
会社にも報告していたのかどうかは分かりませんが、出勤ワークではかならずしも、「上司が部下の居場所をちくいち把握している」かどうかは、企業によって異なると思います。
上の立場だと、GPS機能つきのiPhoneだかを持たせられるところもあるそうですが(秘書の方いわく「おじいちゃんたちがすぐどこかにいっちゃうから」)、下の立場になればなるほど、それはあまりないと思います。会社の利益になるとも思えないですし・・・(すみません)。
居場所がつねに把握されていることって、けっこうストレスではないですか?
つねに監視されているように感じることもあるでしょう。私などは携帯電話にすら窮屈さを感じることがあります。「電話すればアナタとつながるよね」と。むかし固定電話しかなかったときはそんなことはありませんでした。お互いやきもきしながら「いまどこなんだろう」と。笑
けれど、工夫次第でそうしたストレスは緩和されることがあります。私が考えたり、実際に使っている手(!)をご紹介しましょう。
1) 嘘も方便。
私がよく使う手です。
たとえば。
★通信機器が一昔前のであるためにSNSはやりません(私がガラケーを使っている、と思っている人が私のまわりにいます。笑。「ごめん、LINEはやってないの」と言っただけなのですが・・・)。
★通信状態があまりよくない場所なので、すみません、ときおりフリーズします。
★町内の予定。
★アナログ人間なので、即レスには慣れてません(前半部分は本当ですが、後半部分は「嘘も方便」。チャットは即レスが魅力だと思ってるぐらいです。爆)
★すみません、仕事がたてこんでて、ご依頼のお仕事はお受けすることができません(本音は「単価低すぎ」)。→ サラリーマンのかたであれば、「割に合わない。いいように使われてる」と思ったときに使える手かもしれませんね。
そのほか、「このさい有休をいついつに使いたいです」とか「子どもの行事でいちにち外にでなければなりません。外で仕事します」などもあります。
2) 上司に「逐一居場所を確認しないでほしい」旨を上手に伝えます。
「子供が(親が)携帯電話の音に過剰に反応するため、家ではマナーモードにしています。よって、すぐに応答することができない場合があります」
「なになに係長・課長・部長からいつもメール・チャット・電話でご連絡をいただくのは申し訳ないです。私のほうから随時、ひんぱんに、いつでも、ご連絡申し上げます。ホウ・レン・ソウいたします」
3) 2)を含めて、組織として「テレワークとはなんであるか」をこの機会に共有する。
すべての企業ができるわけではないとは思います。けれど、テレワークを導入できた企業であれば、それが大きく育つ土壌はあるはずです。
4) 自分が反応できる時間帯を上司やまわりにしっかり、伝える。
「いつでも大丈夫です」と思われてしまうと、いつでも連絡が来てしまいます。「生意気」と思われようと、テレワークを良いものにするために、さいしょから「この時間帯は大丈夫です。この時間帯は家の事情で(あるいは自身の事情で・体調不良になりやすいため)だめです」などと伝えます。
5) 上司も組織も、部署内の人員の4) を把握する。
部下の立場からはなかなか言いづらいかもしれません。でも、ベンチャースピリットが随所に生きているような企業で、下からも意見がいいやすいところであれば可能なこともあると思います。企業風土がテレワークを十分に受け入れるところであればぜひ、部下の立場でも意見を言ってみてほしい。
●目的はもちろん、「いい仕事をするため」。テレワークの利点を最大限に活かしながら。
上記はすべて、「いい仕事をするため」の方策です。遊んだりごまかしたり手抜きするためではない。
日本でのテレワークの流れは始まったばかり。それまでなかなか導入できなかったテレワークが、コロナウイルスによる感染被害を防ぐことを目的に「導入せざるを得なかった」企業もたくさんあることでしょう。
20年来の在宅ワーカー・テレワーカーである私は「テレワークはメリットがたくさん」と多くのかたにお伝えしたいと思っています。そしてそれが今日の記事を書いた目的でもあります。
精神的にも疲れる通勤ラッシュを避けることができたり、移動時間を削減しつつ家族や友人たちと過ごす時間をより長く持てたり自分が納得することに心血注げる人生はやっぱり、豊かで幸せだと思います。
ごくたまーに首都圏の通勤ラッシュ時に私も乗り合わせてしまうことがあります。あの苦痛、私の場合は1日中続きます。どーっと疲れてしまって翌日までなんとなく心身が重たい。
気持ちが日々ゆったりと気持ちよく過ごせるだけでも、次の高みやいい仕事につながります。
【20年来のテレワーカー「小山ケイ」が考えるテレワークのメリット】
1) 「人間」としての自分をつねに意識(せざるを得ない)。
→ 自律的に、自発的に、能動的に、行動力を持って、自分で判断して、仕事を進めていかなければならないからです。テレワークは。もちろん、ときには孤独です。
2) 時差が使える可能性も広がる。
→ 1日中、いつでも自分の都合に合わせて仕事ができれば、夜の寝る間際に海外業者や取引先へメールを送って仕事の依頼をすることもできます。うちでは長年、そうしています。
会社では残業扱いになってしまうので深夜12時に海外取引先へメール、なんてなかなかできなかったはずです(ブラック企業でなければ)。
テレワークではそれが可能になる。多くの企業にとって。
3) 雑音が少なくなる。
コミュニケーションのノイズもそうです。文字通り、オフィスのフロアにいたときの雑音も、テレワークには存在しません(カタカタというフロア中のPCの音、他人の話声、電話のやりとり、コピー機の音、空調機の大きな音、株価を知らせる電光掲示板の音、怒声、固定電話をたたきつける音)→ これらはすべて、私がペーペーの新人銀行員のときに経験した「雑音」です。笑
4) 背伸びしなくなる。シンプルになる。
といっても、年齢を重ねるごとに背伸びはあんまりしなくなりましたが、テレワークは他人の姿が見えないうえに3)のノイズが少なくなるせいか、他人と自分を比較してどうとか、という次元からはわりと容易に卒業できます。
出勤していたころは人目があるので、メイクはもちろん、髪型もしっかりととのえ、ヒールもしっかり高めのをはいていたのだけれど、テレワークになるとゆったり仕事をする分、自分が好きな「歩き回ること(ウォーキングも含めて)」をテレワーク中(リモートワーク・Nomad work)にも実行するため、ウォーキングシューズやカジュアルな格好をすることが増えましたね。
まるで出勤ワークのころは、肩パットの入ったスーツ((^0_0^))でも着ているかのような力の入りようだったような気がします。大げさかな?
5) おそらく、社内政治がかなり様変わりすると思う。
対面のときは「女だから」というだけで一目見て「却下」していたものが、オンライン会議やメールでのやりとり、グループチャットなどでやりとりするようになると、細やかな機微の読み方とか言葉の使い方、文章のさりげなさなどが見えて、相手がたとえ女性であっても、その能力を知る機会に遭遇する人も増えるんじゃないかな、と思っています。
これは若者に対しても同じです。
フロア内の「雑音」が聞こえていたときは、「だれそれ部長はどこどこ大学でたエリート」「派閥はどこどこ」「出世コースにのってる勝ち馬は誰それ」「だからだれそれ部長・室長・専務などなどに乗っかったほうがいい」などという話が瞬時に入ってきたはずです。けれど、テレワークではそうはいかない。
やりとりの基本はオンラインのはずだからです。そしてオンラインは非公式になればなるほど、「聖徳太子」にはなりづらい。いっせいに文字を打ったとしても、流れ来るのはそれぞれ別個だからです。同時ではない(同時なら字が重なっちゃいます。ライブ動画の書き込みもひとつひとつ別個に流れてますよね。ホントは同時かもしれないけれど)
オンライン慣れしていたり、オンラインの特性を熟知している人がいい仕事をする可能性も今後、多いに出てくると思います。公式・非公式のやりかたを縦横無尽に使い尽くして。
さらに。
へんな小細工ではなく、テレワークでどんな仕事をしたのか、どんな成果物を作ったのか、どんなアウトプットになったのか、がいやがおうにも「可視化」されます。オンラインが基本だからです。そしてオンライン上のものはいかなるものでも、保存(録画も)可能です。
テレワークによって、いい仕事をするビジネスパーソンが増えて、そしてそういうビジネスパーソンたちが評価される時代がようやく日本にも来た、と私は思っています(なんと長かったことか、この道のり。嗚呼ゼイゼイ)。
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