「おすすめ映画」マイライフ・アズ・ア・ドッグ Mitt liv som hund (Swedish)

箱根の山

今日の記事では、母校の青学から単位をもって米国オレゴン大学へ編入学して卒業し、15年以上に渡って「サステナビリティ・ESG・気候変動」などに特化した専門翻訳会社を経営しながら再び青学(大学院)へ戻ってMBA(修士号)を取得した私・小山ケイが、スウェーデン映画「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」について書いています。
●「犬みたいな僕の人生」My Life As A Dog
●Sweden!!
その他のおすすめ記事については、以下のサイトからごらんください。

●「犬みたいな僕の人生」My Life As A Dog 

1985年製作のスウェーデン映画。

1950年代のスウェーデンの片田舎を舞台に、思春期に突入するイングマル少年が主人公の青春映画です。

タイトルにある「Dog(犬)」とは、1950年代にソ連によって打ち上げられた人類初の人工衛星「スプートニク」に乗せられたというライカ犬のことで、イングマルはことあるごとに「自分の人生は、あのライカ犬よりもマシなんだ」と少しばかりの自虐もこめて自分にいいきかせます。

はじめから観客は、あまり多くのことを知らされてはいません。

けれど、ときおり垣間見えるイングマルの生活や様子から、人が多かれ少なかれ人生において抱える葛藤に少年イングマルもすでに直面していることを物語が進むにつれて感じることとなります。

スウェーデンの田舎の青々とした木々と、登場人物や基調が明るいだけに、そこに水滴のごとくにポツン、と落とされる少年イングマルの哀しみや苦悩が痛いほどに浮き彫りになって、なんともせつなくなるのです。

監督は私の大好きな映画「ギルバート・グレイプ(What’s Eating Gilbert Grape)」も監督したラッセ・ハルストレム(DeCaprioの演技がすばらしかった・・・)。

イングマル のお母さん役には、アンキ・リデン(2018年に若くして亡くなってしまったAviciiの実のお母さんです)

そして、イングマルとともに成長する年上の女の子サガ役にメリンダ・キンナマン。

全編がとにかく、みずみずしい。

いずれ近いうちに死にゆくことが暗示される、お母さんの存在や、思春期を迎えた少年たちや年下の男の子たちが「ニョタイ(女体)」(笑)について課外授業を熱心に自主学習するシーン、前衛彫刻家とモデルの女性とのやりとり、イングマルとイングマルのおじさんとのやりとりなど、そのどれも、おもしろく、おかしく、そして哀しくて、せつない。

お菓子でできた葉っぱ

人の一生のなかでとき放たれる輝きの瞬間を感じずにはいられない佳作です。

イングマルの生活が淡々と描かれているだけで、事件らしい事件が起きるわけでもなく、ジャンルでいえば「成長物語」のひとことで済んでしまいそうだけれど、多くの人が経験してきた人生の通過点の物語だからこそ、この映画に心を寄せる人がたくさんいるのだと思います。

アカデミー賞にもノミネートされました。

●Sweden!!

★★★★★スウェーデン大使館公式Twitterサイトより引用。Quoting from the official Twitter site of Swedish Embassy in Japan★★★★★

映画、音楽、本、ゴルフ、文化etcetc。

想えば昔からスウェーデンは、私の身近にいつもいてくれました。

おそらく、多くの日本の方にとっても(地理的に)遠くて(心理的に)近い国なんじゃないかな。

「ああ、あれもスウェーデン!」というものをいくつか挙げてみます。

まずは、私から外せない、

ABBA!!(笑)

いまだに聴いています。

聞いたところによると、ピンクレディの衣裳は、ABBAの衣裳を参考にされたよう。

Dancing Queen

S.O.S

Money, Money, Money,

Thank you for the music

など、POPなリズムと数小節で印象を変えるABBAの曲は歌いやすいものも多く、毎日のように口ずさんでいます。

いい音楽は色あせない。

イングマール・ベルイマン(Ingmar Bergman)。

映画界の巨匠です。

第7の封印

沈黙

ファニーとアレクサンデル

など、重いテーマから自伝的映画まで、観るたびに心にずしり、とベルイマン監督から鋭い刃物を突き付けられているようで、画面の美しさに魅入りつつもときに私も、「沈黙」の登場人物と同じく、列車の窓を開けてふぅっと深呼吸したくなることも。

巨匠の重圧でしょうか?笑

ラーシュ・ヤンソン(Lars Jansson)

Swedenを代表するJazz Pianistです。

日本にも何度かいらしており、私もライブハウスに足を運んだことがあります。

息子さんがDrumをされていて、コンバスのかたと3人でTrioでの演奏が中心です。

北欧の音楽家らしい、というのかLyrical でMajorの曲調にはどこか少ない日照時間に差しこむ日差しのありがたさや恵みを表しているかのようなきらきらとしたまぶしい美しさを感じて涙が出そうになります(たぶん、途中に一瞬、minorやblue notesが入るからかも)。

音楽が持つヒューマニティです。

More Human」は聴くごとに、高次の次元へといざなってくれます。

私のおすすめ。

そしていまなら、小説「ミレニウム(Millennium)」(スティーグ・ラーソン版&ダヴィド・ラーゲルクランツ版)。

以前、米国誌「TIME」でラーソン氏亡きあとの遺産争いについての記事を読みました。

ラーソン氏とは長年、事実婚であり小説にもインスピレーションを与えたとされるPartnerの女性と、ラーソン氏の実父と兄とによる印税をめぐる対立です。

これを読んだとき、

1)いやぁ売れっ子って大変だ、

2)本人たちの気持ちに関わらず、紙切れ一枚でも、籍入れるのと入れないのとでは法律上はこんなにちがっちゃうんだ、

3)やっぱたばこはすっちゃいかんな(爆)

などと思いました。

自宅近くの長い階段を一気に駆け上ったとたん、心臓麻痺で亡くなってしまったラーソン氏。

一日何箱も吸うヘビースモーカーだったそうです。

ジャーナリストのダヴィド・ラーゲルクランツ氏が本作を引き継いでからも、あいかわらず日本の本屋では新刊がでるたびに入口付近に山積みで、その人気の高さがうかがえます。

今日の記事の中に出てきた映画のかずかずは、また時間を見つけて書いていきます。