●翻訳会社である自社の特異性、オリジナリティ
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(青山ビジネススクールのFacebookサイトより引用 Quoting from the facebook site of Aoyama Business School)
前回の記事の続きです。米国人であるメイヒュー先生が、
“So you graduated from University of Oregon.”
とおっしゃったので私も
“Right”と答え、そこから面接は英語でのやりとりになっていきました。
たしか、どんな翻訳をしているかということを尋ねられて、持続可能性や環境CSRに特化した専門翻訳会社であることを伝えたのち、「たくさんある翻訳会社のなかで、自社の競争優位性はなんだと思いますか?」と質問がありました。
それまで自社についてSWOT分析は何度かしていたので、「Strength」としてこれが一番大きいと思っていた「Mobility(機動性、敏捷性)」と答えました。小さな専門翻訳会社だからこそです。
すると、先生はとつぜん、こう質問されたのです。
“Do you know ‘DHC?'”
DHCとはもちろん、本社が東京にある大手化粧品会社です。ですが、これは一般消費者がご存知のDHCの一面。翻訳会社経営者である私はメイヒュー先生の意図を読み取り、
“Yes”と答えてから、こう続けました。
“Daigaku Honyaku Center, right?”
答えが正解だったようで、それを聞いたとたんメイヒュー先生はニカっと笑いました。
“Now you know it.”
そう、そのとおり、とでもいいたげです。
“Yes, DHC is actually an abbreviation of Daigaku Honyaku Center.”
すると、それを横で聞いてらした中野先生が、なになに、どうしたの?(What? What is it?)とメイヒュー先生にささやき始めました。
その様子をみていた私は、それまでの緊張はどこへやら、得意げな気持ちになって(聞かれてもいないのに)いつもの饒舌さを取り戻してしまいました。
“Not so many people know DHC is a translation company. The company has shorten its name.I think the abbreviation with three letters is so much catchy,like IBM, ABS, etcetc.”
やっぱり雑談のちからはすごい。「え、そうなの?(Oh, yeah? I didn’t know that)」などと中野先生がおっしゃっていたり、私も笑みがこぼれたりで、場が和やかな雰囲気になりました。
面接の手ごたえのようなものをようやくこのとき感じました。
それにしても、メイヒュー先生はよくご存じです。日本人でもDHCがもともと何を提供する会社から始まったのか、知らない人が多いというのに。
OMG.
●MBA面接に際して
前回も書きましたが、ビジネススクールの面接にあたっては自分を内観することがいちばん大切ではないかと思います。
そのさいに、上述のSWOT分析を利用するのも一案です。
たとえば、クラスメートにどんな貢献ができるのか、ともし問われれば、
1)自分の独自性を考えたり、2)これまでの経歴、3)取得している資格、
4)才能を提供したりすることを答えとしてアピールできます。
これらは「Strength(強み)」です。
「SWOT」のWである「Weakness(弱み)」は自分を客観的に内観しなければ把握を誤るところでしょう。
つまり、「自分の棚卸」です(「自分の棚卸」という表現は、マルチタレントの美輪明宏さんがご自身の著書のなかで使ってらして、とても納得しました)。
私の場合であれば、経営を経験していることや、会社員をしていたこともあること(東証一部上場の銀行に勤めていました)、米国大学に留学していたので、授業で手を挙げて発言することには慣れているため、自分が知っていることや意見を授業で発表して微力でもクラス全体の知識をより深化させる可能性を有していることなどを伝えた記憶があります。
私と同じ学年や他の学年には、会社員というだけではなく、博士号を有しているひとや小さいときに海外に住んでいた帰国子女、海外駐在員の経験がある人、すでに別の修士号を保持している人、芸術家、スポーツ選手、税理士、会計士、米国CPA、弁護士、そしてもちろん留学生がいます。
文系出身の人もいれば、理系出身の人もいる。彼らが持つ能力や知識、才能、多様な文化は、一緒に過ごすことで私やまわりも、さらに深い見識や多様性、自分の専門性にも参考になる技能を身につける可能性と刺激が得られます。
「面接」と聞くといっけん、自分独りがためされているような受け身の気もちになりますが、ひとつの学年にいる約100名のビジネスパーソンたちのなかでの自分の立ち位置、役割、を想像する視点で面接をとらえてみると、自分がアピールしたり伝えたいこと、知ってもらいことがおのずと見えてくると思います。
面接を担当する教授たちに、「ぜひうちに来てほしい」と思ってもらえるような。
Good luck!