取引先を含めたビジネスパーソンたちと話していて、
「英語を使う状況で難しい」と口をそろえるのは
電話応対です。
理由は、顔が見えないからです。
ボディランゲージができない。
相手がネイティブであっても、
ネイティブでなくても、
いろいろな理由で
大変なことが多いと思います。
今日はその詳細と解決策について書いてみます。
昨日は下の記事を書きました。
●ビジネスシーンにおいて英語で電話応対のコツ。【3つ】
1) 挨拶や電話の切り方には「型」がある。
型をおぼえてしまえば、第一関門クリア
2)ゆっくり言ってもらう。
3)難しい契約関係などは外部に任せる。
詳細を述べていきます。
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1) 挨拶や電話の切り方には「型」がある。型をおぼえてしまえば、第一関門クリア
米国大学に留学していたとき、
私は言語学の授業を受講しました。
そのときに教授が、
「電話がかかってきてまず言うのは、
「Hello?↑」だよね。
語尾があがる。
これが下がったりすると
『あれ?』となる」
と言いました。
それを聞いたとき私は、
「日本人だけではなく、米国人にも
日常会話において
決まったイントネーションや型というのは
存在するんだ」と思いました。
日本語でも電話に出るときは、
「もしもし?」と語尾を上げたり、
「はい、●●(自分の名前)です」
を言ったりしますよね。
「はいこちら、●●です。そちらさんはだれですか?」
なんて言い方、しないです。ふつう。
あるいは
「こんにちは。●●です」
とも言わない。
日本語ネイティブであれば。
私自身が米国で数年住んだ際、
電話の切り方もたいてい、
言い方が同じでした。
「Thank you. Bye-bye」で切る。
たとえば保険会社の人とか
借りてるアパートの不動産会社の人、
警察署の警官もそう言って切りました。
(警察官と電話で話したことがあるのですよ、実は。笑)
親しい友達と会う約束でもしている人なら、
「See you then. Bye-bye」
といったところですが、
それほど違ったことは言わない。
音としては
「バ・バァイ」
♪ ♬
というリズム。
(八分音符+十六分音譜ふたつ。
十六分音符の間に若干スラーが入ります)。
日本語みたいな「ばいばい」ではないです。
シンコペーションしている。
最初のうちは、
「どういう言い方で出たらいんだろう」とか
「切るときはどういったらいいんだろう」
とか戸惑うかたもいるようですが、
すべては、慣れです。
決まった言い回しの型があるから
というのが理由です。
慣れてしまえば簡単です。
2)ゆっくり言ってもらう。
電話応対を難しくしているひとつの理由は、
「ボディランゲージができない」
ということがあります。
対面であれば身振り手振りで話せますし、
筆談もできます。
でも電話では声だけで
やりとりしないといけない。
社内の電話会議などでもないかぎり。
ゆっくり言ってもらうように依頼するのが
一番よいでしょう。
お互い、「ビジネス」という共通項があるのですし、
先方から初めてかかってきたのであれば、
御社のサービスや製品に興味があって
かけてくる場合がほとんどではないでしょうか。
(海外からわざわざ「営業電話」が
かかってくるとは思えないので・・・)
むこうにしてみれば、
「ぜひ話をきかせてください」
だとおもいます。
私の取引先などにも
海外から突然、「御社に興味があって」
と英語の電話がかかってきます。
Could you speak more slowly?
とでも言えば大丈夫でしょう。
聴きなれた製品名がでてきたり、
知ってる英語が出てくると思いますよ。
なにしろ、先方は御社に興味があるのですから。
拾える言葉から意味を紡いでいくと、
理解できることが多いと思います。
それがビジネス英語の便利なところでしょう。
専門用語やビジネス用語という「共通語」があるからです。
3)難しい契約関係などは外部に任せる。
そうはいっても、
いよいよ契約を締結する
というような重要な電話は、
専門家が社内にいなければ
外部にまかせたほうが
良いと思います。
私の友人なども
米国の大学院に留学して
ある州の弁護士資格を取得していますが、
日本企業の法務担当部署で働いています。
大手企業にはそういう、
法律も専門で語学も堪能、
という人が正社員として
働いています。
専門の人材を雇っていないのであれば、
外部の法務専門会社に相談するのがよいでしょう。
国際ビジネスを主に扱う弁護士事務所も存在します。
せっかくの大きなチャンスを
言葉がネックで逃がしたり、
あるいは違法性のある案件であったり、
詐欺であったり、
なんてこともなきにしもあらずです。
●では、簡単なやりとりの電話は外注できるか。
弊社でも、
古くから懇意にしていただいている企業から、
「かかってきたら国際電話を
コヤマさんとこにまわすので
ぜひ話してもらえませんか?」
と言われたりします。
これって外注ってことですよね。
いまのところ、笑ってお断りしています。笑
というのも、電話にでるからには
先様の業務内容はもちろんのこと、
極秘扱いとなっていることや
これから行う案件などについても
把握しておく必要があるからです。
海外からビジネスで電話をかけてくる人は、
その企業の人間が出ている、
と思っています。
そうですよね?
細かい部品のことや
web上のEnglishページに掲載されている
製品やサービスについて興味をもったから
電話してきている。
つまり、ほとんどインハウスの状態で
転送されてくる。
電話会議のような場所で
通訳するのとは状況が違います。
どんな質問が相手から来るのかもわからない。
よって、
海外からの問い合わせ電話を
外注で転送するのであれば、
ひとつの「ビジネスモデル」として
考える必要が出てきます。
まるで、インドをはじめとする
英語スピーカーの多い国へ
コールセンターを設置する
米国企業のようなものです。
実在するビジネスモデルですが
とてもユニークで、
かつこれからどんどん増えてくると
おもわれるグローバルビジネスですよね。
それほど規模が大きくない商店や
会社に、海外から電話がかかってきて、
社長の知り合いで英語の堪能な人が
個人事業主として応対する、
(あるいはパートで)
ということは可能かもしれませんが、
1)ある一定の規模があって、
2)なおかつ、高い専門性を有している企業
の「電話応対の外注(外国語)」
は
事前にしておかなければならないことを
しっかりとしてからでないと
実現は難しい
(つまり、電話をかけてきた相手との
よりよいビジネスにつながらない)
と思います。
裏を返すと、
ここをしっかりとつきつめて計画を立てれば、
実現は可能でしょう。
ニーズがあることはわかってるんですよねぇ・・・・笑
●まとめ
英語をはじめとする外国語による電話応対は
相手の顔やしぐさがみえない分、
難しく感じるビジネスパーソンは
多いようです。
1) 挨拶や電話の切り方には「型」がある。
型をおぼえてしまえば、第一関門クリア
2)ゆっくり言ってもらう。
3)難しい契約関係などは外部に任せる。
外注する場合は、
新しいビジネスモデルを構築する
ぐらいの労力と時間が必要ですが、
うまくいけば
海外にも取引先ができて
ビジネスがより大きく広がる可能性は秘めています。