ビジネスシーンでの英文作成について。プロの翻訳者からビジネスパーソンへ捧ぐ。

多くのビジネスパーソンが社内で英文作成したり、翻訳したりする機会はますます増えています。
社内ではおいつかずに外注することもあるでしょう。
どんな流れになるのかな、
他社さんはどんな状況かな、
と思っておられるビジネスパーソンもいらっしゃるのでは。

今日の記事では、
ビジネスシーンで英文作成する流れやプロの翻訳者からご提案する社内で用意されるとよいこと、などを書いてみようと思います。
●現実的な話として、ビジネスシーンで英文作成(翻訳を含めて)される流れについて。
●英文メールについて。
●まとめ。



昨日はこのカテゴリー「英語(潜在意識を味方につけて)」では下の記事を書きました。






(我が母校青山学院の駅伝チームOB森田くん、下田くん、一色くん、林くん等々が就職したGMO社です!私がひそかに応援してきた島貫温太くん(帝京大)もGMOチームへの参加が決まりました!やった。実業団からも目が離せなくなります)




●現実的な話として、ビジネスシーンで英文作成(翻訳を含めて)される流れについて。

セントアンドリュースの風景

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プロフィール欄にかいてありますように、私の本業は「翻訳」です。私(弊社)のところまでご依頼いただく翻訳は、ご依頼主からすると外部業者に依頼している、ということになります。

その一方で、自社内で翻訳部署が存在する企業もあります。

私の友人なども大手金融会社に勤めていますが、彼の会社には翻訳部が存在します。インハウスですので正社員(契約社員)などであれば固定費が発生しています。そうした固定費が発生してでも人をやとって翻訳部署を作るのは契約書のような重要文書を扱ったりIRのような表現素材で言葉の一貫性をもたせるために毎度担当者が変わる(可能性がある)外部の業者に頼むよりも利点があるということだと思います。

大手で国際的に事業を展開している企業ほど翻訳部は存在します。それぞれにメリットデメリットがあると思います。

内部で英文作成をしたりあるいは外部に頼む場合の注意点などを箇条書きにしてみようと思います。お仕事のご参考になりましたらさいわいです。




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1) 社内コーパスの作成

2) ネイティブチェックを入れる。

3) すぐれた外部企業ほど納品に時間がかかる。

4)(申し訳ないのですが)

受験英語と世界向けの英文作成は、違います。

以下で詳細を説明します。

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1)  社内コーパスの作成

内部の場合、言葉の統一性を持たせるために社内でしっかりとした「コーパス(用語集)」を作成されることをおすすめします。

多国籍であったり国際的なビジネスをしている上場企業様などはおもちです。大手製造業様などもそうです。こうした用語集は、できれば社長のようなトップ直属の経営管理室などが中心となったほうが良いです。

言葉の選び方ひとつひとつに、御社の理念や姿勢、そして好みすらも反映されてしまうからです。

TIME Magazine

のちのち、たとえば翻訳部の社員のかたがリモートワークをされたり、時短でパート扱いになったりしても、コーパスがあれば場所を選ばず、統一された翻訳が可能になります。

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2) ネイティブチェックを入れる。

能力のあるネイティブによるチェックを入れてください。弊社のビジネスモデルのなかにも、某専門会社にいつでも依頼できる仕組みが組み込まれています。

ネイティブを予算の関係で雇うことができない、ということであれば、大手翻訳会社に頼むと、ネイティブチェックのみでも受け付けてくれます。(英語でProof-readingといいます)

「能力のある」と書きました。その専門分野の修士号 (Master degree) 以上を有しているネイティブが理想です。

3) 優れた外部企業ほど納品に時間がかかる。

サイマルのようなすぐれた外部企業ほどチェッカーを含めてさまざまな工程が入るので納品に時間がかかる場合があります。

いいかえると、超特急の対応に外部企業はあまり向いていません。

弊社も「超特急での納品」を売りにはしてはいますが、すいません、それは本当に懇意にしていただいている古くからのお取引先様のみとさせていただいております。(先様仕様のコーパスをすでに弊社側で独自に作成していることも大きな理由です)。

他社様も同じだと思います。

その点、内部で翻訳部があるといいですね。

渋谷区東
東急が再開発をしているあたりです。

4)「受験英語」と世界向けに制作する英文は、違う。

ときどきお目にかかるのが、TOEICで満点や高得点を取って、「英語が好きなので」とおっしゃるかたや超有名大学をお出になられたかたで、「英語の読み書きは大丈夫」とおっしゃるかたです。

でも、実際にそのかたがたが作成された英文を拝見すると、日本語からそのまま英語になったもの、という印象を受けます。

Be動詞の多用もありますし・・・。

  【小山ケイ過去記事】ビジネス文書に知性と客観性を加えるには。

  【小山ケイ過去記事】英作文のコツ。Be動詞は多用しない。

技術文書、契約書、マニュアルなどはもちろんのこと、IRやAnnual Reportのような世界向けの文書は、翻訳部での翻訳・外注いずれにしてもできれば長年の海外生活を若いときから経験されていて、正規の英文作成を海外の教育機関で習ったり、修士以上の学位を取られたかたがおやりになることをおすすめします。




●英文メールについて

オレゴン大学からのメール

英文メールは英文作成の形態のなかでもいちばん利用頻度が高くてかつ気軽に書けるものではないかと思います。

その証拠に、ちまたに出回っていたりネットで書かれている「英文作成」に関する書籍や情報は大多数が「英文メールの書き方」です。

「英文メールの気の利いたフレーズ」

「ビジネスパーソンが使える英文メールの書き出し」

などなど。

おそらく一番簡単に、参考書や情報などを入手しやすいと思います。英文メールの書き方に悩んでおられるかたはそれらを利用するのもよいと思います。

桜の花

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日本の手紙に時候の挨拶があるように、メールは相手と気持ちを通わせることが目的のひとつでもあります。

学生時代に英語があまり得意ではなく(あるいは好きではなく)、けれど社会人となったとたん、英文メールでのやりとりをせざるをえなくなった、というビジネスパーソンは意外とたくさん、おられるように思います。

「契約書」のような法的文書の英文作成はかなりハードルが高いですが、英文メールであればエクスキューズがきくこともありますし、受信する相手も非英語圏の人ということが多々あります。

ビジネスパーソンが英語に慣れる第一歩としてお勧めしたいのはやはり英文メールですね。

自分で必死に調べたり試行錯誤したりすることで英単語やいいまわしが自分のなかに定着していきます。

何度も触れていますが、英文を書く、というのはactiveな作業でありアウトプット作業です。それゆえに、定着率が高いのだと思います。

  【小山ケイ過去記事】Passive vs. Active




●まとめ

渋谷の南口付近

インハウスで英文作成するにしても外注するにしても、メリットデメリットはあります。

インハウスやご自身で英文作成をする場合、「こういうことをお考えになると良いですよ」ということは以下のとおりです。

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1) 社内コーパスの作成

2) ネイティブチェックを入れる。

3) すぐれた外部企業ほど納品に時間がかかる。

4)(申し訳ないのですが)受験英語と世界向けの英文作成は、違います。

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そして、「英文メールは英文作成の窓口となりえます」ともお伝えしました。

日々英文作成にお悩みのビジネスパーソンもたくさんいらっしゃるかと思いますが、ちまたの参考書やネットの情報などもご利用になりながら実り多いビジネスにつなげてくださいね。

明日は、「ビジネスでどんな英語が難しいか」について書いてみます。

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