コンビニでも並ぶようになった「ビジネス英語」の単行本。使い方について想像してみました。
Q) ビジネス英会話や英単語の単行本を購入しました。どんな使い方がよいでしょうか。
A) 私が実体験からおすすめする使い方をご紹介しますね。
昨日は下の記事を書きました。
●コンビニでも、「ビジネス英語」「ビジネス英会話」の単行本が並んでいます。
コンビニにいったら、いろいろな単行本が入った縦長で透明な回転式什器の最上段に、手ごろなポケットサイズで一冊だけ、入ってました。
「ビジネス英語」と書いてあります。
コンビニに並ぶ書籍も、駅の売店のようにちょっとした移動で読めるような大きさと重さの、しかも知的好奇心をくすぐられるようなタイトルの本がよく並んでいますよね。
レジ待時間中だったので残念ながら手に取ることはできなかったのですが、私がこのブログで何度か書いているように、「スキマ時間を利用してビジネス英語を身につけましょう」というような趣旨のことが表紙に書かれてありました。中、見てみたかったなぁ。
せっかくこうした携帯しやすそうな手ごろな本を購入しても、「つんどく(積読)」になったり、読みっぱなしで「なんか効果がなかったな」、ではもったいないです。本との出会いも「ご縁」。そこで私も少しお役に立てれば、と今日の記事では、「こういう手軽でとっつきやすそうな本を購入した場合、どんなふうに利用したらビジネスに役に立つだろうか」とシミュレーションしてみることにします。
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ビジネス英語やビジネス英会話に関する本は市場にずーっと出回っています。それでも途切れることがないのは、せっかく購入してもモノにしていないビジネスパーソンが多いからでは?笑 ですよね。
思うに、本を購入したら多くのビジネスパーソンは、a)とりあえず一通り目を通す。b)手元に置いとく。c)英語で話す状況になったとき、本を開く。あるいは本の存在自体をもう忘れている。ということなんじゃないかな、と思います。どうですか?
新しい本ってとてもわくわくしますよね。とくに私などは本が大好きなので、新しい本の匂いとかまだ折り目もついていない織り込まれたページの部分とか何度も確認したり、表と裏の表紙を何度か両手でこすったりもします。「これからもよろしくね」なんて思いながら。
でも。ビジネス英会話の本はこれで終わってはいけない。笑 買ったことですでにもう、「完結」してしまってはだめなのです。「わーい。本を買った!これでもう話せる(た、と過去形。そして「さて、呑みにいくか」)」。
つまり、私の言いたいことは、上記のa)からc)においてすっこぬけていることがある、ということです。本を「反復練習する」「復習する」ということ。
反復練習や復習のしかたについては私もこのブログで何度も触れました。そして、復習することを「復習力(おさらいりょく)」と私は呼びました。
さらに、何度も触れているように、語学の勉強は「音読」が基本です。声に出すのが基本です。
でも会社ではひとめもあるので、声に出して練習はなかなかできないですよね。
そこでこんなやりかたを考えてみました。
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★会社で仲間を作る。朝活する。そして「唱和」する。
数名でいいのです。朝5分くらいを、コンビニなどで購入した「ビジネス英会話」の本の輪読にあてる。みんなでお経を唱えるみたいに唱和します。勉強会形式にしてもおもしろそうですね。唱和する部分に関係する文章をひとりひとり考えてきたり、自社ではどういう状況で使えるか、実際の場面をみんなで考えたり。
人がいてくれることで、いろいろなことが記憶となって自分の脳に定着しますよ。
何度も触れていますが、語学の成功の秘訣は「楽しく」。たまに小難しいことを言い出す人がいたりしますが、苦行にしてはいけないので、文法やアカデミックな勉強会にしたり、理屈っぽいことを言い合う会にするのではなく、あくまで「唱和」という「音読」が主体です。童心に返ったつもりでぜひ!
★自分ひとりで勉強する場合は、つねに持ち歩く。
持ちやすい大きさと重さの本は、「つねに携帯する」ことを想定されています。なので、気に入った本が見つかったら、できるだけいつでも携帯します。もし携帯することを忘れてしまいそうだ、と思ったら、会社に常備する分、家においておく分、カバンにいつもいれておく分、としてもよいと思います。
★お昼にチラ見、自販機の前でチラ見、電車待ちのときにチラ見、カフェでチラ見etc.,
気張る必要はまったくありません。会社の重要会議の資料やプレゼン原稿でもありません。本の作者たちが言っているように、スキマ時間の利用で気軽に、が基本です。このちょこちょこチラ見、もチリツモで1年後にはものすごいことになってますので・・・。笑
たとえば、会議や商談、企画書づくりなどで、「一息つきたい」というときに、ゲームや漫画、一服するのと同じ感覚でチラ見、でいいのです。語学は気楽にこつこつと、がいちばん効果がありますので。
●なかなか実感がわかないと思います。私の体験を含めて、どういうふうに効果が表れていくか、書いてみます。
一 本を買いました。「ビジネス英会話」という単行本です。とても持ちやすい形状で、装丁もよくて、ひとまえで広げて読んでもかっこよさそうなイラストつきです。
これをおなじく「ビジネス英会話ができなくては」と思っている同期二人に声をかけて、三人で会社近くのドトールで朝活することになりました。他の顧客の手前、あまり大声は出せませんが、会社近くの店は朝は比較的空いていることが多く、隅のほうにいればなんどか唱和できます。
二 でははじめるか、と三人で唱和を始めます。小売店などで見かける、接客用語の唱和と同じです。何度も何度も、おなじことを反復練習します。
「二人以上はExcuse us」「二人以上はExcuse us」”Thank you for your e-mail. I’m so excited because of your innovative suggestion.” “Thank you for your e-mail. I’m so excited because of your innovative suggestion.” “We have four branches: Tokyo, Osaka, Nagoya, and Sapporo.”
「うちだと支店は14店だから、ここの部分は14店にしてみよう」と応用させます。
三 同期と「小学生みたいだな」とくすっと笑いあいながらも、ひたすら唱和を定期的に続けます。三人とも、有名大学を卒業していて大学受験のために通った塾ではホワイトボードの文字を書き写したり、数学の問題を黙々とといたり、英語は文法と長文読解を机上でやり続けました。
全員で一緒に唱和なんて小学校以来です。
同期のなかでも気の合う連中で、こうして毎日のように顔を合わせあれるのはなかなかに楽しい。それぞれ部署は違ってしまったので。
四 それから半年後。ドイツの取引先が急遽、来社することになりました。向こうは3人。こちらは4人。うち英語をそれなりに話せる人間は1人いるので、難しい契約のことはその人間がすることに。
けれど、それぞれが名刺交換と握手を交わします。
自分の番になったとき。ひと月前にe-mailを送ってきてくれたMarkと初対面しました。この人がMarkか・・・。
“Thank you for your e-mail, Mark…. May I call you Mark?”
“Yes, of course! May I call you Tadashi? I really wanted to meet you, Tadashi!”
“Oh, so did I! I was so excited because of your innovative suggestion. Please explain your idea in detail later, OK?”
“Aaaaalright.”
Tadashiの頭のなかには、同期となんども唱和したときのA)三人の声がこだましています。そして、B)同期がくすっと笑った表情や「こいつ意外といい声してんな」と無意識に思ったことなどと一緒に不思議なことに、一発で覚えている単語や言い回しなどが口をついてでてきます。
そして通路の向こう側にある会議室へ3人を案内しようとしたとき、違う会議室へと案内してしまいます。はははとそれぞれ笑いつつもTadashiはひとこと、こう声をかけていました。
“Oh, excuse us.“と。
すべては、唱和をしたとおりです。
●まとめ
語学、とくに「しゃべれる語学」は記憶への定着がカギです。
記憶への定着は、頭を使う「顕在意識」よりも無意識の領域である「潜在意識」をうまく利用するとよいといわれています。そして、潜在意識は「感情」に反応します。
英語とはまったく関係ないことを思ったり感じたりしたとしても、そのあなたの「感情の動き」が潜在意識への記憶の定着を促します。上記の「B」の部分がその典型です。
そして、小学生みたいながら同期といっしょで楽しいという感情。
仲間と一緒に勉強することで、いろいろな感情がご自身のなかで生まれるはずです。上記の例でいえば、「同期の声の良さに感動したこと」や「クスッと笑って楽しいと思ったこと」など。
喋れる英語を身につけようとされているかたはぜひ、ご自身の感情が自由に楽しく動きまわることに意識を向けてみてくださいね。自分でも驚くほど、記憶に定着しますよ。