昨日の記事で、「英語をはじめとする外国語のスピーキング試験では、いいたい言い回しがとっさに出てこないときは、簡単な言い回しで代用する」ということについて書きました。今日はそのことについてさらに詳しく「じゃぁどうやったらそれがスラスラと口をついてでてくるか」ということについて書いていきます。
昨日は下の記事を書きました。
(我が母校青山学院の駅伝チームOB森田くん、下田くん、一色くん、林くん等々が就職したGMO社です!)
●英会話の簡単な言い回しが「スラスラと」口をついて出てくるようにする方法。5つ。
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昨日は「大学受験のスピーキング対策をはじめ、TOEIC、英検、ビジネス会話などにおいて、「その言い回しが思いつかない・分からない・とっさに出てこないときに私・小山が実践しているコツ5ツ」をご紹介しました。
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1) 「簡単な言い回し」「短文」をこころがける。
2) 短文でいいので普段から簡単な言い回しや例文をストックしておく。
3) 2)を普段から練習。
4) 本番を想定して練習。
5) 簡単ないいまわしである分、発音はできるだけ正しく。そして滑舌よく。
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5)の「発音」と「滑舌」に関しては過去記事がありますので、そちらも参考にしてください。
小山ケイ過去記事】英語で強く発音するところを暗記する。コツ2つ。
小山ケイ過去記事】滑舌よく、しっかりとした言語を。speaking対策。
今日は「では、その簡単な言い回しがスラスラと、口をついて出てくるようにするにはどうするか」ということについて書いていきます。
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I) スピーキング(英会話や外国語の会話)テストと、文法や長文読解の試験対策は、まったく別物とこころえる。
II) 音読できる場所と時間を確保する。
III) 基本は学校の教科書。参考書を利用するさいは、簡単な言い回しの例文が載ったものを選ぶ。
IV) 街中や人込みにいるときなど、音読できないときは、頭の中で「どういう言い回しをするか」シミュレーションする。
V) できれば、仲間をつくる。
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I) このブログでなんどか述べていますが、スピーキング対策は文法の勉強や長文読解とはまったく別物です。頭の中でアタマをつかってなにかを組み立てたり文章の構造を分解して意味を考えたりするのではありません。
そうしたい人もいるかもしれませんが、それではおそらく、時間が足ない。
まずは、「別物である」ということをはじめによく頭にいれておきます。
II)に関しては、例えば電車や街中を歩いているときはできない、ということです。ひとめを気にすることなく、自分の声がしっかりと自分に聞こえて、しかも集中力を極限まで高められる時間を用意するということ。
III) は、上記の2)でストックしたもの。いちばん使えるのは、学校の教科書に載っている会話文です。それと、有名な人のスピーチ。Shakespeareの文章やだれかの長文エッセイなどは読んだり書いたりするときは大いに参考になるのですが、会話となると言い回しが古かったり文語体だったりしますので注意が必要です。
“Hello, Taro.” “Hi, Ellen.”のレベルもOK。このブログでもなんどか書きましたが、「Excuse」の使い方だって馬鹿にしちゃいけません。何人かで誰かに不便をかけているのに「Excuse me」といってのける日本人に何度か出くわしたことがありますので。
「何人かで」「誰かに不便をかけている」ときの言い方は、Excuse meではなく、Excuse usですよ。いいですね?笑
つい先日書いた、「the」のつかいかたにしたってそう。冠詞だとばかり思って文法の勉強でもしていると、スピーキングや英会話で便利な使い方があることに気づきません。たとえば:
「えっ、あの(有名な・著名な・人気者の)、だれそれ???」
という意味で使えるのが、「The」です。この場合の発音は母音の前にある「The」と同じ。舌先を軽く上前歯の裏につけて、「ジ」に近い発音をしますよ。噛む必要はありません。鏡を見ながら発音したときに、上と下の歯の間から舌先が「ちょろ」っといっしゅん見えるかんじ。そのときに声帯を使って音を出します。ジと。
そうなのです。神は細部に宿るのです。中学1年で習ったような単語や言い回しも、スピーキング対策においては軽視してはいけない。
小山ケイ過去記事】感覚を大切にする。いろいろなところをつながってるから。
スピーキング対策として利用できる教科書は中学1年のときのものからじゅうぶん有効です。いや、むしろ、中学生ぐらいのレベルなら、会話の例文がたくさんあったはずです(私の時代はそうでした)。高校生ぐらいになるとかなりハイレベルの学術論文とかエッセイとか小説が出てきたりするので、スピーキングに限れば中学生の教科書もぜひ、ひっぱりだしてきてみてくださいね。
IV) 電車のなかとか歩いているときは、音読がなかなかできないと思います。でもその分、「頭の中で」練習することができます。
たとえば、目の前にあることをなんでも英文にしてみる。あるいは、その日、「ここ」にくるまでに自分がとった行動を英文にしてみる。それも、できるだけ簡単な言い回しです。
V) いわゆる「受験勉強」は自分ひとりでしなければならないことも多いでしょう。けれど、スピーキング対策の時はできれば、仲のいい友達などを誘って勉強会を定期的に開くことをお勧めします。メリットがたくさんあるからです。
まずだいいちに、それぞれが音読した「声」がたとえ人の声であっても耳と記憶に残りやすいからです。いろいろな感覚を利用するからでしょうね。
そして、人と話したり表情を観たり、あるいは自分が失敗したり褒められたりで、さまざまなこまごまとしたことを「経験」するはずです。それが、英語の言い回しを無意識という記憶のなかに定着させる役割を果たしてくれるのです。これは私の実体験です。
独りだけでもくもくと勉強していては、記憶のなかになかなか定着しません。感情が動いていないからです。そして感情は、ものごとを記憶に定着させる役割を果たしてくれる不思議な力があるのです。
人と一緒だと、発音も確認できます。いい発音をしている子がいれば、その子からどんな舌や口の形をしてその発音をしているのか教えてもらえます。実演を目で見て確かめることもできます。
もちろん、ぴりぴりと緊張する受験期間のひそかな楽しみにもなりますよね。友だちとおやつや飲み物でも口にしながら、誰かのうちに集まってスピーキングの勉強をする。英語圏の好きなテレビドラマシリーズやアイドルの曲を聴きながら、スピーキングの参考になりそうな雑談もできる。「このいいまわし、いいよねぇ」「このセリフ、字幕見なくてもわかった」などなど。それもまた、記憶に残るんですよ。
●「時差ぼけであたまがフラフラの状態で、すぐに現地のビジネス会議に出席。そのため、プレゼンのパワポを間違って別のものをクリックして表示してしまった」と英語で説明する。
昨日の記事で書いた例です。
日本語で考えて、「この言い回しの英語はなんだっけ」と考えて、その言い回しにとらわれていると、言葉が出てこない可能性があります。
昨日は「時差ぼけ」という言葉を例に取り上げました。
自分が言いたい言い回しが思い出せなかったり知らなかったりすることがスピーキングの試験ではありえます。けれど、別の言い方を考えたり、自分がとても言いやすくて言葉がスラスラと出てきやすい言い方にしてみると、その「とらわれていた言い回し」に執着する必要がないことに気づきます。
実は言葉って、そういうものじゃないかな。
このブログで、Scotland vs. Ireland でRugby World Cupの試合があったとき、supportersに私が簡単に”Any seat’s OK?”とたった3文字、伝えただけで、彼らはようやく英語の通じる人間に出会えたとばかりにホッとした笑顔を見せて”Oh, yes! Any seat’s OK!”とeasy-goingに答えてくれた話はこのブログでも書きました。
小山ケイ過去記事】イージーゴーイングで行こう。良さは万国共通です。
あの感覚が、スピーキングの基本だと思います。そしておそらく、それ以上でも以下でもない。自分が知らない小難しいことを言おうとしなくてもいいし、文法をこねくり回さなくてもいい。中学で習った簡単な会話文をいっぱいくっつけてやろう、ぐらいの開き直りが自分に自信を与えてくれるように思います。