日本での働き方あれこれ2024 (1) ー「トリプルワーク」「クワトロワーク」へ移行しつつある日本。Working styles in Japan 2024 (1)
ビジネススクール(大学院)時代の女友だちとひさしぷりに会食した話はこのブログで少し前に書きました。
彼女たちのうち、会社員は二人、エージェントに登録して専門職として働いているのは一人。私だけが自分で会社(事務所の法人化)を作って自分の裁量で仕事をしています。
その彼女たちが言うには、「もう、疲れた」。
うち一人はそうとう忙しいらしく、「来年には会社やめてるかも。アルバイトでもいいや、とすら思う」と漏らします。小売店舗によくはりだされている高い時給を見ると、とくにそう思うのだそう。
いずれも外資や日系など、いくつかの企業勤務と転職を経験している「できる人たち」です。専門性もある。一人は国際的に活躍しています。いまの時代、「やっぱり雇われて仕事をするのはなかなかに大変なのだわ」。私がここ数年、うすうすと感じているように。
ほかにも、私は組織に勤める会社員のかたたちと話す機会があります。その人たちも、「疲れた」とは言わないまでも、「とにかく忙しい、忙しい」と言う。なかには体調不良で休職する人もいる。そして辞める人も。
あるいは、日本を代表するような監査法人では有能なかたがある日、心身(おもに心のほう)が疲労して休職する。私の知人の会社で実際にあったことです。
いまの時代、まともに会社員をしようと思ったら、仕事はそうとう大変です。楽に会社員はできない。または登録制の専門職もしかり。
私がなんとなくここ数年、「日本の働く現場はどんどん厳しくなっている」と薄々でも感じてきたことは、たぶんこんなことが原因だと思います。
1「効率至上主義」や「コストカット」などで、一人の従業員にたいする業務が多くなった。その分、責任も。
2 コンプライアンスの厳しさとその細かさが年々増している。
3 競合は国内のみならず海外にも。
4 その分、株主も海外に。→好調な日経平均株価は海外投資筋の資金が流れていることも大きい。評価も高い。平たく言って、「堅調な仕事ぶりで低い株価は割安感がある」。ウォーレン•バフェット氏 (Warren Buffett) はそう言って、日本の五大商社株をたくさん保有しています。
5「フラット化する地球(New York Timesコラムニスト、Thomas Freedman氏による命名)によって、順守するものや市場、取引先、同僚、などなど、とにくあらゆるものが、「地球単位」である。
6 能力主義、歩合制に移行しつつある過渡期。どの業界でも。→一時期、俳優さんが自ら命を絶たれると、芸能事務所も歩合制に移行していることが取り上げられました。
⚫︎働き方の未来像、あるいはいままさにはじまっている可能性も。By小山ケイ。
1 副業やダブルワークの時代は終わり、トリプルワーク、クアトロワークで、それぞれの仕事の比重がおなじくらいで収入も同じくらい、それもそれぞれは小さな収入、という働き方が主流になっていく。責任も協業者(同僚など)に分散されている。ほどよく。
2 あるいは、主要な部分はAIということも。人はそのサポート役。IT系企業はとくにそうなります。
その分、「自分」や「社会」に使う時間を確保できる人が増えてくる。
→よく「ラットレース」などと言って、人に雇われることが間違いで「金待ち父さん」ばりに起業することが正しいような物言いをするかたがいますが、それは短絡的だと思います。人に雇われる分、その仕事にたいする責任や負担が軽減されることも多い。超有名ブランドの創業者が何人か自殺していますが、大きな責任(おそらく負債も)を抱えたことによる心労もあったのだろうか、と想像します。もちろん原因はそれだけではないはずですが。
3 人にはそれぞれ、GIFTSがあります(GIFTという英語については数日前に記事にして書きました。ご参照)。それをいかした職業や職務につく人がふえる。そのGIFTが小銭稼ぎのレベルなのであれば、まとまったお金は別の仕事で。
1に通じますが、「お金を稼ぐ仕事」と、「GIFTSを生かす仕事」をいくつも兼業するひとが増える。