銀行員のFinTechあるいは他社への転職、応援します。

BelfastのATM

今日の記事では、2018年5月12日付の日経電子版の記事「銀行員、高まる転職熱」からヒントを得て書いています。昨日は下の記事を書きました。

●もと銀行員の私から若者銀行員へ。転職が成功しますように。応援してます。

高層ビル

2018年5月12日付の日経電子版に銀行員高まる転職熱と題する記事が掲載されて約1年。20代から30代の若い銀行員がFinTech企業を中心とした異業種へ流動的に転職する動きはあいかわらず増加しているようです。もと銀行員かつ転職経験者の私転職どころか、会社員⇒フリーランス⇒法人経営者、で転業です)としては「よっしゃという気持ちで見守っています。

私がぺーぺーの新卒で入社した時代、銀行は「保守の権化」の象徴ような場所でした。私のまわりも新卒で入社してから一度も転職すらせずに定年退職を迎える人がほとんどでした。そしてそれが王道であり、私のように途中で退職する人間は「(頭が)おかしい」「変わってる」と思われていたようです。

(私の退職後、数年してから私より数歳年上の若手ファンドマネジャーが他銀へ転職し、そこから彼は外資に引き抜かれ、その数年後、ついには日経ヴェリタスの投票上位に毎年入るぐらいの有名アナリストになりました。このような動きは当時、とても珍しく、また華やかな転職だったと思います)

庭先のアジサイ

能力ない人間ならまだしも、いろんな世界を見たりいろんな人から刺激を受けることを若いうちに早々にやめて、じじくさく小さくまとまるのは、なんかヘン・・・。

高校からすぐに入った大学在学中に就活して22歳前後で入った会社に、60過ぎまでとどまる。他の世界をまったく知らないままに年寄りになって・・・。

若いうちこそ失敗できるんだけどなぁ、と私はいつも思います。

「人生100年」とのこと。残りの70年、80年でいっくらでも挽回できます。本人さえその気になれば。

慎重にレールの上を歩んできたからこそ銀行員になったって人が多いのかもしれません。それも、わかる。メガバンクの若手行員の出身校を見ると、超有名大学ばっかりでびっくり。

そこで、次の項目ではもと行員の私が考える、「若手銀行員の成功する転職」について書いてみようと思います。

Let’s go.

 ●できれば、在職中に専門性を身につける=自分の「商品価値」を高める。

鶴岡八幡宮の茅の輪

保守の権化の銀行なので、ジェネラリストが多いのは否めないですが、銀行にも高い専門性を身に着けた人がたくさんいます。たとえば、

★ファンドマネジャー(バイサイド側)

★アナリスト

★SE

★経理(会計)担当

私が行員だったときは、大学在学中に宅建の資格を取得したり、簿記の資格を取得したり、という人はいました。

専門性は取得するまでだけではなく、取得後も月日をかけて、さらに深まっていきます。

年々情報も知識も変わっていくのでそれに対応する必要もあります。

また、若いからこそできる仕事もあります。

私の知り合い筋の金融会社だと、「アナリストはある一定の年齢になると、窓際に追いやられる人も多い。すごい専門性を持ってるのにね」とのこと。

ひとつ専門性をつけたら、さらにまた努力して別の専門性をどんどん身につけていく。

つねに動く。

つねに頭を働かせる。

あらゆることにいつでも立ち向かえるよう。

人生と同じです。笑

桜の花

可視化された専門性のひとつの例としては、私も取得した国内MBAがあります。

メガバンクで働きながら取りに来ている人もいましたよ。

ご参考までに私がこのブログの別カテゴリー「働きながらMBA」で書いた記事を以下に貼っておきます。

MBAなら上記のような金融関係の専門性だけではなく、「これからその企業の上層部として活躍できる可能性」を学位として示せる点が有利だと思います。

ジェネラリストからの脱却としての学位として。

「リーダー候補者の育成」が国内外、どのビジネススクールでも謳っていることでもありますし。

●中年行員の転職

渋谷の夜景

中年以降の行員の転職は、請われる立場になるのが一番だと思います。

自分から履歴書を用意して若者と一緒に面接を受けにいくというよりも、他社が「ぜひうちに来てくれませんか?」とヘッドハントしてくれる立場ということです。

専門ヘッドハント会社なりを通して貴殿のこれまでの業績や能力、専門性に高い価値を見出してもらう。

Belfast

そのためにも、上記の若者行員のように、まずは「自分の商品価値を少しでも高める」ことが大切であり、さらに、「各業界、他行のキーパーソンたちと意識して付き合っていく」ことではないでしょうか。

「うちに来てくれない?」と言ってもらえる可能性も生まれますし、なにより、一流の人たちと付き合うことは自分の器を広げることにもつながります。ご自身が動かない限りにはものごとはやはり好転しません。

それも、自分に厳しく自分を鞭打ってコツコツと身につける専門性。証書や学位として可視化された専門性。

サントリーホール天井

その専門性とはもちろん、「汎用性・互換性」が必要です。その企業の中でしか価値づけられない専門性(地位)ではなく。

「おまえ何がやれるの?」

「部長」

ではなく。(これ、いろんなところで聞く笑い話ですが、実話なんですよ)

トラのもんマスコット

私も中年ですが、中年以降の人生は、若い人から「あ、長い間、努力してきた人なんだな。行動してきた人なんだな。話を聞いてみたい」と思ってもらえる大人でありたい、と私も日々、自分を戒めています。

大坊さんのコーヒー。大倉陶製のカップ。
大坊珈琲店のコーヒー「3番」(大倉陶園のカップで)

私のまわりに、新卒では某メガバンクに入社して、MBAは海外で取得して、そのあとに転職して、さらに中年になってから博士号を取った人がいます。大学は超有名校卒です。

転職先は大手日系企業ですが、すでに博士号を有しているので、ビジネスパーソンとしてあと数年で定年を迎えたとしても、退職後にどこかの研究機関や教育機関で学者として後人を育てたり、日本社会や世界のために研究に没頭する、ということが可能です。

華麗で素晴らしい人生だと思います。彼は私が尊敬する大先輩です。

メガバンク新卒入社の転職成功例が私の身近にもいたので末尾にご紹介しました。