外資系企業へ転職する際、TOEICのスコアは有効かどうか。

渋谷区南平台

今日の記事は、外資系企業へ転職を考えているかたが「英語力」を示す方法としてのTOEICは有効かどうかについて書いています。
昨日の記事は以下のサイトからごらんいただけます

●外資系企業へ転職する際、TOEICのスコアは有効かどうか。

 

私の仕事やMBA取得者であること、海外の大学を卒業していることなどから、私よりうんと若いビジネスパーソンから相談を受けることがときおりあります。

とくに、若い女性。

日系企業の保守性や「ガラスの天井」を感じ始めるころなのかもしれません、留学相談や恋愛相談に交じって(?笑)こんな相談を受けたことがあります。

「外資系に転職したい、と思っているのですが、TOEICってやっぱり受験したほうがいいのでしょうか?受験したスコアを転職先に示したほうが有利なんでしょうか?」

私の答えは、その企業によってTOEICに対する評価が違うので、もちろん取っていて損はないは思うけれど、必ず提出しなければならないもの(先方から要求されない限り)ではないし、スコアがなくても他の資格や経験、技能によって評価されるものも多い、ということです。

私の女友達であるビジネスパーソンたちはたいてい外資系企業に勤めています。

彼女たちは転職も何度か経験しましたが、TOEICのスコアを示した人もいつつ、それは提示したものの一つに過ぎない、というのが正直なところです。

留学経験もありますし、修士号を有している人もたくさんいます(2つ以上持ってる人も!)。

でもいちばん威力があるのは「これまでどんな専門性を発揮してきたのか」ということだと思います。それを、英語でいう「tangible」な状態にすれば希望先の面接担当者も納得してくれる可能性があります。

専門性とは、たとえば、1)マーケティング専門なのか2)IR専門なのか3)PR専門なのか4)金融のプロなのか5)SEなのか6)会計の専門家なのか7)法務の専門家なのか(友人のなかには米国弁護士資格を有しながら企業で働いている人も)など。

日系企業では「女性」という性別だけで色眼鏡で見られなくもないと思います(私はあえてそう言いたい)。

なかには、「うちの業界の打ち合わせがあって日系企業である先方に出向くと、私(女性)以外全員、男性だった」なんて人もいます。

大手日系企業はやっぱりまだまだ、日本男性のもの、だよね。笑

でも、おおかたの外資は前職までの専門性や実績を見る場合が多いです。

それから、業界によってはその業界で長年、仕事をしているか、ということも重要かもしれない。高度な知識が問われる医薬品業界などはその最たるものじゃないかな。

医薬品会社に勤める友人たちなどは、医薬品の修士号、博士号は持っていなくても、医薬品の成分や動向については研究者やお医者さんなみにとにかくよく知っています。勉強もよくしてる。

 

オブジーボってどうなの?」なんて振ると、すぐに答えてくれます。

 

大規模な国際的M&Aが繰り広げられる医薬業界の内部のことも熟知しているので、どこにいっても即戦力として働きます。

●外資といってもいろいろあります。

六本木通り

彼女たちから話を聞いていると、日本で名の知れた大企業の外資は、全体的なマネジメント層は本国の人が多いけれど、日本本社の上層部はほとんど、日本人が多いそうです。

金融大手GS(「グループサウンズ」じゃないよ。笑)に勤める外国人の女友達のところは職場には外国人が多いらしいのですが、そういう大手外資系企業は昨今わりとめずらしいと思う。

日本の場合、エンドユーザーを含めてウルサイし細かいし、目の肥えた人も多いし、それでいてビジネスパーソンとしての技能やポテンシャルの平均値もむちゃくちゃ高いしで、日本国内で人を採用してローカライズするのが一般的だし効果もあるんじゃないかな。

職場に外国人がいても、日本語ぺらぺらの人も多くて、フランス人の同僚は電話だけだと日本人みたいで、呑み屋の予約を入れるときに最後に名前を告げたら相手がようやく「あ、外国のかたですか」となったって。笑

日本のソフトパワーのおかげもあるのだと思います。昔は「24時間戦えますか」でNYロックフェラーセンターを買い占めたりしたけど、いまはアニメやファッション、ゲーム、若者文化、そして東京をはじめとする観光地への興味やあこがれで日本語を勉強してくれる外国人が多い。

●たとえば、TOEIC満点の転職希望者が5名いたとして、1名しか選べないとき、私が面接官だったらどんなところを見て採用したい、と思うかな、と考えてました。

TOEICの満点者って、ごろごろいますよね。大学生でも、就活に有利なようにとTOEICを受験して満点とったりしています。

だから、逆説的だけれど、TOEICのスコアだけで自分の力を証明する、というのは競合が多いということじゃないかな。

TOEICのスコアが証明できるのは英語の能力(聞く・読む)ということだから、語学力は証明できるとしてもでは、仕事の能力は何で示すか、ということに尽きる気がします。

言葉はわるいけど、仕事ができれば人間性は問わない、みたいな事態がおこることも(友人いわく、「外資で出世していく人間ほど性格が悪い」大笑)。まぁ、これは極端な例としても、こないだBBC聴いていたときも出てきた米国人教授が言っていたのは、EQ(共感能力)」はあらゆるところで大切だということではないでしょうか。

もと国会議員の田村幸太郎さん言うところの「相手の気持ちを見抜く力」かな。

専門性や経験に加えて、どれだけ即戦力になってくれるか、自分だけではなく、まわりや下の力を引き出す能力、まわりを上手に巻き込む能力、まわりが上手に手伝ってくれる能力(この人のために力になりたい、と思わせる能力)。

なんてことを、私が外資系企業の担当者だったら見たいです。

 

経営者であり留学経験者でありMBAホールダーでもある私自身の経験と、自分の女友達の話、そしてMBAコースの女性クラスメートや知り合った女性のビジネスパーソンなどの話から、今日はそんなことを考えてみました。

若い女性たちの転職が成功しますよう、心からお祈りしてますね!

おはな