⚫️”Cheating” 小山ケイの「言葉の思い出」
米国大学かを卒業して帰ってきたときのことです。もう何十年もまえ。
渋谷の東急東横線が終点(始点)駅だったころですから、本当に大昔の話になります。駅で折り返して下り用に扉が開くのを私は待っていました。隣には、アメリカ人と思しき男の人と日本人の女の人が立っています。当時の私より年上に見えたので、おそらく30歳前後くらいでしょうか。お二人は英語で話してます。
「早く開かないかなぁ。早く。早く」と男性。
女性のほうは無言か小声だったのか、私の耳には彼女の声は届きませんでした。
私もせっかです。
「早く開かないかなぁ」
男性と同じことを思っていました。
どうやらそれが、態度に出てしまったらしい笑。
私は少し、前のめりで、お二人よりも半歩、足を踏み出しています。
先に並んでいたのは彼ら。
男性のほうが女性にこう呟きはじめました。
“She’s CHEATING.”
日本語で言ったら、「ズルしてる」。
