●オレゴン大学に留学する前からオレゴンを見つめて、30年。
私がこれまでの自分の人生において、米国オレゴン州の地をはじめて踏んだのは,考えてみるとなんといまから30年もまえ、
1988年です。
当時は青学の学生として旅行で訪れました。
PortlandにはPioneer Courthouse Squareという、市民からは「Living Room」と呼ばれて愛されている憩いの広場があるのですが、しらべてみたら、ここが設置されたのが1985年だそうです。
1988年にオレゴンを訪ねた際、私はこの広場にも行きましたので、出来てから3年たらずで訪れていたんですね。
場所はNordstromの前。
当時は、広場にまだスタバはなかったなぁ。
「傘を持ったスリムな紳士」のブロンズ像はあったけれど。
Did you know the Starbucks at the Square was the very first location in Oregon? Stop by Starbucks’ flagship location for all of your favorites this holiday season. ☕️ pic.twitter.com/ayg0I7Fuh0
— Pioneer Courthouse Square (@thesquarepdx) 2018年12月13日
(Pioneer Courthouse Squareには寄付金を出した人の名前を記したレンガがひとつひとつ、埋め込まれているのですが、そのひとつには私の名前も記されています!(^^)/)
Need a uniquely Portland holiday gift? Give a gift that will last a lifetime: a personalized brick in the Square! 🧱
Each brick purchased before December 20th will come with one of these gift cards wrapped to give to your loved ones. #giveabrick pic.twitter.com/DWcPS0cbTU— Pioneer Courthouse Square (@thesquarepdx) 2018年12月14日
今回は、前回に引き続き、約30年間にわたってオレゴンや米国を見続けている私から、オレゴンに留学したり合宿するという若い子に向けてTipsとして具体的に書いてみたいと思います。
【治安】
全米のなかでも治安は良いほうです。
それでも、夜6時以降は独りでは外出しないほうが無難です。
私は自宅アパートに駐車していた車の後部ガラス(rear window)を夜中にそれぞれ別の日に、こっぱみじん、こなごなに割られて車内のものが盗難にあったことが2度、あります。
翌朝、地面一面にこなごなに砕け散った自分の車の窓ガラスを見て、「クリスタルナイトの地面ってきっと、こんな感じだったんじゃないかな(世界史、勉強しましたよね。クリスタルナハトKristallnachtですよ)」などと、まったく思いもよらないようなことを思いました。
ショックがあまりにも大きかったからでしょう。まったく関係のないことを思うことで冷静さを取り戻そうとする自己防衛本能が働いたのだと思います。
犯罪や危険はつねに、自分と背中合わせです。
「カモ」に見えない実践的な方法
●早歩きで歩きましょう。できれば、足先は外側に向けて。
●脇、は〆て。
文字通り、脇が甘いと狙われやすいです。
●「あいまいな笑顔」は、あまりおすすめしません。
とくに、女性の場合。
あいまいな、はにかんだような笑顔がかわいく見えるのは万国共通ですが(良くも悪くも)、可愛く見せようと意図的にそんな笑顔をしたばかりにトラブルに巻き込まれることもあります。
ただでさえ、日本人の女の子はかわいく見えます。
発音がネイティブと異なることについて、「日本人の女の子の発音は、かわいい」と嬉しそうに言ったアメリカ人の男友達が何人もいました・・・。
それはそれで良いでしょうが、自分が望まぬ人間に異常な好意を持たれたり、暴力で自分の人権を踏みにじられたり、などということを引き寄せないようにしなくてはなりません。
強い意思を持った人間である、ということを周囲にちゃんと分からせたいのであれば、できるだけ早く、言葉や文化に慣れて、現地の人たちと言葉を用いてやりとりできるようになることです。
とくに米国は、「言葉が命綱」の社会です。
言わぬが花、の日本文化を押し出して、あいまいな雰囲気、アルカイックスマイル、無言のジェスチャーで表現しようとしても、誤解されることが多いです。
言葉の額面を大切にして、言葉を発していきましょう。
豊かな表情とともに。
自分を守れるのは、自分でしかありません。
【言葉】
英語がひろく話されています。
って、そんなの知ってるよ、って声が聞こえてきそうです。
米国に公用語はありません。
英語が一般的に広く使われているので、「公用語」だと思ってしまいますが、公用語、として定められてはいないのです。
私がこの事実を知ったのは、オレゴン大学に留学していた20年以上もまえのこと。
国際学部にいらしたネイティブアメリカンの教授、故・Proudhood博士が、「英語は米国の公用語ではないんだよ。それを認識していない米国人は多いみたいだけど。
だいたい僕が小さいころの我が家では、英語ではなくネイティブアメリカンの言葉を家族の間で使っていたんだからね」とおっしゃったので、日本人である私もその事実を初めて知りました。
知っておくと心を通わせることができたり、誤解を避けたりできる英語や方法を少し、載せておきますね。
また詳しいことは、別のタイトルで今後、書いてまいります。
●Thank you. Thanks a lot. Thanks.
基本中の基本ですね。
何度口に出しても、印象の良い、そして「波動の高い」言葉です。
人が社会生活を送るうえでの大切な言葉です。
万国共通。
心を込めていいましょうね。
相手の目をしっかりみて、笑顔で。
「Thank you」と言うときは、「you」と相手に呼び掛けているのだから、そこまでしっかり、発音しましょう。
相手に伝わるように。
日本の人の「Thank you」はしりすぼみで、「you」がささやき声みたいになる、とかつて、会話の米国人講師が言っておりました。
「ユー」と強調するように、強く、伸ばすぐらいで好、ですよ。
●Excuse us
2名以上で道をふさいでしまっていたり、道を通りたいと思ったときに言う言葉は、「Excuse me」ではなく、「Excuse us」ですよ。
一人分じゃなくって、二人分以上。笑
ね。
●Yes, sir/ma’am
Yes, sirは男性用、
相手が女性であれば、Yes, ma’amです。
●I’m sorry.
米国においては、使うのにひと呼吸おいてから使う必要がある、なんていわれることもある言葉。
訴訟がとにかく多いから(石を投げれば弁護士に当たる国でもあるわけで)。
「この人は、I’m sorryと謝って、自分の非を認めた。だからこの事件は、この人が悪い。私が悪いのではない」みたいに言葉尻をとらえられて。
でもね。
信頼できる友達や知り合いに対して、自分が明らかに悪いことをした、と思ったら、言っていいんですよ。
待ち合わせの時間に遅れてしまったり、言葉がわらかなくて何度も尋ねたときに、相手が何度も言ってくれたり、ゆっくり言いなおしてくれた時に、”I’m so sorry to trouble you.” “Sorry to take your time,”と素直に言えば、良心と分別のある人なら”It’s OK”と気さくに言ってくれます。
ただし。
日本語でも、お礼をいうべきときに、「すいません」と謝る人がいますが、そういうときはできれば、ありがとう(Thank you) と言いたいですね。
相手の好意をしっかり受け止めて、それに対して感謝しているのですから。
愛が込められています。
そういえば、私が米国に住んでいたころ、
「自分が悪いことをしたら、“I’m sorry”と言いましょう」
なんて道徳の授業みたいなコマーシャルが流れてました。
ホントですよ。
私はこれを見た時、
「ああ、やっぱりアメリカ人やアメリカ社会は、ごめんなさい、って言葉がいろいろに利用される国なんだ。だから多くの人は、この言葉をあんまり、使いたがらないんだ」
と思ったものです。
この言葉に関しては、私は日本語のほうが額面通りに受け取られやすい(もちろん、いい意味で言ってます)と思います。
「残念に思う」という意味もあるから、相手が詫びているのか、共感を寄せているのか、判断を誤る場合がある、とも言われる言葉。
「残念です」という意味で言ったのに、恩着せがましく、「いや、きみが謝る必要はないんだよ」などと、相手が謝罪するだろう、と想定していたことが見え見えで腹が立った、なんて米国人が書いたエッセイをWiringクラスの教科書で読んだこともあります。
私自身は、「I’m sorryとホントは言いたいんだけど、この場合、言っても大丈夫なんだろか」と迷った「事件」(?)に遭遇したこともあります。
奥の深い言葉です。
(私の体験については、また後日に・・・)
【最後の秘密兵器】
どうも相手に誤解されそうだ、と思ったりしたら、自分の手のひらを相手に見せましょう。
手のひらを振ったり、手のひらをみせた状態で机の上に手をおいたり。
心理学でも、手が机の下にあったりすると、「やましいところがあるんじゃないか」と相手は無意識に思うそう。
人間の本能です。
相手に手のひらを思い切り見せる、というのは、長年生きてきた私が自分で習得した護身術です。
「空手」ということなのだと思います。
「私は自分の手のなかに、なんにも武器をもっていないのです」
(だから、空手は自分の素手だけで戦います)
自分が何も武器を持っていないことを、おなじ人間という動物である相手にしっかり、証明する。それが、手のひらを相手に見せる、ということの意味なのだと私は自分の本能と経験で理解しました。
相手と心理的に近くなりたいときにも有効です。
別れ際に思い切り、手のひらをみせて手を振ってみましょう。
あるいは、相手を道の遠くで見つけたらすぐに、大げさなくらい、両手のひらで相手に合図を送ってみて。
向こうは満面の笑みで、同じく合図を送ってきてくれるはずだから。
そして最後は、普遍的な共通語。
かっとんだ笑顔です。
米国のような多民族国家では、アイコンタクト同様、笑顔がものすごーく有効です。
それで私もなんど救われたことか。
こっちも、満面の笑顔で話されると、つい気を許してしまいます。
Smile!