今日の記事では、昨日のつづきで、青山ビジネススクールをはじめとするビジネススクールやビジネスの現場で効果的かつ高度な英文を書くことについて書いています。
昨日書いた記事は以下のサイトからごらんいただけます。
●青山ビジネススクール(青学)をはじめとするビジネススクールやビジネスの現場で書く、高度な英文(Writing)について
英文メールぐらいのレベルであれば、平易なものが多いので義務教育で英語を受講した人なら誰でも書けます(とあえて言います)。
でも、大学院の論文やレポート、表に出す記事、あるいはビジネスの現場で用いるプレゼンテーション用の英文や世界に発信する企業のwebsite等は、”English writing”を高等教育機関で学んだり専門的に集中して勉強したりしないかぎり、書けません。
米国大統領のSpeech Writerとまではいかないとしても(”Designated Survivor”(邦題『サバイバー』)観てますよ)、英語にも日本語と同じく、いや、もしかしたら日本語以上に、書き手の「教養」や「知性」を計る物差しとしているような言葉遣いやレトリックが多々あります。
というのも、私がこのブログでお伝えしているとおり米国は、Writingを必修科目としていることや、低コンテキスト文化であり「言葉が命綱」の社会であるからこそ、自分の意見を言語化することが当たり前とみなされていることが背景としてあるからだと思います。
*卑近な例として、私が留学中にライティングのクラスで教わったことは、「understand」よりも「comprehend」とするほうが、また「way」よりも「manner」とするほうがより知性を感じさせるという例です。短縮形もできれば使わず、短縮しない「I am」「It is」「do not」などとするほうが良いそうです)
なので、高度な、それも米国の超有名大学でしっかりとWritingを勉強したような人には、書いたものを見せると、その人間のレベルがわかってしまうようなところがあります。
とくに、日々言葉と格闘しているジャーナリストや編集者などを相手にすると。
*話が脇道にそれて申し訳ないですが、私が米国大学で日本からの留学生として勉強していたとき、日本との違いを強烈に肌感覚で感じたのはこの点です。
日本では能力や才能のある人も出る杭は打たれるという文化のせいか、「能ある鷹は爪を隠す」で頭のねじが一本足りなさそうにふるまうぐらいがとても好感もたれますが、米国では20歳になるかならないかの連中でもやたらと口が達者で、「あたし・オレは言葉を使ってちゃんと自己主張できるんだ」とでも言いたげにまくしたててくることがあります。
「えー、あたしぃ、バカだからぁ、よくぅ、わかんなーい」なんて日本のノリで言ってたら、足元見られます。
さて。
昨日お伝えしたのは以下の4つ。
1)Simplicity (単純明快であること)
2)Emotions(感情を喚起)
3)Concrete idea or episodes
(具体性ある考えや例、体験談)
4)Universality (普遍性)
この点を次章ですこしかみ砕いてみますね。
●英文の読み手は人間である
どれほどAIが時代の先端を行っているとしても、書いたものを読むのは、人です。「動画の時代」と言われますので、テキスト文というものにオワコン感を持つひともいるかもしれない。なら、「動画のための原稿・脚本」を想像してみてください。
人、を相手に表現する。それも英語で。
1)Simplicity (単純明快であること)
1)は、難しい、ひねった(物事を斜めに構えて見るような)言い回しではなく、誰でも理解できる共感性の得られる平たい言葉を選ぶということです。
書き手のいわんとすることが読み手の頭のなかに映像や感覚として浮かんでくることを促すのがそれらの役割です。親近感や共感性を引き出す役割もある。
2)Emotions(感情を喚起)
私がこのブログでなんども触れているように、感情=潜在意識とダイレクトにつながるから。人を動かすのは知識や理性ではなく、感情だから。
3)Concrete idea or episodes (具体性ある考えや例、体験談)
3)は、「あ~なるほどね!」という感情が直感として出てくるような表現であれば最高です。
4)Universality (普遍性)
4)は、黒澤明監督や作家の村上春樹さんなど、優れた表現者のかたたちが活動されているような、文化・国籍・人種に関係なく、人の潜在意識を通したさきにある、「人類の英知」(宇宙のソース)につながった世界です。
親や子がそれぞれ想う気持ち、他人を思いやる気持ち、未知のものに対する恐怖心や不安、利他性(利己性)等々、あらゆることがその世界には存在します。そこに自分の意識もつなげるのです。奥深く。
英文を書くときに、読み手が自分と同じく共通して持っている感情や感覚、価値観を意識してみると、それにふさわしい表現がふっと浮かんでくることがあります。
「無意識」というパイプを通じて。
あとは、ひたすら、書き続けるしかない。英文ライティングについてはまた、時間をさいていずれ書いてみます。