今日の記事では、15年以上に渡って「サステナビリティ・気候変動・地球温暖化対策」等に特化した専門翻訳会社を経営する私・小山ケイが、「排水基準」という言葉と英訳について書いています。
<もくじ>
●「排水基準」”Effluent Control”
●”Effluent Control”の発音
このブログ「小山ケイ:Feel this precious moment」はいくつかのカテゴリーに分かれています。今日の記事は「Sustainability(持続可能性/サステナビリティ)」のカテゴリーで書きました。同じカテゴリーの過去記事は下からご覧になれます。
●「排水基準」”Effluent Control”
“Effluent”は「廃液」や「廃水」などを意味します。
“Effluent treatment”で「廃水処理」。
工場などから公共用水域に出される水質の汚染具合に基準を定めて、これを超えないようにする規制です。
目的はもちろん、市民の健康と自然環境を守るため。
”公共用水域や地下水の水質の汚濁を防止するため、水質汚濁防止法及び神奈川県生活環境の保全等に関する条例等により工場・事業場の規制・指導等を行っています。”- 神奈川県ホームページから引用ー
(引用元:https://www.pref.kanagawa.jp/docs/pf7/suisitu/kisei/haisui.html)
総理府が昭和46年、水質汚濁防止法第三条第一項の規定に基づいて排水基準を定める総理府令を定めました(省令)。各地方自治体はその省令やその他の規定に基づく排水基準を定める条例(上乗せ条例)によってそれぞれの排水基準を定めています。
基準を作る際に日本語では「排水」という漢字があてがわれたようですが(昭和46年当初?)、英語の「effluent」は水そのものが汚れている状態です。
「排水」という言葉には「汚染」という意味はそれほど含まれていません。
利用・使用済みの水を捨てる。たとえば、家で貯めた雨水を外へ流したり、エアコンを使用しているときに出る水を専用のタンクに流したり。それも「排水」です。
その意味での「排水」は”Drainage”や”discharge”を一般的には使います。
けれど、上記の「排水基準」を”Drainage”や”Discharge”で表してしまうと、基準が作成された経緯や意図、目的はもちろんのこと、基準が社会に与えるインパクトも薄れてしまいます。
「汚染物質を含む水を安易に、大量に、公共用水域に流さない」
そのための「排水基準」です。
人為的な行動・活動によって、大規模に出される汚染水を規制する。
英訳の”Effluent”には“contaminated (汚染されている)“という意味が含まれているのです。
●”Effluent”の発音
1) エ
2) (上前歯で下唇の内側を軽く噛んで)フ
3) (母音なしで)「L」
4) エン
5) (母音なしで)「T」
6) エ + フ + 「L」 + エン + 「T」