英語翻訳者の能力とは。私が電車の車内広告を見ていて感じたこと。

Hamamatsu-cho, Tokyo

今日の記事では、母校の青学から単位をもって米国オレゴン大学へ編入学して卒業し、15年以上に渡って「サステナビリティ・ESG・気候変動」などに特化した専門翻訳会社を経営しながら再び青学(大学院)へ戻ってMBA(修士号)を取得した私・小山ケイが、さいきん電車の車内でときおり見かける、英語の書かれた広告について書いていきます。

<もくじ>
●英語翻訳者の能力とは。私が電車の車内広告を見ていて感じたこと。

●”Be a member of our organization”の発音。

 

このブログ「小山ケイ:Feel this precious moment」はいくつかのカテゴリーに分かれています。今日の記事は「英語(潜在意識を味方につけて)」のカテゴリーで書きました。同じカテゴリーの過去記事は下からご覧になれます




●英語翻訳者の能力とは。私が電車の車内広告を見ていて感じたこと。

小山ケイ直筆の英文

その広告を私は電車のなかでときおり見かけるのですが、目を通すたびに違和感を覚えるのです。昨日も用があって乗車した電車で見かけました。

ほぼすべて、英語で書かれている。

私は英語の翻訳者です。おもに、日本語から英語への翻訳をしている。

その広告を読むと、日本人がnativesのチェックを入れずに書いたことがなんとなく分かるのです

とくに、いちばん大きく書かれたキャッチコピーが。

Be動詞で始まる質問形なのですが、併記されている日本語からすると、「英文としてnativesはおそらくこうは書かないだろうなぁ」というもの。

書いていることは決して間違ってはいない。

けれど、なんとなく分かるのです。

英語のライティングを正規の授業で受けていない人が書いた文章であることが。




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以前私はこのブログで、「翻訳者の能力は、翻訳者ではない人にはわりと、軽視されやすい気がする」と書いたことがあります。

それは、たとえばこんな能力。

★スペルの間違いを瞬時に見つける能力。

★和文から英文にするときは、電話番号であれば日本の電話番号には国際番号の+81をつけるのは翻訳者としてはあたりまえ。

★語彙・単語力がある(「Nerd」だの「Geek」だのという一般的な俗語も把握はしています)→ 私がMBAを取得した青学大学院国際マネジメント研究科で、ある私塾で私が「Nerd」という言葉を知っていないかのように取り扱われた悔しさは、いまでも覚えています)

★英語の長文を理解する能力(基本中の基本の能力なのですが・・・笑)

★学術的な専門書を和訳する能力(専門性にもよりますが、一般人向けに販売されている本であれば翻訳できます)

これらの能力は機械的なものというよりも、感覚や経験にゆだねられているとも言えます。

流行りの言葉でいえば、「非認知能力」。

「世界のNONAKA」(一橋大名誉教授・野中郁次郎先生)の言葉を借りれば、「暗黙知」。

私が見かけるその広告は、文法も言い回しも正しい。

けれど、プロが読むと、やっぱりなんとなく、違和感があるのです。

「Be動詞を使った質問形にするなら、Be動詞を使った命令形にしたほうが、まだインパクトがあるんじゃないかなぁ」

Be good.

Be different.

Be ambitious.

Be positive.

Be sexy (lol)..

Be wise.

Be crazy. 

Be a member of out organization.

Be a global villager.

このことも、以前このブログで触れたことがありますが、英文、とくに米語を用いる英文であれば、Be動詞よりも動詞を利用する書き方をしてみるほうが、英文としてのインパクトやレトリックとしての知性を表現できます。




●”Be a member of our organization”の発音。

渋谷の空

1) ビー

2) ア

3) メンバー

4) (舌先を口腔内に軽く巻いて)「R」(米国英語)

5) (連結発音のように、舌先を4)で口腔内に巻いた状態で)「O」

6) (上前歯で下唇の内側を軽く噛んで)「V」

7) アゥ

8) (舌先を口腔内に軽く巻いて)「R」(米国英語)

9) (連結発音のように、舌先を8)で口腔内に巻いた状態で)「O」

10) 「R」

11) ガナイ

12) ゼイ(ここが一番、音程が高い)

13) ション

14) ビー + ア + メンバー + 「R」 + 「O」 + 「V」 + アゥ + 「R」 + 「O」 + 「R」 + ガナイ + ゼイ + ション

*13)は「SHON」というよりも、「Shn」に近い発音です。まんなかに母音がなくて、子音を発音するようなイメージをもつと、英語らしい響きになりますよ。