Q) 取引先との契約書が全文、英語で苦労しています。学生時代も長文読解問題は苦労しました。コツはありますか?
A) たくさんあります。今日はそのなかから基本的な「4つ」をお伝えします。
●英語翻訳者が伝える、長文読解のコツ「4つ」。
●長文読解を難しくさせているもの。=書いた人間。笑
昨日はこのカテゴリー「英語(潜在意識を味方につけて)」では、下の記事を書きました。
●英語の翻訳者が伝える、長文読解のコツ「4つ」。
本当はまだまだたくさんあるのですが、今日は基本から。
1) 主語と動詞を探す。
2) 分解してみる。
3) 後ろから探ってみる。
4) 知ってる言葉を探す。
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1) 主語と動詞を探す。
昨日もお伝えしましたが、英文に主語がない、ということはほとんどありません。詩や口語ならいざしらず、専門性の高い学術的な英文や論文から主語が消えることはまずありません。
SVで主語が来れば次は動詞が来ますよね。なので、まず主語を見つければ、次に動詞を探すと、そのセンテンスで述べようとしていることがひとまず、誰のことなのか、いつのことなのか(動詞の形でわかります)がなんとなく把握できます。
横道にそれるようですが、米国大学ではひとつの授業ごとに大量のassignmentが出されます。そのひとつが、分厚い教科書や参考文献を読むというもの。でもそれは、熟読している時間などもちろんありません。速読しながら段落の1,2行目を読んで、主語と動詞を探して意味を把握していきます。
動詞の探し方は昨日も述べました。SVであっても、VがSのすぐ次にきているわけではありません。そこで、次の2) をやると動詞がわかってきます。
2) 分解してみる。
主語と動詞の間にいろいろなものがはさまれていることがあります。たいていはカンマがくっついているので分解しやすいと思います。I believeやwhen なんとかとかas I mentioned beforeとか。
さまざまなかたまりとしてカッコを使いながら文章を分解していくと、動詞が探しやすくなります。
What I have heard in the park, the biggest one in the city compared to the other oasis-like metropolitan facilities and fields, reminds me the bitter memories of my youth days that sometime bring me even smell of my tears and heart-aches.
SはWhat I have heard in the park、Vはremindsです。 カンマのところで区切ってカッコでまとめます。
3) 後ろから探ってみる。
かならずしもすべての英文がそうなのではないのですが、かなりの長文の場合、分解してカッコでまとめたあとに後ろからみていくと、意味が分かることがあります。上の例でいえば、最後の文章のthat以降、「私自身の涙や心の痛みをもときおりもたらす」の箇所です。
SVが1)で把握できて、一つの文章を2)で分解できていれば、3)と合わせてこんな意味ではないか、と分かってきます。
「私が耳にしたもの(S)は、おもいおこさせる(V)。私自身の涙や心の痛みすらをもときおりもたらすもの(that)」。
そして、Vとthat以下の間に、”the bitter memories of my youth days” があるので、that以降はここにかかってくることがわかります。
4) 知ってる言葉を探す。
これは速読法にも言えることですが、辞書を使わずに知っている言葉から推測するようにすると、思考の流れが途切れないせいか、言葉をよく理解しながら言葉が自分のなかで定着していきます。
上記の1)-3)で一文の意味がだいぶ、把握できているのですから、知っている言葉を拾っていけば、わからない言葉の意味はなんとなくでもわかります。
●長文読解を難しくさせているもの。=親切じゃないのだと思います。書いた人間が。笑
これも私の暴論(?)なので、かならずしもすべてのことに言えるわけではないのですが、ひねりにひねった長文って、ネイティブの書いた一般的な文書というよりはやはり、日本の大学受験のような、「ひっかけることを目的にしている」ものが多いと思います。
契約書などはスキのない文章にしないといけないのでどうしても長文になりますが、いっぽうで相手に理解してもらわないといけません。それゆえ使う言葉は理解しやすかったり、契約書内に何度も出現したりします。だから、契約書は読みこなすうちに慣れてきます。
ビジネスパーソンが仕事で読んだり、仕事のために利用したりする英文もおなじく、読み手に理解してもらわないと差支えがあるものばかりではないでしょうか。製品やサービスの利用方法とかプレゼンや企画書など。
業界紙のコラムなどはコラムニストの文体がにじみ出たりしますが、それはそれでネイティブが使う言い回しの勉強にもなるので、「意味がわからなくてもいい」と開きなおりながら読むと、その楽な気持ちがかえって長文内の英語を拾いやすくなりますよ。
本当にデキる人は他人に対して親切です。なので、文章もすごく読みやすいものを書いてくれる。他人が読んでちゃんと理解できるように。だから、ホントは内容としてはものすごく難しいことを扱ってるはずなのにスラっと読めてしまえて、読んでるほうはすっかりわかった気になる。笑 デキる書き手は罪なオトコ(オンナ)です。
大学受験やTOEICの長文読解の練習をするなら、英語ネイティブが書いて評判の良い学術書やなにかのトリセツ、Guideline、まともな契約書などにじっくり、目を通してみるといいですよ。自分の力になりますし、末永く「財産」になります。
私がここ数年で読んでおすすめしたい書き手は、Yale大学教授でノーベル賞受賞者の経済学者Dr. Shillerです。「S&Pケース・シラー住宅価格指数」のシラー先生ですね。むちゃくちゃ読みやすいです。内容は難しいはずなのに。「ああなるほど!」と思ってしまう。
●まとめ
長文読解は、「慣れ」です。でもぱっと見、何十行にもわたって書かれていると、ひきますよね。笑
基本的なコツは4つあります。まずは基本を頭に入れると、そのほかのコツもどんどん、身についていきます。
1) 主語と動詞を探す。
2) 分解してみる。
3) 後ろから探ってみる。
4) 知ってる言葉を探す。
どんどん慣れて、その先に広がる、知識や文学、詩の世界、アートもぜひ、楽しんでください(^_-)-☆
“プロが教える長文読解のコツ(英語)【4つ】小山ケイ” への12件の返信
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