今日の記事では、米国大学を卒業し、日本の母校の青学でMBAを取得し、15年以上に渡って「サステナビリティ・ESG・気候変動・地球温暖化対策・環境CSR(企業の社会的責任)」などに特化した専門翻訳会社を経営している私・小山ケイが、サステナビリティの観点から「コロナ対策とゲーム理論」について書いています。
<もくじ>
●【サステナビリティ】コロナ対策とゲーム理論。
●コロナ対策における経済界。
●「各プレーヤー」にとっての最適な解を得るには時間と忍耐・労力という「数値では表せない」ものが必要である。
このブログ「小山ケイ:Feel this precious moment」はいくつかのカテゴリーに分かれています。今日の記事は「英語(潜在意識を味方につけて)」のカテゴリーで書きました。同じカテゴリーの過去記事は下からご覧になれます。
●コロナ対策とゲーム理論 Anti-COVID-19 in the society and “Game Theory” of economics
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7日、首都圏の一都三県では二回目の緊急事態宣言が出されました。
菅首相や感染症対策の尾身先生による記者会見をみたり、これまでの政府の対応や、国会での与野党のやりとりをみればみるほど、感染症対策はゲーム理論の研究者も加わるときが来ているのかも、と思えてきます。
「ゲーム」とつくのでご存じないかたには「遊び」だと思われそうですが、ゲーム理論は数学に基づいた経済学の理論のひとつです。
米軍をはじめとする各国の軍でも、攻撃や防衛の戦略策定のさいに使われる場合がある、と言われています。
戦略的な状況で人や社会、企業が意思決定をしたり行動するさい、最適な解をもとめてそれぞれの利得を分析するところから始まります。
日本の感染症対策は感染症医学が中心となっています。昨年の2月は感染拡大を止めることが最大目標でした。でも2021年1月現在の状況では、感染症の拡大を防ぐことと合わせて、経済活動も同時に行う段階に入り、日本社会はジレンマを抱えています。
ここに、ゲーム理論を専門とする経済学者や数学者が入る時期が来ているのではないか、と私には思えたのです。
私は自民党員でも熱烈な自民党支持者でもありませんが、世界規模の感染症対策にあたって、専門家も交えた政府の試行錯誤は、対策を練る誰もがジレンマを感じながら文字通り「手探り」でそれぞれにとって最適な解を探っていることがうかがえます。
人であれば大きな葛藤です。
1) コロナウイルスの感染拡大を防がなければならない。
2) 経済活動を止めるわけにはいかない。
3) 国民の自由を奪うわけにはいかない。
4) 一部の職業には休業(あるいは時間短縮)してもらわざるをえない。
5) 医療現場をこれ以上ひっ迫させるわけにはいかない。
6) 仕事人・労働者にはこれまでの勤務形態を大幅に変えてもらわざるをえない(出勤の7割削減、在宅勤務の奨励)
7) 各世代・年代ごとにプライベートな生活にかかわることまで細かく依頼・指導せざるを得ない(夜の会食・大人数での飲食の自粛、オンライン授業、家族間でもマスクの着用、家庭内での飲食のしかた)。
政府、専門家、人、事業者(とくにBtoCの)、仕事人・労働者(会社員など)、各都道府県、医療関係者、そして感染者。
ゲーム理論であれば、上記の1)から7)を数値化して、最適なところを実行していくことになる。
1)と5)は大きな数値(ゲーム理論でいう「利得」)であり、最大課題です。だからこそ緊急時代宣言が一都三県で出された。
けれど、2)を止めるわけにもいかない。
人はかすみを食べて生きていくことはできない。緊急事態宣言下でも日々の食料品や日用品は代金を支払って購入します。
(緊急事態宣言が出されている間はずっと、国が毎日、食料の配給をしてくれて、あらゆる出費はすべて国や地方行政が肩代わりしてくれる、なんてパラレルワールドか近未来の話ですね)
飲食店のかたであれば、店を開けている間じゅう、経費が発生します。だから事業活動をして利益を確保しなければならない。
経済が停滞すれば解雇されたり休業を強いられたりする労働者もいます。
上記の1)から7)をそれぞれが最適な解となるには、ゲーム理論でいう「協力ゲーム」にも似た状況を必要とします。
協力ゲームの数学的な定義における「有限なプレーヤー集合N」が日本社会ということ。
●コロナ対策における経済界
経済界という「有限なプレーヤー集合N」自体にもジレンマはあります。
a) 労働者・被雇用者のための感染症対策。
b) 日本社会との協調。
c) できるだけ健全な経済活動の維持。
d) 労働者の在宅勤務奨励。
e) 業態や仕事内容によってはd)が不可能な場合。
f) 上記a)からe)による経費の拡大。
g) 在宅勤務拡大によるサイバーテロによる攻撃。
コロナウイルス対策をまったく講じない(非協力的)ことによる社会からの制裁もあるかもしれません。ゲーム理論の「囚人のジレンマ」にも似た状況です。
ここをどう「最適な解」とするか。
●「各プレーヤー」にとっての最適な解を得るには時間と忍耐・労力、という「数値では表せない」ものが必要である。
ゲーム理論という数学定義を利用した経済学の理論を持ち出しておいてこういうのは矛盾するようですが、いまの状況でとにかく大切なことは、「コロナ対策とその終焉には、数字では表せない時間と忍耐・試行錯誤が求められる」ということだと私には思えます。
誰もが当事者意識を持って、「自分がどう行動したら、他のプレーヤーにとっても最適な解となるか」とつねに考える必要がある。
a) 一番重要なのは、「医療現場をひっ迫させない」
b) そして、コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大を防ぐ。
c) 高齢者や基礎疾患のある人への感染を防ぐ。
d) ゆるやかでも経済活動を持続させる。
e) 児童・学生の教育を維持する。
f) 雇用を守る。
g) 社会的規律を維持する。
h) 不必要に不安・恐怖をあおらない(社会的パニックを引き起こす行動を控える)。
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“コロナ対策とゲーム理論(経済学) Anti-COVID-19 in the society and “Game Theory” of economics” への4件の返信
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