今日の記事では、国内外のビジネススクールでMBAを取るために
あればあるほど良いと思える能力について書いています。
私がMBAを取得した母校・青山学院の
青山ビジネススクールについては、
以下のカテゴリーで記事を書いています。
●MBAを取るために、あればあるほど良いと思う能力(なければ仕方ないけれど、ハードルはたぶん高くなると思います)
このあたりを語りだすと、10日分くらいの記事になりそうなので(笑)今日はかいつまんで書いていきますね。
まず、「MBAの学位」を取得するための基本的に必要だと私が自分の経験から実感した能力は、
1)数学的な論理性(を理解する能力)
2)言語能力(自分の意見を言語化する能力)
1)は、何にフォーカスしてMBAの学位を取得するのかによってその高低は変わってくると思います。たとえば、
経営戦略やビジネスプランニング、
マーケティング、
組織戦略、
あるいは実践的なプレゼンや
企画書やパワポの使い方などのクラス
を中心に研究していくつもりであれば、数学の素養は基本的なもので大丈夫です。大学学部レベルで、社会科学の科目が好きだったかたや、あるいはそれらの成績がよかったようなかたがたですね。
でも、
財務分析の上級者クラスや
情報処理系、
オペレーションマネジメント系、
統計学の上級者クラス、
金融工学のクラス
あたりの授業となると、数学の素養に加えて、応用能力がかなり求められます。「勉強すればいいじゃん」と若者はいいそうですが、MBAぐらいのレベルとなると、勉強しただけでは理解できない高度なレベルがもとめられます。
理系の修士号や博士号を持ってる人がクラスメートとしてうようよいるし、頑張っても授業の内容がなんだか理解できない。ここで私は「自分の限界」を思い知りました。
「頑張っても、努力しても、どうしても叶わないことって、あるんだ」ということ。
私の場合、数学の論理性は大好きで計算は得意なのですが応用はからきし苦手です。
そのため、論理的な言語と言われる英語や基本的な計算式が理解できれば良い財務分析の基礎コースや会計学の基礎コースなどはとても面白く感じたので、自分のビジネスや実生活にどうやって生かそうか、と無意識のなかで考えていました。成績もよかったです。
*「論理的な言語=英語」とは、たとえば文章や言葉遣いの中で、因数分解したり、計算式のような言葉遣いが好まれるようなことです。だらだらと
aX+bX+cX=8
みたいな言い方は敬遠される、という意味。
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2)の「言語化」は、クラスでの発言が求められることや、レポートの提出、試験で記述式がほとんどであること、そしてMBAコースを特徴づけるグループワークでのやりとりが挙げられます。
海外MBAを取得するのであれば、その海外の学校で授業を行う言語(米国スタンフォードであれば、米国英語)の能力があればあるほど授業は理解しやすいですし、能動的に発言したり提案したりもできるでしょう。
米国MBAコースを受験する際に受けるGMATが英語と数学の試験から成り立っていることを考えると、上記の1)2)プラス英語(Nativeにとっては国語)の能力が求められるということだと思います。
●プラスアルファで私が大切だと思う能力
可視化しづらいせいか、わりと軽視されやすいと思う能力なのですが、自分の感覚や直観に根差した、計画性というのも必要だと私は自分の経験から感じました。
かなり細かく、「何年の何月ごろにどこどこで博士号を取った人が教授(あるいは講師)の授業。このころの米国ビジネスはこれこれだったから、そのバックグラウンドがあればこれこれという授業が予想される。だからこれを受講する」「受講したいこれこれの授業はこれまでの開催時期を鑑みると来年に来るはず。だからこれは来年に受講してこれこれを今年受講」と、ともすると数値化すらしながらぎちぎちに計画を立てて授業を受講していた人がいました。
でも、世の中、自分の希望するように動かないことが多い。笑
MBAコースの2年目で私はアナリストの仕事を体験する体験プログラムを通年に渡って受講したのですが、そのときのPrerequisite は「必修ではないけれど、財務分析やIRのクラスを取っておくとよい」(授業名は正確には覚えていないのですが、これらに類する科目であったことは確かです)というものでした。
それが分かったのは、前年の確か12月か1月ごろだったと記憶しています。
つまり、それを取る計画を立てようにもすでに1年目の授業は終わりかけているので、受講するのであれば、2年目に同時並行でということになります。
私のようなアナリストの経験が皆無で、門外漢のような人間には、同時並行ではどの授業も中途半端にかじって終わり、になりそうです。
でも私は実は、1年目のときから、そのクラスが評判いいことを聞いていたこと、なんとなく把握している限りでは、自分の仕事や将来的な専門性にもすごく生かせそうだと感じたこと、などで、「なんとなく」こういう授業を取っておいたら、2年目のアナリスト体験授業にも受講した際に生かせるんじゃないかな、私のような素人にも2年目にちゃんとスタートラインに付けるぐらいの基礎能力を与えてくれるんじゃないかな、とうすうす感じながら、直感からの声に従って、Prerequisiteとされるクラスのすべてをすでに受講し終えていたのでした。
クラスメートのなかには、同時並行で受講していた人もいます。優秀な人はそれでもいいでしょうが、私がもし同時並行で受講したとしたら、あのクラスをあれぐらい理解できるところまでにはいかなかったと思っています。
現役トップアナリストがメイン講師だったせいか、とにかくハードなクラスでぼこぼこにもされましたが(大笑)、成績は「AA(90点以上)」を頂きました。
いまでもそれは私にとって財産となって日々生かされています。
このブログでもいずれ、プロが取り上げないようなユニークな企業の分析をしてみたいな、と思っています。
*来年からは他校に移ります、なんて先生もいるので、ある程度の余裕やイレギュラーケースがあることも想定して、数学的な計算をする能力だけではなく、「感覚」「直感」「虫の知らせ」「天からの声(?)」も大切にしていけばMBAコースでは実り多い経験ができると思います。
自分(あるいは教授や講師)の体調が悪いときや、思わぬ予定が入ったり、「青学を爆破します」なんて脅しがあって休校になったり、インフルエンザが流行ったり、自分の想い通りにはいかないことなんてしょっちゅう。
ですよね?