今日の記事は、
1946年のジャン・コクトーによるフランス映画「美女と野獣」
について書いています。
●美女と野獣(1946年)
●コクトーのイマジネーション
そのほかの映画に関しては、以下のサイトからもご覧になれます。
●【おそすめ映画】美女と野獣(1946年)
フランスの詩人で映画監督の
ジャン・コクトーによる映画です。
コクトー組のジャン・マレーも
出演しているこの映画は、
もともと18世紀に童話として
書かれたものを題材にしています。
コクトー版の約50年後には、
あのディズニーからも
同じタイトルでアニメと実写版が
公開されたので
あらすじをご存じのかたは
多いと思います。
★★★★★Walt Disney Studio公式YouTbeサイトより引用。Quoting from the official YouTube trailer of Walt Disney Studio ★★★★★
コクトー版では、
Disney版でCGになっている個所や
シャンデリアなどが
何人もの人の腕で表現されたり(!)
先日書いた、「オルフェ」同様、
コクトーのイマジネーションが
随所にちりばめられています。
女優の岸恵子さんが以前、
「コクトーの美女と野獣が好き」と
おっしゃってらしたのを
私はテレビで観たことがあります。
(以下の公式PV内のセットをご参照)
★★★★★Disney Music公式YouTube動画より引用。Quoting from the YouTube video of Disney Music official PV★★★★★
●コクトーのイマジネーション
私がいちばん印象に残っているのは、
城の長い廊下のシーンです。
野獣に呼ばれてベルが城にかけつけると
廊下は真っ暗です。
そのなかを、恐る恐る歩き始めると、
なんと
壁から突き出た、
人の腕の形をした燭台が
(本当に人が持ってるのだけれど。笑)
ベルが咲き進む先を照らすように
次々に明かりをともしながら
ベルの進む方向へ
腕を回していきます。
肘のところで曲げながら。
その数は20本以上でしょうか。
それぞれが同じ速度で、
腕を肘のところで折り曲げながら
ベルの進む方向に向かって
回していくのです。
あれは圧巻でした。
いまであればCGででも
処理するところでしょう。
白黒の映画の中で
視覚としてとにかくきれい。
壁の両側にあるので
シンメトリーの美しさもあります。
戦後すぐに映画ですが
今観てもまったく色あせません。
アートやデザイン関係、
映画や映像に興味のあるかたには
ぜひ観ていただきたい1本です。