今日の記事は、日本語と英語の音声の違いについて触れてみたいと思います。小学校で英会話の授業が始まることに思いを寄せながら。
昨日は下の記事をきました。
●小学校で英会話の授業が始まります。
文科省のサイトで公表されている、「外国語活動年間指導例」を見ました。
文部科学省「新学習指導要領に対応した小学校外国語教育新教材について」(Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/123/houkoku/1382162.htm
「第3学年年間指導計画例」のなかに、「英語と日本語の音声の違いに気づき」とありました。
二つの発音の大きな違いの一つとして、「syllable」と呼ばれるひとかたまりの音節の中に、母音がくっついて発音されるのが日本語であり、子音だけで発音される場合もある言語が英語だという点だと思います。
日本語ですでにカタカナになっている言葉の中で顕著な例としては、
「マクドナルド」(makudonaludo)
「シアトル」(shiatolu)
「チョコレート」(chokolehto)
「テキサス州」(tekisasu-shu)
などが挙げられます。
この中の、「aiueo」で表されている部分が母音です。これらの母音がひとつでも外れると、日本語としては意味不明な、不思議な音になるものもあります。
でも英語は、子音だけで発音されるものもある。
「マクドナルド」などは、(正式なスペルはMcDonald’sですが)「Mak Danal(s)」と発音されているように聞こえます。あえてカタカナにしてみるとマッ(ク)ダナル(ス)といった感じです。カッコの中は子音です。
そのなりたちなどのアカデミックな話は言語学の学者先生におまかせするとして、私からは音楽を例に話をしたいと思います。
●音楽から見る「英語の発音」
私が日本の音楽を聴いていて、とてもおもしろいと思うのが、スガシカオさんやラブサイケデリコの音符への日本語の乗せ方です。とくに、シンコペーションの部分。
彼ら・彼女らの曲を歌うとき、日本語の母音を吹っ飛ばして子音だけで発音すると、すごくリズムに乗った日本語になるのです。(音楽好きが言う「ファンクする」音なのですが)。
日本語はふつうに発音しているとまるで、べたべたと一定のリズムで餅つきか、田植えをしているかのような、四分音符の連打になるのですが、(パーカッショニストが言う「四つうち」です)それだとシンコペーションを多用するロックやR&Bにすごく乗せづらい。
一昔前は、「日本語はロックに乗らない」などと言われ、細野晴臣さんや故・大瀧詠一さんらのバンド「はっぴいえんど」などが日本語によるロックを試みていました。
そのほかにも、英語圏のネイティブ特有の発音はいくつもあります。
日本語のカタカナ読みをしても通じない言葉もあります。
小さいときから楽器を演奏してきた私にとっても、英語は音楽として聴いているようなところがあります。
英語の音がシンコペーションのように聴こえることも大きいのかもしれません。
ネイティブが発音する「McDonald’s」は日本語のような「四つうち」ではなく、「タッタラッタ」という八分音符、八分休符、八分音符、八分音符、八分休符、八分音符、として私には聴こえます。
小さいときから音楽や楽器に慣れ親しんでいる人やいわゆる絶対音感のある人には、私と同じように外国語を音符が連なる音楽として聴いている人が多いような気がします。
国民的歌手の美空ひばりさんが歌うJazzのスタンダード曲を数曲聴いたことがありますが、とにかく完璧な発音(米語)でした。英語はおしゃべりにならなかったようですが。
小学校から英会話の授業が始まるとのこと。
まずは、英語の「音」に耳を慣らしていくことが重要だと思います。
<授業の例>
★カタカナになっている言葉が英語ではどう発音されるのか。
★音符で英語のリズムを表してみる。
★あえて字面をみないで、「聴こえたとおり」に発音してみる。
子供たちは本当に感受性が豊かです。理屈は分からなくても、直感や自分が感じたことを大切にして表現しますよね。
そんな子供たちの能力を大切にして彼らの耳を慣らすようにすると、大人がびっくりするぐらい、聞き取ったり話したりという英語のコミュニケーションがうまく取れるようになると思います。
JETプログラムのネイティブ学生がつくのかどうか分からないのですが、もし補助員としてついてくれるのであれば、彼らの発音をとにかく聴いてみればいい。
文法や難しいことは中学校に入ってから習えますから。
あるいは、子供たちが興味を持ちそうな音楽のなかに、面白いものがあるかもしれない。
ポケモンやアニメ、ディズニーのキャラクターなど。
文科省のサイトを見るかぎり、小学校3,4年生の英語の授業は、クラス担任の先生が受け持つことになるとのこと。学校の授業やこまごまとしたことをやりながらの英語の授業は大変だと思います。
けれど、船頭は先生がたです。教え子たちと楽しく、試行錯誤してほしい、と願っております。