今日の記事では、母校の青学から米国大学へ編入学して卒業し、15年以上に渡って「サステナビリティ・気候変動・地球温暖化・環境CSR」に特化した専門翻訳会社を経営しながら、再び母校青学で経営管理修士号(MBA)を取得した私・小山ケイが、日本企業が英文で世界に向けて発信するということについて書いています。
<もくじ>
●日本企業が英語版の資料をステークホルダー向けに発信するとき。「まったく新しい文章を作ってみる」
●具体的なやりかた。ポストコロナ禍の「ニューノーマル」も視野に入れて。
このブログ「小山ケイ:Feel this precious moment」はいくつかのカテゴリーに分かれています。今日の記事は「Sustainability(持続可能性/サステナビリティ)」のカテゴリーで書きました。同じカテゴリーの過去記事は下からご覧になれます。
●日本企業が英語版の資料をステークホルダー向けに発信するとき。「まったく新しい文章を作ってみる」
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昨日は「日本企業の資料を英語に訳すと、元原稿の日本語文よりも英文のようが長くなる傾向がある」ということについて書きました。
また先日は、「英語も日本語もそれぞれ完璧に訳せないことはある」ということについて私は触れています。
小山ケイ過去記事】英語も日本語もそれぞれ訳せないことはある。
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長年、英語の翻訳者としておもに企業様と関わってきました。「これはまったく訳せません」と突き放したことなどはもちろん、一度もありません。
けれど、いち翻訳者として、いちコンサルタントとして、そしていち「言葉の表現者」として、「あ、これはこんなふうな表現にしたらいいのに」「これは日本文化だからこその表現」と私が感じることはよくあります。
世界のステークホルダーに向けて英文を書くときは、できればまったく新しい英文として書いてみたほうがいいこともある。
ちなみに、ステークホルダーが誰であるか、いま一度触れると:
★株主
★従業員
★NGO/NP
★地域コミュニティ
★顧客
★サプライチェーン
★そのほか、その企業の仕事に沿ったステークホルダー。
まったく新しいものを英語版として作成したほうがいいと私が思う理由は、第一に書き手のクリエイティビティを生かすことができる点です。
翻訳という作業は、意訳でも新しい文章をつくることでもありません。
すでに存在している元原稿に対して、英語であれば忠実に英語に訳していく作業です。
そうすると、文章としてはたしかにそつなく文法としても正しかったとしても、大胆に世界仕様として作成されているわけではないので、どこかインパクトに欠けることがあるのです。
あるいはユーモアが足りなかったり。
日本語を英語に訳しただけの報告書からは、“Confessions of a Reporting Nerd”のような、海外企業の自虐は表現できません。
横一列で硬い印象の報告書が日本企業の中ではよし、とされているからです。
(先ほどもニュースを聞いていると、みずほ銀行が新規口座開設者に1,100円を通帳手数料として請求することにしたそうです。それにについて、他行の担当者が「先陣切ってくれてよかった。これで続けます」というのを聴いて思わず笑ってしまいました。横並び意識ですね)(「先陣切って批判浴びたくはなかった」とも・・・)
第二の目的は、新しい英文を作り上げるほうがステークホルダーには読みやすいから。そして英語圏でよく使われる言い回しや表現方法がちりがめられるので、読み手の心にもより届きやすく、印象を残しやすいから。
ただでさえ日本企業の日本語文章は「足し算の発想」なので言葉数がとにかく多く、英文にするとまどろっこしくて理解や思考の流れを遮ることがあります。
【英語資料は新しく作った方がいい理由】
1) 日本語原稿は漢字が多用されているため、そのまま英語に訳すと言葉数が多くなりまどろっこしくなることがある(英文がなめらかな文章になりづらい。シンプルさが損なわれる)。
2) ジョークやユーモア、自虐が入れやすくなる(英語圏の文化を反映して)。
3) Plain Englishで表しやすくなる。
4) クリエイティビティを発揮しやすくなる(英語ライティングの前提)。→ 他者に伝えることを目的としたライティングはクリエイティブであることが前提とされているため。
●具体的なやりかた。ポストコロナ禍の「ニューノーマル」も視野に入れて。
弊社のクライアント様の中にも、「翻訳を外部に依頼するのは初めて」という企業様は多々おられます。
そして、作業を進めながらお話をよくお聞きしてみると、実は翻訳よりも、まずはそのまえの段階である、その企業様の社内で「英語版の資料、websiteを自社で作るとはどういうことなのか」というところからよく話し合われたほうがいい、と思えること(そして実際にそうご提案すること)もよくあります。
「翻訳」というといまの時代、Google翻訳をはじめとする機械翻訳のイメージがあるせいか、「日本語を英語に置き換える作業」とおもっておられるかtが多い。
けれど、企業がステークホルダーと対話することを目的として作成する「メディア」は、それだけではステークホルダーとのコミュニケーションすら喚起することができないこともある。
だから、翻訳ではなくあらたに英文ライティングをしてメディアとしての力を高めましょう、ということが私の言いたいことなのです。
1) 英語でのwebsiteや報告書類を作成する意味を考える。
2) 社内の「どこ」が担当するか。
→ 世界に向けてIR活動(ESGを含めて)をしたり統合報告書類を作成する場合は、私は「企業の本丸」である社長室や取締役会、執行部、経営企画室、その企業のマネジメント層などに直属部署を作って、そこが担当すべきだと思っています。
先日もこのブログで書いたように、枝葉の部署で平社員数名が作成する時代は当の昔に終わっています。
ステークホルダーである株主の構成を見てもわかると思います。海外の主要な団体・組織・企業が株主であるという日本企業も増えている。
内部ではトップがしっかりと統制する。そして外部には責任の所在を明確にする。
IR活動や海外向け報告書作成はもはや、やっつけ仕事ではないのです。
3) 英語コーパスを作成する。
→ これも上記の2)に通じます。
*1)から3)まではすでに行っておられる企業様もおられます。
4) 規模の大小、確認作業、専門性によっては、外部コンサルや専門ファームとコラボレーション。
5) 4)の外部とのやりとり含めて「オンライン」を主戦場とする。
→ 5G6Gに合わせて、動画配信は主要なメディアです。
将来的には紙媒体やwebsiteでのPDF版などは縮小化します。その企業のAPPを作成してしまえばいいからです→ だからこそ、危機感を感じている大手印刷会社(DとT)は収益構造を変えようと現在、試行錯誤しているわけです。
動画作成・コンサル企業とのコラボレーションも発生します。
家で在宅勤務している株主や世界の株主ともオンラインでつながります。
6) 自社のAPPを作る。
製品・サービス情報はもちろんのこと、速報やステークホルダーに伝えたいことを随時、配信できます。
なにより、世界中の人が利用可能です。
それもスマホ1台でで。
7) 雇用すべき人材(新卒・中途)、コラボレーションすべき外部企業を見極める。
プログラマー、
英語と日本語に精通した人材
オンラインでのやりとりに慣れた人間
動画作成・配信会社
海外メディアに精通した人間、
最新テクノロジーに精通した人間
IT企業
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“日本企業が英語版のwebsiteや報告書をステークホルダーに向けて発信するとき。「文章はまったく新しいものを作ってみる」。Create new versions of websites and reports in English for the stakeholders of Japanese companies.” への5件の返信
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