【サステナビリティ】Japan for Sustainability (JFS)

今日の記事では、2004年から15年以上にわたって、「サステナビリティ・気候変動・地球温暖化・ESG投資」等に特化した専門翻訳会社を設立した私・小山ケイが、現在休止状態にあるNPO法人「Japan for Sustainability (JFS)」について書いていきます。

●Japan for Sustainability (JFS)

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●【サステナビリティ】Japan for sustainability (JFS)

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前回、私は「持続可能性を追求する活動を地道に行ってきた某NPO法人が今年の8月で活動休止せざるを得ない状況となりました」と書きました。

https://kaykoyama.com/for-the-sustainable-globe-1/

某NPO法人とは、日本のサステナビリティ活動を世界に英語で発信することを使命としている団体、

Japan for Sustainability (JFS)」のことです。

https://www.japanfs.org/

JFSは2002年に設立され、今年で16年目を迎えます。

設立者であり代表のおひとりである枝廣順子さん(Junko Edahiro)は、日本の環境ジャーナリストの第一人者としてテレビなどにもときおり出演されてきました。

もと米国副大統領アール・ゴア氏のベストセラー、「不都合な真実」の日本語版翻訳者、といえばああ、あのかた、とお分かりになるかたもおられるかもしれません。

東大大学院を卒業後、ご主人の転勤に伴って米国へ移り住んだ29歳のころから本格的に英語の勉強をされたことでもよく話題にのぼる方です。

私も設立当初から、個人として金銭的な寄付をしてJFSをサポートしてきました。

JFSから送ってもらうメルマガから垣間見るJFSの活動は、枝廣さんや事務局のかたがたはもちろんのこと、ボランティアのかたがたのマンパワーと個人・法人による寄付でほぼ成り立っていたと私は理解しています。

ときおり書籍の販売をお知らせするメールをいただいたりもしましたが、それらの売上が収益に占める割合はそれほど大きくはなかったと察します。

伝統的な方法にのっとって持続可能な漁業を行う北陸地方へ枝廣さんたちが出かけて取材をされたり、子ども食堂について取材されたりと、そのコンテンツは多彩を極めていました。

それゆえ、今回のJFS活動休止のお知らせは海外NGO/NPOからも残念に受け取られている様子がJFSからのメールでわかりました。

JFSの活動休止は、持続可能性を追求する日本の活動のなかでとても大きなできごとですが、もしかしたら今後、他のNPO/NGOもおなじように、活動休止、あるいは停止に追い込まれる可能性もあります。

持続可能な社会、地球を求めて、その活動を広く認知してもらうのと同時に、多くのサポーターや賛同者を増やすにはどんなことが可能なのか。

JFSの活動休止を大きな転換点としてとらえるためには。

私にはつねづね、ひとつの思いがあります。

これからの日本のサステナビリティは、ひとびとの「理性」や「知性」に訴えるのではなく、アカデミックな「ニオイ」を漂わせるのではなく、人間の感情に根差した、より人間の感情に訴える活動へ、と向かうことが求められていると思います。

大学教授が説く、「持続可能な社会の実現」ばかりではなく。

そうすれば、大衆へと広がります。

大衆へと広がれば、活動が活発化するだけではなく、「お金」がついてきます。お金のエネルギーが強烈に循環し始めます。ゲーマーがゲームで課金するように。

それが私のいま考えていることです。

 

これまでのサステナビリティ活動にかかわるリーダーたちはお行儀が良すぎました。

JFSの活動休止も「お金が底をついた(赤が続いて資金繰りがうまくいかなくなった、と、いただいたメールには書いてありました)」ためです。

私自身は小さいころから遊びが大好きで、必要最低限な学校の勉強をする以外は大好きな映画を観たり音楽を聴いたり友達とつるんだりして遊びまくっていましたが、「持続可能性(Susbainatiliby)」の普及認識活動にかかわる人たちと15年間接してみて感じたのはそこです。(青学も学校推薦で入ったので受験してません。「自分の貴重な青春の1ページを(くぅ~)、クソみたいな受験勉強なんかに費やすもんか」と高校1年のときに誓ったからです。

私が高校生のときはAO試験もなく自殺者がでるほど受験が過熱していた時代でした)国連をはじめ、国、お役所、上場企業、そして(つまり、いわゆる偏差値がとても高い大学)をお出になって、家族、パートナー、子どもさんを含めた「理想的な日本人女性の姿」とされるすべてを手にされている日本のリーダーがけん引役となって活動されてこられたのが日本の持続可能性に対する普及活動です。

私自身は15年以上に渡ってサステナビリティ活動にかかわってきましたが、最近、「サステナビリティの勉強会を開くことになりました~!」とのろしをあげる若い女性に出逢いました。

そしてさらに、そのかたを「そんなことを言い出す彼女はとてもパワフルです。彼女を応援したいです。だから、アナタもその勉強会に生徒(受講者)として参加してください」と、知り合いの男性がわたしに要請してきたのを聞いて、「私も一緒に応援しましょう!」、という気もちよりもむしろ、

「ああ、日本の持続可能性はまだまだ大衆化はしていなかったんだ、15年以上もまえから、枝廣さんをはじめ、地道に勉強会を開いたり、活動されたりしている人たちがいながら、それには気づかず、Japan for Sustainabilityの設立後、16年も経過したいまごろ、起業としてのビジネスモデルにも新規性が感じられない「持続可能性についての勉強会」をとりあげて、「勉強会をひらきます~!FacebookでFollower機能を自分につけますのであたしをフォローしてください~!!あたしは若き起業家です~!!」

という人に対して、

『彼女はパワフルなひとです』というかたはJFSの活動にすら気づいていなかったわけだ。だからこそ、枝廣さんのJapan for Sustainabiolityは活動休止せざるを得なかったんだ」

と、私は複雑な気持ちにならざるを得ませんでした。

16年。

それは、相当長い年数です。

先日もお伝えしたとおり、私の名刺に書かれている「For the sustainable globe」の文字をを見て、「持続可能性の活動をされてるんですね!共感しました」とおっしゃったかたはいまのいままで、ひとりもおられません。

くだんの知り合い男性もしかり。

英語がわかるかたですが。

でもそれは、当然なのかもしれません。

いまようやく、カタカナの「サステナビリティ」が日本で理解されるようになってきた感はあります。

先日も百貨店でエスカレーターに乗っていて、「当店では持続可能性を考慮して温度設定を●●度と低めにしております」とアナウンスされたのを聞いて、「おばちゃんたち、わかるかな」とおもわず前後を見渡しました。

持続可能性、という言葉も、一般消費者のかたたちに理解されるレベルにまで達したのでしょうか。

Renewable energy(再生可能エネルギー)、GHGs (温室効果ガス排出)の削減、あるいは私が「Today’s coffee」で取り上げた、Third-wave coffee(サードウエイブコーヒー)のコーヒー屋さんたちの活動だって、持続可能な社会と地球を求めた活動の一環です。

これらの英語や言葉が一般の人たちにも共感と「そうだよね」という強い感情を伴って受け入れてもらえるようになったときにはじめて、持続可能性の活動がしっかりと歯車を動かしていくのでしょう。

お金をともなって。

たばこ屋のおばちゃんがたばこを買いにきたお客さんと、

「さいきんうちは再生可能エネルギーを安く買ってね。うちの電気、ぜーんぶ再生可能エネルギーなんですよ。その『たばこ屋』のネオンサインもそれで動いてる」

「へぇ、それはすごい!どんなエネルギーですか?」

「GHGがぜんぜん出ないやつでね。キャップアンドトレード(Cap & Trade)でやりとりされてた国で共同に開発したらしいんです」

なんて会話をする日が来るかもしれない。

リーマンショック(英語でいう”Financial crisis”)」という和製カタカナを、おばちゃんや小学校の子どもたちすらぺらぺらと口にしていたときのように。

ご自身で持続可能な活動をされている人気タレントさんに広告塔になっていただいてもいい。

大衆の感情を知りに知り尽くしている、お笑い芸人のかたがたに持続可能性について取り上げる番組を作ってもらってもいい。

持続可能性にかかわっている人たちが、講演会などで「笑いを取る」ぐらいのことがあってもいい。

そんなことが、私の考える「大衆に根付く、日本の持続可能性活動」です。

「笑い」は人間の感情がいちばん正直に表れる表現方法だから。

JFSの活動休止に際して、そんなことを思いました。

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