右から入れて、左に流す。オトナの処世術です。

Q) 小言の多い上司で困っています。

A) まずは右から入れて左に流しましょう。そして、行動します。オトナとして。

昨日は下の記事を書きました。



●この世はまともなことを言うひとばかりではない。

 

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「処世術」というと眉をしかめる人がいますが、残念ながら、この世は他人への思いやりに満ちた人ばかりではありません。自分が言いたい愚痴や悪口を相手の都合もお構いなしに人に聞かせる人や、小言の多い人がわんさとおります。

まともに相手していては自分のエネルギーと時間がもったいないです。だから、処世術が必要なのです。長年ビジネスパーソンをしているかたなら「そうそう、そうなのよ」と賛成していただけるのではないでしょうか。笑

さて、まえおきはこのくらいにして、今日は私が長年実践している、「右から入れて左に流す」やりかたをご紹介したいと思います。

といっても、私よりもうんと若い若者でも上手にやっているひとはやっていますし、ものすごく難しいことでもない。少しばかり知恵が必要なときもありますが、次の一手を打つまでの間の応急処置としては最大効果を発揮してくれるものです。

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1) 自分をいったん、舞台の「上のほう」あるいは観客席に置く。

2) そこから相手を、見る。

3) 相手の言う愚痴や小言を「流れているもの」として「うんうん、そうなんだなるほど」と右耳から入れ、そしてどんどん、左耳へと流していく。自分のなかで滞留させずに通過させる。それをビジュアルとしてイメージする。相手が話している間中。

小言であれば、「申し訳ありません」と言い続ける。ただし、あくまで自分は舞台のうえのほうか、観客席から見ている。詫びているのは、「あなた」という役を演じている役者さんです。

4) この方法で相手の気分を害していないことがわかったら、次の一手を打つ準備を常日頃からする。

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知恵がひつようなとき→ a) 相手がしつこい。どこに移動してもくっついてきては、愚痴を言ったり小言を言ったりする。

対処法】相手が苦手だと思っている人のそばにいったり、そのひととはなしだしたりする。相手は逃げることが多いです。

つねにタイミングを見計らう。「あ、電話だ」「あ、部長に相談することあるから」。

b) やたらこまかく確認してくる。「ほんとにそう思ってるの?なら説明してみて」「悪いと思ったらどんな方法とればあなたのその悪いところ治ると思う?」などなど。

ここまでくると、人格攻撃です。度が過ぎている。人事や上で相談できる人に相談したり、信頼できる人に相談して、どちらかの配置換えをお願いします。やってはいけないことは、「注意してください」と依頼すること。火に油をそそぐようなものです。逆恨みされることもある。

いつまでも小言を言い続ける人間というのは、自分の不満をあなたや私にぶつけているにすぎません。そして、あなたや私のことを本当に思って叱ったり注意したりしてくれる人は、「小言」などというちんけな方法をとりません。

愚痴をきかせる人間もそうです。あなたを大切に思っていれば、あなたの時間を自分が奪っていることに気づいて愚痴を言うことを控えるはずです。あなたのことを信頼しているから愚痴を聞かせるのではなく、誰でもいいから聞いてくれやすそうなひとに話しているにすぎません。

「聞いてもらえるひとがいなくてかわいそう。だから聞いてあげます」では、共依存になってしまいますよ。大切なあなたの人生です。

●うまく流せるようになったら、「次の一手」を打つ。立ち止まらない。

うまく流せるようになったら、そこで思考停止せずに、うまく流せている間に、次の一手を打たなければなりません。

自分が変わるように相手も変わる。そして状況も変わる。変化があったときに、うまく流せなくなったらまたつらくなります。

「次の一手」にはこんなことがあります。

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1)  配置換えの依頼。

2) 仕事を変える。

3) 相手が苦手としている人間がだれか、よく把握する。

4) 相手の行動範囲や行動形態を把握する。

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とにかく、距離をとることが一番効果的です。物理的に。そうすると、精神的にも距離ができますので。

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●右から入れて、左に流す行為は、冷静さをたもつためです。

おこられたり小言を言われたりすると、相手の言い方いかんではものすごくメンツがつぶれることがありますよね。相手もそれを狙っているかもしれないし。

とくに、大勢の前で大声で罵声を浴びせられたり、自分が正論でこちらが完全に間違っているかのような「ニセの倫理観・論理性」をふりかざされたりするとたちが悪い。

そら

相手の言うことを右から入れて左に流す術は、自分を見失わないための方法でもあるのです。相手があなたをパニックに陥れようとしていたり、赤っ恥かかせようとしたりしているときに、あなたは頭に血を上らせたり、恥ずかしい思いをすることのないよう。

だから、次の一手が必要になってくる。

相手も、あなたがあまりにも冷静に対処していると、自分の目的である、「あなたに赤っ恥を書かせてパニックに陥らせる」ことがいつまでたっても達成できないので、攻撃方法を変えてくる可能性があるからです。

大人の執拗さは陰湿ですよ。

私の友人などは社内の誰かに悪意を持たれていたそうで、自分では頼んでもいない「寿司屋の出前」が自分の名前で大量に行われる、という被害にあいました。誰が犯人かはうすうすわかっていたそうですが。

不思議ないろあい

あなたがどうしても相手の話を受け入れなくてはいけないよう、相手はさらに上の人間に根も葉もないことを吹き込んだり、匿名のビラが配られる、なんてこともありえなくはない。やりかたがエスカレートする可能性があるのです。

右から入れて、左に流す、はあくまで応急処置なのです。

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●とはいいつつ、かわいいグチもある。「かわいそうに」と思っとけばいい。

沈丁花

罪のない程度のものもありますよね。気心知れた人なのだけれど、愚痴っぽい人や、他人のしたことの「悪い面」のほうに意識を向けてしまう人とか。それを正面切って指摘しては、夏目漱石の言う「角が立つ」ということ。相手も人間です。逆切れもありえます。

悪い人ではないのだけれど、少し変わった人やはっきりものをいう人に対して、「いやだ」と悪口やぐちを言う。気持ちがわからなくはないですよね。

"Keep out" tape

若者なら人生の通過点、ということで済ませられますが、いい年した大人であれば、かわいそうな人となります。だから、正面切って、「その思い癖を直しなさい」と言ってはいけない。かわいそうな人なのだから。若いときにするはずだった人生のドリルをやらずに来てしまった人なのだから。

先日もブログで書いたように、こちらは頭のねじが一本足りないくらいの人間を演じつつ、「え、そうなの?知らなかった」とか、「うんうん、そうだったんだ。大変だったね」とか言えばいいのです。

「相手を思って」なにかを言ったとたん、可愛さ余って憎さ百倍、で豹変されたりしては、つまらない負のエネルギーのループに巻き込まれてしまいます。

言えるのは、ものすごい柔軟性がある人に対して。だから若者にはまだ言えるけれど、頭がコチコチになった中年以降の人間には、正面切って指摘してはいけない。角が立つから。

東京の夜景

愚痴を言ったりいつまでも非生産的な内容の小言を言う人は、それだけで負のエネルギーをまきちらしているわけです。そこにまきこまれずに、生産的なことに自分の意識を向けたり、他者と幸せな日々を送ったり、社会や世界が少しでもよりよくなっていくことになにかできることがあるだろうかと考えたりするほうが、精神衛生上、よくないですか?

私はそうです。そしてそのために私が長年実践しているのが、「右から入れて、左に流す」なのです。

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