今日の記事では、母校の青学から単位をもって米国オレゴン大学へ編入学して卒業し、15年以上に渡って「サステナビリティ・ESG・気候変動」などに特化した専門翻訳会社を経営しながら再び青学(大学院)へ戻ってMBA(修士号)を取得した私・小山ケイが、母校・青山学院のビジネススクールにかよっていたころのことについて、以下のようなことについて書いています。
<もくじ>
●MBAを取得してよかったこと。
●働きながら国内でMBAをとる利点。
前回は以下の記事を書きました。
●MBAを取得してよかったこと
よく人から、「MBAを取ってよかったことはなんですか?」と聞かれます。質問としてはあまりにも漠然としていて聞かれたほうは一瞬「ん?」と言葉に詰まってしまうのですが、文章であれば、字数に限りはないので(会話であれば5分10分とかけて話し込む必要があります)このブログで書いてみようと思います。
国内外のビジネススクールで勉強しようかどうしようかと迷っておられるかたのお役に立てば幸いです。
大まかなこととしては、以下のような感じです。
●ビジネス、あるいは経済活動というものをより体系的に、具体的に視覚化することができた(自分の頭の中で)。
●さまざまな業界についての知識が広がった。
●ビジネスパーソンとしての技能が広がった。
●証券アナリストの視点を疑似体験することで、国内外の企業活動を分析したり予測したりすることができるようになった(私は証券アナリストの視点で企業分析を体験的に勉強するという2コマ科目を2年目に1年間、集中的に受講していたので)
●マクロ経済学とミクロ経済学のそれぞれの良い点が見えた。それぞれを知っておくことで、世界経済の流れと身近なお金の流れがどう、連動していくのか、「感覚」として考えることができた(これを数字として把握できるかたはその道のプロでしょう)
●人脈が広がった。
●やっぱりいろんな考えがあって、いろんな人間がいるんだ、と知ることができた。(変な人も含めて)
●左脳の考え方ができるようになった(敵を知れた)。
●BSPL、キャッシュフロー計算書がさらに読めるようになった。
●数学の応用問題はやっぱり苦手だと知ることができた。笑 計算式は大好きなんですが、それが文章になったとたん、ギブアップです。小学校のときからそうでした。
●「Cash is king」だと知った。(現金は、いま、もらうからこそ価値があるのだと改めて感じました。ファイナンス基礎の授業にて「現在価値」の計算法を勉強しながら)
●エネルギーと時間を苦手なことに狂ったように掛けるのではなく、さわりを理解しつつ、自分が得意なことにさらに時間とエネルギーを掛けることが大切だということが分かった。苦手なことは得意な人に(お金を払ってでも)お願いすればいいのだから。松下幸之助さんがなさったように。
●直感・感覚はやっぱり大切だということがわかった(逆説的ですが)。その能力は使う人間には無限だそうです。すごい・・・・
●企業価値の算出にDCF法を用いようがマルチプル法を用いようが、ようはそれを使う人間(アナリスト)の好みだと知った。笑
●日経新聞が読めるようになった(数値や専門用語の理解)。
●経営管理について高度な次元で勉強した人間である、ということを「学位」として示すことができるようになった。
→ 独学で勉強した、という人のことを否定するつもりはありませんが、いっぽうで、「どうせ分かってないだろ(あんた女だし)」と言いたげに、市場の話やマクロ・ミクロ経済、はてまたデイトレなどについて、物知り顔で言ってくるおっちゃんがわりと多いので・・・。つまり、MBAは私にとっては印籠がわりなのです。笑
●働きながら日本国内でMBAをとる利点
私は国内の(しかも母校である)学校を選びましたが、会社からお金を出してもらえる、というなら、会社が指定する海外MBAを取りに行かれるのもいいでしょうし、Harvard などのブランドあるアイビーリーグのもので箔をつけたい、ということであればその目標に向かって突き進まれると良いと思います。
世界的に名門といわれる学校であれば、世界中に人脈が広がります。青学を教授としてのキャリアの出発点にされた、石倉洋子先生がおっしゃる「世界級のキャリア」を築くことも夢ではないでしょう。
いっぽうで国内MBA取得の利点は、それまでの自分の生活を物理的にも、社会的にも、精神的にも、大幅に変更することなく、学位を取得することができる点だと思います。
人にはそれぞれ、事情があります。子育てだけではなく、介護をしていたり、障害のあるご家族を支えてらしたり、親類縁者から経済的に頼られているというかたもいらっしゃるでしょう。そういうかたは海外に長期間、行くことができない場合があるかもしれません。
働きながらの大学院での学業は正直、しんどいですが、まわりには同じ条件の社会人学生がたくさんいてくれますのでその点は本当に心強い。
体力と気力がある若いうちにこそMBA取得は多くの若きビジネスパーソンにやっていただきたいと思っています。
私自身について述べれば、新鮮で栄養ある食材を用いたおいしい和食がいつでもいただけて、それでいて世界中の一流の料理が集まってくる日本を脱出する、なんてことは、しばらくできそうにないというのが本音です。
再配達を頼めば、希望した日にちと時間にちゃんと届けてくれるサービスを宅配業者のかたがたが提供してくれたり、お店にいけば従業員が「お客様」としてうやうやしく扱ってくださったり(間違っても初対面で「調子はどうよ?(What’s up?)」なんて聞いてはこない)、夜の12時過ぎまで出歩けたりリーズナブルな価格のおいしいお料理とアルコールを提供してくれる、たくさんの居酒屋がしのぎを削っていたり。
日本の繊細美も私の感受性をとても刺激してくれます。
若いころにそうではないところにしばらくいた、という視点があるからだと思います。自分の財産だと思っています。しかもお金では買えない財産。
次回からは、上記の「●」の項目からいくつかひろって、詳しく書いていきたいと思います。
今日のTIPは「意外と自分の会社のなかにも国内MBAコースに通っている人はいますよ。その人たちから(ときには上司の目をこっそり盗んで)お話を聞く、というのも名案」だとお伝えしたいと思います。
ABSも毎年、同じ会社から何人も受講に来ています。医薬品のNやP、ITのCやIなど。
“MBA取得のために母校青学の青山ビジネススクール「ABS (Aoyama Business School)」を選んだこと(3)” への4件の返信
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