先日以来、「感覚(feeling)をアタマ同様に大切にする」ことの重要性について書いています。今日は、さっこん日本のビジネス界で聞かれることの多くなった「one-on-one meeting (1 on 1 meeting)」と、そこに「感覚」を持ち込むことの大切さについて書いています。
【もくじ】
●「1 on 1 meeting」でも「感覚」を使う。
●あなたが上司の立場であれば。
●あなたが部下の立場であれば。
昨日の記事は下記にあります。
●1 on 1 (ワンオンワンミーティング)でも「感覚」を使う。
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昨今、ビジネスがglobal化したせいか、「1 on 1 meeting」について日本のマスメディアや企業でも取り上げられる機会が増えてきたように思います。
でも「言葉」としては英語圏のビジネス界ではかなり以前から使われている専門用語。
私が約10年前に青学のビジネススクールに通っていたときは、「one on one meeting」というと、アナリストが企業の最高責任者やIR関係者に話を聞きに行ったり、機関投資家と話したりすること、としてよく取り上げられたものです。
日本では「1 on 1」というと人事や上司と文字通り1対1で自分の処遇や仕事内容について話し合うことを指すこととして浸透しているようです。先日も、外資系に勤める友人たちと話していた時、「1 on 1で上司と自分の配置換えについて話した」とのこと。
日本企業でも取り入れるところが増えてきたそうなので、「手法」としても開発されてきているのだとは思います。でも、もともとの英語の意味を考えると、「人と人が1対1で話し合うこと」という前提は変わりません。
そこで今日は、どのような手法が採り入れられようとも、私が考える「1 on 1でも感覚を頼りに効果的にやりとりする」ということについて書いてみたいと思います。
●あなたが上司の立場であれば。
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1 on 1 meetingの基本は、「人と人が話をする場」です。これが投資家やIR、アナリストのようなステークホルダーたちによる1 on 1であれば当然、数字の話もでてくるでしょうが、対面で話をするのですから、相手の表情や声の大きさ、ジェスチャーなどの「非言語」もコミュニケーション材料となります。
部下との話し合いである「1 on 1」の場合であれば、上記の投資関係者によるものよりもさらに「感覚に根差したコミュニケーション」がもとめられるはずです。なぜなら、数字の話をするための話し合いではないからです。
上司と部下は上下関係という「力」や「立場」の違いがあります。私は以前、このブログで書いたことがありますが、部下(目下)にとって、上司(目上)の言うことややることは100%。ものすごいインパクトを与えることになります。
自分はほんの軽い気持ちで言ったことでも、部下にしてみればかなり衝撃的なことという場合もあります。
だからこそ、自分の言語・非言語コミュニケーションには、細心の心配りをしなければならない。
いちばんいいのは、「目の前にいる部下を彼・彼女と同い年だったときの自分だと思い込む」ことだと思います。そうすればおのずと、「感覚」をたよりに、自分のことをまずは思い出します。そして比較して、彼・彼女が自分よりもできていれば褒め、出来ていなければどうしたのだろう、と一緒になって考えてみよう、という姿勢が生まれるはずです。
私はこのブログで少し前、「リズム感をやしなおう。人生のすべての基本です」と書きました。1 on 1 meetingでもリズム感が求められます。
具体例は次のとおりです。
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1) 適度なアイコンタクトをとる。お互い「演者」として。演奏していいタイミング(話をしていいタイミング)をみはからうため。部下の表情から「非言語コミュニケーション」のメッセージを読み取るため。
目線の合わせ方、タイミング、合わせる間隔、目の色、目の動き。「目は口ほどにものをいう」とはよくいったものです。
2) リズム感のある相槌を打つ。「うんうん」「あ~なるほど」
3) 相手が黙れば自分も黙る。相手が喋れば自分も喋る(「コールアンドレスポンス(“call and response”)」Jazzの演奏形態です)
4) 相手の即興演奏中(話しているとき)は邪魔をしない。じっと耳を傾ける。自分の番がくるまで。
5) 自分の理解があっているのかどうか、つねに言語化して問うてみる。上記のcall and responseと同じです。けれど、やりすぎはNG。「言いかえ」が良いと思っているのか、なんでも「つまり、●●ということだね」と言ってくる人に時折出くわします。これではかえってまどろっこしさを感じるのと同時に、言葉は悪いですが、「理解度が低い」と部下に思われてしまいます。
6) 相手がわざと「休止符(言わない)」を出していることもあるとこころえる。上司のほうが立場が強いのですから、立場が強い人に向かって何でもかんでも自分をさらけ出せる人はそう多くはありません。遠慮、畏怖、不信、抵抗。いろいろな理由があるでしょう。感覚を最大限に使って、相手の沈黙という「非言語コミュニケーション」からも信号を読み取る必要があると思います。
これらはすべて、私がこのブログで何度も何度も書いていることです。よろしければ過去記事も参考になさってください。
小山ケイ過去記事】「多くのかたが気づいていない「リズム感」の大切さ。
●あなたが部下の立場であれば。
相撲の世界でよく、「横綱の胸を借りる」と表現されますよね。1 on 1 meetingは上司の胸を借りるようなものです。相手のほうが立場がうえなのですから、大船に乗ったつもりで胸の内を打ち明ける。けれど、身構えたり遠慮を感じたりすることもあります。
自分の「感覚」が最大の武器になります。たとえば、相手に対して、「なんとなく言いづらい」と感じていることは、「数値化」などほとんどできません。アタマで考えても把握できないこともあります。けれど、感覚をたよりに自分の心の奥底を探っていくと、実はその上司を信頼していない、ということもありえます。
かつて銀行員だったときの私がそうでした。そしてこのあいだ、外資系に勤める友人と話したときも、彼女は「上司と1 on 1 meetingでそのポジションにいくのはいやだといっても理解してもらえなかった」とこぼしていました。
もう一度言います。「感覚」が頼りです。人間の感覚をあなどってはいけない。
自分が「どうしてもその上司と効果的で生産的な1 on 1 meetingをする姿が思い浮かばない」「執拗に「いやだ』という感覚が生まれる」ということであれば、その感覚によって、自分が実はその上司を信頼していないという証(あかし)になります。
信頼できる人や部署に相談して配置換えをお願いしたり、あるいは転職したほうが得策ということもあるかもしれません。
1 on 1 meetingがはやっているからといっても、良い上司ばかりではありません。
部下は上司を選べないのです。
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“One-on-one meeting (1 on 1 ワンオンワン)でも「感覚(feeling)」が大切です。” への1件の返信
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