●私が受けた面接と雰囲気
母校の青学から単位を持って米国大学に編入学して卒業し、15年以上に渡って「気候変動・地球温暖化・サステナビリティ・環境CSR」などに特化した専門翻訳会社を経営しながらふたたび青学へ戻ってMBAを取得した私・小山ケイが、「青学ビジネススクールに入るときに受けた面接」について書いていきます。
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少し前の当ブログ記事で、「入学に際してどんな専攻過程があったのか」 記しました。
今日は、そのひとつである「面接」について書いてみたいと思います。
(青山ビジネススクールFacebookより引用 Quoting from the facebook site of Aoyama Business School)
面接は普段、青学の授業が行われている50人前後が入れる教室で行われます。構成は、面接官である教授が3名と、受験生(私)がひとり。入学してから教授や仲間たちに聞いたところ、受験生側の職歴や経歴、興味分野などによってどの教授がいる面接会場に振り分けるか、考慮された場合もあったようです。
私も前回の記事で指摘したとおり、米国大学を卒業していたせいか、面接官のおひとりが米国人、という教室に振り分けられました。教室は5つか6つ、使用されていたと記憶しています。
私の担当教授は、マーケティングがご専門のDr. メイヒュー(米国人)と、社会学(ネットワーク理論)がご専門の中野先生、そして、いまは退官されてABSの名誉教授のような立場であり、青学全体のキリスト教学や宗教行事を取り仕切っておられる牧師の西谷先生(CSRや企業倫理などを担当されてました)の3人でした。
(余談ですが、青学は米国のメソジスト系宣教師たちが作ったプロテスタントクリスチャンによる学校なのです。学部までの必修科目にもキリスト教関連の授業がかならずあります。「キリガイ」「キリキョー」といえば通じる青学生は多いです。笑 青学駅伝チームの面々ももちろん、必修科目として履修してますよ)
私は受験1回目で合格しているので、どういうかたが不合格になるのかはよく分からないのですが、入学してからある先生に聞いたことでは、質問に対する答えが冗漫でまとを得ず、不合格になった人がいたそうです。
(後日談ですが、その不合格になったかたは翌年度も応募してきて、今度は質問の意味を理解して適切にこたえてきたので合格になった、とのこと)
ABSの翌年度むけの募集は前年度に3回行われますが、3回目が倍率もいちばん高くそれゆえ入学する難易度も高い、といろいろな人から聞きました。それぞれ、合否は1週間前後で本人に郵送にて通知されます。
私自身の体験としては、教授3人を相手に、自分ひとりだけで15分ほどやりとりする、と聞いただけで面接の前はとても緊張しました。
●意地悪なことを聞かれたらどうしよう。
●まともに答えられなかったらどうしよう。
●学部は経済・経営とはまったく違う分野を卒業したから、 「このひとはウチには向かない」、と思われるかもしれない。など。
そんなことが私の頭をよぎったのです。でも、担当してくださった上記3人の先生がたは物腰が柔らかく、紳士然とした穏やかな雰囲気で(メイヒュー先生などは、滑舌の良いゆっくりとした米国英語をお話になります)面接がはじまるとまるで、取引先の人たちと自然なコミュニケーションをとっているかのように、徐々に気持ちを落ち着かせることができました。
いま振り返っても、この三人の先生がたが担当してくださって良かった、と心から思えます。入学してみて、「面接はぜんぜん緊張しなかったなぁ」と豪語した同期の女性がいました。
一瞬、「なんて心臓の強い人だ」と思いましたが、考えてみると、たくさんの若者が受験する大学受験とは違って、「落とすこと」を目的として実施している(とくに倍率の高い有名大学の学部入試の場合)のではないので、彼女の心臓の働き(?)は正しかったのかもしれません。
面接の目的は、
1) 専門職大学院で数年間、仕事をしながら学業を修められるのか (actual opportunities, time efficiency, his/her ability of time management, and even his/her “passion”)、
2)いま現在、どんな仕事をしていて (professional occupation)、
3)どんな専門性をさらに追求しようとしているのか (goal/target as a career)、
そして、「うちに彼・彼女が来れば、100名近い他のクラスメートに対して、
4)どんな貢献をしてもらえるのか (How is he/she going to inspire/stimulate others?)
5)どんなシナジーを与えてくれるのか (Can we expect synergy from him/her?) 」
といったことを確認するためのものだと思います。
6つの目と6つの耳を通して。
それゆえ、大学受験の勉強のように対策をたてたり、就活のように市販の本を購入して面接シミュレーションをしたりするよりも、「ご自身のこと」について内観するほうが担当面接官の教授たちともよいコミュニケーションがとれ、結果として「合格」につながるのだと思います。つぎの項目で詳しく触れていきます。
●私が面接で尋ねられたこと
実際に面接が始まるとやはり上記のような目的に沿ってつぎのようなことが尋ねられました。この点については (2)として次回の記事でさらに書いていきます。
●自己紹介(1分ほど)
●これまでの経歴
●青山ビジネススクール(国際マネジメント研究科/ABS)
を志願する理由
●キャリアにどう生かしていくか
●仕事と学業(それも、大学院)の両立は可能か
●学部卒の学位(BA)を授与された米国大学について
(このあたりから、面接が英語になっていきました。笑)
●翻訳会社である自社の特異性、オリジナリティ
●ABSのクラスメートに対して、どんな貢献ができるか。
●受験者側(私)からの質問の有無
●OG(卒業生)だからこそ知っている「暴露話」
ある担当教授は面接のさい、「円周率を小数点第●位まで答えよ(5位とか6位とか、あるいはもっと)」と尋ねたそうです。この話は、別の某先生からお聞きしたので確かな筋からのものです。尋ねられた受験者のかたはきっと、「こんなことききやがって」とネットで拡散してるかもしれないですね・・・。
どう考えても、無意味な質問。この手の質問をする教授は限られています。
さらに、入学してみると、こうした教授は学生から不人気であったり、授業内容が不評だったりするので(時代錯誤だったりマニアックだったり課題ばかりがやたら多くて、現場のビジネスにちっとも生かせない内容だったりetcetc)、学生間の密な情報交換によって、「近寄らないほうがよい教授かどうか」、分かってくるものです
(卒業したいま振り返ると、私はその「円周率を尋ねた教授」の授業をひとつもとっていなかったです。「彼には近寄らないほうがいい」そう私の直感が言ってくれていました)。
なので、面接においてもし質問が変だ、とご自身がなんとなくお感じになった場合、「ああ、これがコヤマのブログ(kaykoyama.com)で読んだことかな」と思っていただければ、冷静にあしらう方法も見えてくると思います。
3対1の面接で、教授が3人もいるのですから、ひとりのへんちくりんな教授の質問(大笑)にご自身が一瞬つまっても、他の教授が助け舟をだしてくれたり、まともな質問をして軌道修正してくれる可能性も大きいです。
小数点第6位までの円周率を答えられなかったからといってABSが不合格になる、ということはありません。せっかくの面接の場でわざわざケンカをすることもないと思います。
「その質問、どんな意味があるんですか?」と単刀直入に聞くよりは、「おもしろい質問されますね。私は小学校で『円周率は3.14』と習ったとおりに3.14、3.14とこれまでの人生において唱えてきました。
それに、私の仕事にはいまのところ、小数点第●位までの円周率はまったく不要な情報です。もしご存知なのでしたらぜひ、円周率を小数点第●位まで教えていただけますか?」とでも切り返されれば良いかと思います。
それがスモールトークとなって、気さくな雑談につながればしめたもの、ですし。切り返し方が上手であれば、他の2人の教授からは「どんな組織でも人心掌握術がずぐれた人(ABSでのグループワークもちゃんとできる人)」と評価していただけるはずです。
ぜひ面接を楽しんでください。
ABSにはひとつの授業が修了するごとに学生側が教授を採点する評価システムがあります。 また、それとは別に任意のものとして、卒業時に、 「Teacher’s Award」という、学生側が自発的に設定した教授や講師を評価して点数の高かったかた人を表彰する賞があります。
私が米国大学に留学していたときも、学生側が教授を評価するシステムはありましたので、懐かしい気持ちで私も参加したのを覚えています。自分が「お、この先生、いいな」と思った教授はやっぱり、いまにいたるまでそれぞれ選ばれています。
同期やABSの仲間たちとぜひ、密に連携をとってくださいね。私の「Deep Throat(某教授等)」からの暴露話もまた、追ってこのカテゴリーでときどき書いてまいります(笑)