今日の記事は、 クロード・ルルーシュ監督による1981年のフランス映画「愛と哀しみのボレロ」について書いています。 その他の映画については、以下のサイトもご覧ください。
●クロード・ルルーシュ監督による「愛と哀しみのボレロ」
「男と女」のクロード・ルルーシュ監督による
壮大な人間ドラマです。
私が初めて観たのは、高校生のとき。
一部、意味が不明で、
JKには難しいところもありましたが(笑)、
映像のもつダイナミズムを
とにかく感じさせられた映画でした。
アルゼンチン出身の世界的な
バレエダンサーのジョルジュ・ドン(Jorge Donn)
が真っ赤なちゃぶ台(笑)みたいな
円卓のうえで踊る「ラベルのボレロ」、
それを振り付けした、これまた世界的な
フランスの振付家モールス・ペジャール
(Maurice Bejart)の斬新な振り付け、
むりやり丸刈りにさせられた
女性の頭と泣き顔のシーン、
エッフェル塔を前にフルオケで歌う、
チャップリンの娘である
ジェラルディン・チャップリンによる
ラベルのボレロ、そして
何人かの役者が一人なん役もこなす
視覚的効果など。
全編を貫くのは、
私が愛してやまない、
フランスの音楽家、
モーリス・ラベルによる「ボレロ(Bolero)」の曲です。
★★★★★日本舞台芸術振興会公式YouTubeサイトより引用。Quoting from the official YouTube site of NBS★★★★★
3時間にもわたる長編映画のなかで描かれるのは
1930年代から1980年代までの
約50年間の間の数家族、数世代にわたる
壮大な人間ドラマなので
ブログで語りだすと
延々と終わらなくなっちゃいます。
そのため、本日と明日の2回に分けて、
書いていきたいと思います。
出てくる家族は4家族。
ロシアのジョルジュ・ドン演じる
バレエダンサーであるカップルの家族、
ドイツのダニエル・オルブリフスキ演じる
世界的な指揮者の家族
(役のモデルはカラヤンだといわれています)、
アメリカのジェームズ・カーンとジェラルディン・
チャップリン演じるJazzオーケストラの家族
(グレン・ミラーがモデルだといわれています)、
そしてロベール・オッセンとニコール・ガルシア
演じるユダヤ系フランス人の家族。
彼らの約半世紀の話を軸に、
盲目のアコーディオン弾きの男性が
時空を超えて何度も出演したり、
ドイツ兵と交わったフランス人女性を
母に持つ若い女性(エブリーヌ・ビックスが
ひとり二役)の話が絡まってきます。
第2次世界大戦を挟むため、
兵士として戦場へ出向いたり、
ユダヤ人家族は収容所へ送られたり、
戦後になれば、戦勝国側の華やかな雰囲気などが
描写されます。
それぞれの家族の話が小さなテーマとなって、
登場人物は違えど、
何度も現れてくるところは
ラベルのボレロがリズムと曲は同じながら、
それを演奏する楽器が次々に代わるところと
ぴったり重なります。
最後のエッフェル塔でのコンサート中継のシーンは、
劇中の撮影隊によるヘリコプターも数台飛び、
まるでラベルのボレロのフォルテッシモが
そのまま視覚としてあらわされているようにも
感じられます。
映画の中ではモチーフのようにして
ボレロは随所に現れます。
あるときはバレエのエチュード用のピアノ曲として、
あるときはポップ歌手の歌として、
そしてあるときは世界的なバレエダンサーとなった
セルゲイ(ジョルジュ・ドン)が躍る
バレエの曲として。
そうした視覚、聴覚としての出現に加えて、
ラベルのボレロはこの映画の構成そのものにも
重なっていることが次第に明らかとなります。
●ラベルの「ボレロ」
曲の出だしにスネアドラムが叩くリズムが
曲中を貫くテーマとなります。
全曲を通して、
大きなクレッシェンドが付いているような曲なので、
スネアは終盤から「足が付く」
つまり、もう一人のスネア奏者が加わって、
2台のスネアがまったく同じリズムを叩きます。
とにかく、パーカッションのスネアドラムがおいしいっ!
初期の「ミニマルミュージック」、と私は呼びたいです。
ここ何年か世界中で、フラッシュモブ(flash mob)と
称して街頭でボレロの演奏が突如始まる画像が
YouTubeにたくさんアップされています。
ご興味ありましたら、YouTubeで探してみて
くださいね。
どのYouTubersの画像も圧巻です。
Fabulous!
★★★★★私が最高に気に入っている、スペインの市民によるフラッシュモブです。Spanish flash mob by Spanish people. My favorite one xxx★★★★★