今日の記事では、母校の青学から単位をもって米国オレゴン大学へ編入学して卒業し、15年以上に渡って「サステナビリティ・ESG・気候変動」などに特化した専門翻訳会社を経営しながら再び青学(大学院)へ戻ってMBA(修士号)を取得した私・小山ケイが、日本社会における「組織」というものについて、私の経験や思うことなどを書いています。
<もくじ>
●組織社会には力学がある。日本の組織社会について思うこと。
●少人数の組織と大人数の組織。
●組織を抜け出すタイミング
このブログ「小山ケイ:Feel this precious moment」はいくつかのカテゴリーに分かれています。今日の記事はカテゴリー「徒然なるままにひぐらし。」で書きました。前回は同じカテゴリーで下の記事を書きました。
●組織社会には力学がある。日本の組織というものについて思うこと。
「組織論」は野中幾次郎先生や中根千絵先生など学者先生によって幅広く研究されていますが、今日は私が経験したことや感じたことについて書いていきたいと思います。
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どの文化にも組織はありますが、日本の「組織」はとにかく強力・強烈だと私は痛感します。
町内会、なんとか会、PTA、学会など。
でもおそらく日本で一番イメージされかつ実際に大きな力を持っているのは企業組織ではないでしょうか。
上場企業であれ非上場企業であれ、私が痛感するのは、組織のなかに明確な文化や序列、きまりごとがとても多いということ。
1)縛りが多い。
2)序列がある。
3)組織文化がある。そして、
そこに所属する人の生活や人生すべてになることもある。
私がぺーぺーの新卒銀行員だったとき、1)の「しばり」にはとにかく悩まされました。2)にも関係してきますが、銀行は組織社会の象徴のようなところです。
序列で上のひとが「右」といったら右を向かなければならない、
右が正しい。
新人が「いや、左です」なんて言うことはできません。笑
わたしのような、自分の思うことをわりとすぐに口に出してしまうような人間は、とにかくよく怒られました。
しばりはなにも、正社員の間だけではありません。
その組織に所属するひとは雇用形態に関係なく「しばり」を守らないといけない。
なかには盲目的にその「しばり」を鼻から信じて押し付けてくる人もいます。こういうところに、日本の組織がいかに強力なものかを私は感じます。
2)の序列ですが、重視されるものは、年齢、その組織で重宝される専門性、それまでその業界にどれくらい君臨したか、そして学歴などです。
「その組織で有効な専門性」とはいろいろあると思いますが、一般社会で認められる専門性が必ずしも組織の中で重宝されるわけではありません。
その組織の業態や業種がより専門的であるほど、「序列の上」にくる人はそれに関係する専門性を有している人です。
あるいは変わったところでは、「地域」ということもあります。
銀行員時代、証券会社から転職してきた人がいましたが、その証券会社は地方に本店がある会社で、その地方出身の人たちがいちばんエライとなるんだそうです。
その企業では。笑
おもしろいなぁ、と思いました。
3)の組織文化は多くの方が感じておられると思います。
日本の企業組織には明確な組織文化が存在します。
だから、若いうちに入社してから定年退職するまでずっとひとつの企業だけで仕事をしていた人のなかには、定年退職したあとに、一般社会に慣れることに苦労を覚えるひとが出てくるのもわかります。
上記の私の知人の例であれば、その地方出身だからと組織で優遇されていたものが、定年退職したとたんに一般人扱いとなる(あるいは年金受給者扱い)。
一挙に序列が落ちる、という経験をすることになります。
●少人数の組織と大人数の組織
少人数の組織は、人間関係がうまくいけばとてもアットホームな働きやすい職場になります。
反対に、人間関係がギスギスしていれば、その組織で権力を振るう人間の意にそぐわないとパージされる可能性もありますし、ミスもすぐにわかってしまいます。
上記の1)-3)もすごくタイトです。
居心地の良い組織かそうじゃないかがすぐに分かれます。
大人数の組織は組織のダイナミズムを感じることができます。
知り合いで大手生命保険会社に定年まで管理職として勤めた人いわく、「100人以上の社員が組織として一緒にひとつのプロジェクトをするためにぐぅっとみんなで動くときはやっぱり快感だった」と言いました。
私も大手銀行に勤めていた時、日本の年金運用を一挙に引き受けているような印象を受けることもあって、そのダイナミズムを日々、感じましたね。
依頼主には現在、「眠れるくじら」などと呼ばれる巨大組織GIPF(かつてはネンプク)も含まれています。
ひとりひとりのミスが取りざたされることはあまりありませんが、大規模組織のデメリットとしては図体がでかいので、ものごとを決めるのにとても時間がかかるということです。
ハンコをもらうひとの欄がとにかく多い。笑
●組織を抜けだすタイミング
組織に深く入っているほど抜け出す労力は大きくなります。
タイミングを見極める必要もある。
正社員なのか、契約社員なのか、パートなのか、アルバイトなのか。手厚く保護されているほど、抜け出すのは難儀でしょう。
提出書類も多くなる。
だから、事前準備も用意周到に行う必要があります。
抜け出すタイミングとしては以下のようなものがあげられます。
1) 自分を高められるものがそれ以上、見当たらない。
2) 給与も頭打ち。
3) 理不尽・不当な扱いを受ける。
4) 上司が変わる。それにより、組織文化も一挙に変わる。
5) ほかの組織のほうが自分を高く評価してくれる。
1)などは向上心のあるビジネスパーソンにはつらいことです。
3)はパワハラ、セクハラ、マタハラ、あるいは組織の力学で、権力のある派閥からの圧力、ということもあるでしょう。
4)などは外資系の典型じゃないでしょうか。
年齢があがるほど、新しいことにいちから取り組むのは正直、しんどいです。
新しい組織文化に新人のようにいちから慣れていくよりはその組織を抜け出して独立したりあるいはほかの企業に転職したりということも考えられます。
5)などはヘッドハントでよく言われることでしょう。
「組織」はうまくいっているときは家族のように安心できる場所ですが、うまくいっていないときはやっかいです。
組織のダイナミズムというものがあるので、自分ひとりだけの力ではどうにもならないことがあるからです。
組織についてはまた、書いてみます。