新卒で信託銀行に就職し、15年以上に渡って「気候変動・地球温暖化・サステナビリティ」に特化した専門翻訳会社を経営しながらMBAを母校の青学で取得した私・小山ケイが、今日はビジネスや営業などで相手に自分を印象づける、ということについて5つ、書いています。
Q) どうも印象が薄いのか、人から自分のことを覚えてもらえません。
A) 私の実体験も踏まえて、「こういう人は印象に残りやすい」ということを5つ、書いていきますね。
<もくじ>
●人が人に対して強い印象を抱きやすいことが「相手に自分を印象づけること」につながる。5つ。
●強く印象付けるとなぜいいのか。
昨日は下の記事を書きました。
●人が人に対して強い印象をいだきやすいことが「相手に自分を印象づけること」につながる。実体験。
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母校青学の「青山ビジネススクール」に通っていたときのことです。あるかたから「いい通訳者を探しているのですが、相談に乗っていただけますか?コヤマさんに通訳をやっていただくことも含めて」と言われたことがあります。
そのかたとはさほど親しくやりとりしていたわけでもなく、ましてや私の本業(看板を表立って出しているわけ)ではない通訳についてご相談されてきたときは、「数回お会いしただけで私のこと、ずいぶん印象強くもってくださったんだ」とありがたく思いました。
というのも、そのかたはその少し前に、「通訳」を本業とされているかたとある授業のタスクでご一緒されたのを私は知っていたからです。二人だけでしばらく密にやりとりされたタスクです。けれど、そのかたは「いい通訳者がほしい」と思ったときに、ふたりだけで数時間もずっとやりとりされたそのプロの通訳者のほうでなく、私のほうを思い出し、そして私に相談してきた。
その理由をいろいろ考えながら私は、「先日ご一緒されていた●●さんはプロの通訳者ですよ。ご相談なさってみてくださいね」とお答えしました。「え、そうでしたか」と驚かれていましたが、たぶんご自身がなぜ「わたし」のほうに強い印象を持ったのか、まではお気づきではなかったと思います。
ときおり私は、「コヤマさんは強い印象を残すかたなんです」と言われることがあります。たしかに、「こうやると、相手に自分がマーキングできるだろうな」となんとなく感じていることはあります。あるいは無意識でやっていることもあるのかも。
ずばっとものを言うところも印象に残るらしいです。
私が幼稚園の園児だったとき。学芸会の指揮者をする子がうまくいかないのかやりたくいないと言ったのか、「困った困った。誰に代わりにやらせるか」と先生方が話しあっていました。
私はそれをそばで聞いて理解し、「私がやりたい!」とこれみよがしに大きく「エアー指揮」をしてみました。すると、先生方はそれを見て「この子にやらせてみるか」と私を舞台に引き上げました。そして私はみごと、指揮者を勝ち取り(?)ました。4歳のときです。
あのパフォーマンスをやってのけた感覚や感性、直感は、中年になったいまでも私の大きな力となって日々、私を支えてくれています。
今日は、私の長年にわたるビジネスパーソン人生のなかから考えたり、まわりの印象深い人たちからみて思った、「たぶん、こういうことで印象が人に強く与えられるんだと思う。他人よりも頭ひとつぶん」ということについて5つ、書いてみます。
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1) ありきたりなことは言わない。
2) 「人との出会いも表現の場」
3) 心に残る言葉を一つ、二つは言う。
4) 相手を褒める。
5) 笑顔
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1) は、よくブログやTwitterなどでも言われますよね。反対意見が出るくらいの強烈な「私はこう思う」という明確な立場の表明や意見は、やっぱり印象が強いです。人をコケにしたり過激に攻撃したり差別したりするのではなく、挑発的かもしれなくとも孤高の立場で自分の意見を言う。
あるいはレトリックとして、反対意見や保守層の拒絶反応は計算済みで、Buzzりそうな表現をしてみたり、既成概念を覆すことや既得権益にたてつくような(?)ことを言ってみたりする。
あたりさわりのないことを言うかたはいっけん、優しい気質に見えるのですが、裏を返すとやっぱり、印象が薄い。立ち位置が見えないから。その他大勢に見えるから。
ある程度は感覚や直感、「天性の才能」などもあります。それゆえ、印象に残る表現方法は一朝一夕では身に付きませんが、たとえば相手の意見に対して「そうですよね」だけではなく、プラスアルファで賛同の意見や新しいアイデアを表現するという方法もあります。
それが新規性あっておもしろく、画期的なアイデアだったりすると、「このひと、頭いいな」と私などは刺激を受けて感動することすらありますね。
「印象付ける」とはなにも、攻撃的に反対意見をむやみやたらに言うことではなく、「自分」が攻撃されるかもしれない意見でもしっかりと立ち位置を表明したり、あるいは新規性あるクリエイティブなアイデアを言うことだと思います。
2) ビジネスパーソンの場合、目の前の相手にどう、自分を印象付けるかをつねに考える必要があります。たくさんのビジネスパーソンのなかから、「あなたからものを買いたい」と言ってもらえないと仕事にならない。
上記の私の体験がそうです。ご本人たちはいずれも気づいていないのですが、私は「あんなに何時間も一緒に二人だけでタスクをこなした人たちが、お互いへのマーキングをしっかりやっていなかったことのあらわれだわ」と感じました。
人との出会いも「表現」です。もちろん、一期一会(“Feel this precious moment”)なのですが、そんな精神論で説明せずとも、ビジネスの場では人との出会いは大切にしたい。お互いが対等に名乗りあって挨拶したりするような状況のときです。
3) 次のようなことを言われたら、私などは相手をしばらく忘れることはないと思います。実際に言われたこともあります。
「今日はお会いできることを楽しみにしてきました」
「持続可能性に特化した翻訳会社を20年近くにもわたって経営されてるんですね。ウエブページで拝見しました(事前に)」→ 相手がよほどの著名人や取引先でもないかぎり、事前に相手のことをしっかりと調べる、ということをする人は少数派です。
「あなたのことをちゃんと見てますよ」「あなたに興味を持ってますよ」「あなたとの出会いを大切にしてますよ」という信号をビジネスの場で送られると、人は相手に対して印象深く感じるようです。自分のほうが立場が下であればあるほど。
4) お世辞を言う必要はありません。少しでも、「あ、いいな」「素敵だな」と思ったことを口にしてみるということ。上記の私のエピソードでも、私はたしか相手のかたをなんどか褒めた記憶があります。というっても大仰なものではなく、「すごいですね」とか「さすがですね」とか。
5) 「笑顔」はやはり、なにものにも勝ります。笑顔は無意識のうちに出るものほど魅力的に見える。
英会話の習得と同じですよ。
「日々の反復練習が習慣化」します。
●強く印象付けるとなぜいいのか。
印象が薄くて何が悪い、という声が聞こえてきそうですが(笑)、ビジネスに限らず、相手に印象を残す、というのは人との出会いを実りあるものにする、ということにつながると思います。
ご縁があってお会いできた。その日一日かもしれないけれど、一生出会えないひとがたくさんいるなかで、その日に出会えた。
もちろん、だれかれかまわずに強く印象付ければいい、というわけではないです。よくわからない相手や自分が知り合ってもお互いにインスピレーションを与えられない出会いであれば時間がもったいない。そして、相手にも都合がある。
たとえば相手が著名な人であれば、やみくもに強い印象を残そうとしても迷惑がられるだけかもしれません。相手は見ず知らずの人から「自分の時間を奪われた」と思う可能性があるからです。
それでも、強い印象をもって覚えてもらえると、「知らない人」から「なんとなく知っている人」となっていきますよね。相手にとって立場が近い人であればあるほど。たとえば会社の社長からみた一般社員とか、大学の教授から見た自分の授業に出席している生徒とか。
そうすると、その出会いが双方にとって良い出会いであれば、関係性が次第に強くなっていく。
自分が「この人」と思う人には強い印象を与える。相手と関係性を深める可能性を得るために。上記の私の例のように、せっかくの出会いにもお互い、それを有益な実りあるものにしよう、という魂の近づきがなかったということ。
良い出会いは宝になります。お金では買えない宝。だから、相手に強い印象を残して、出会いの意義をよいものにしていくことが、あとから振り返ったときにものすごい価値あるものになっていることがあるのです。
私はそう強く信じています。実体験から。
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