リモートワーク(remote work)やノマドを実現させるために。実際の諸問題や解決策を考えてみます(小山ケイ)

上島のモーニング

今日は昨日の記事の続きで、「では実際にどのような方策によって、会社員のremote workを実現するか」について書いています。昨日は下の記事を書きました。



●よほどのことがないかぎり、「その場にいないといけない」仕事はわりと少ない。

横浜港

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その場にいないとしごとにならないものの一つに「通訳」があります。内部ではない外注の通訳であれば、国際会議場やどこかの企業に通訳さんは出向いて仕事をします。

保守メンテの仕事もそうです。取引先にクライアントの工場のメンテを請け負っているところがあるのですが、工場でなにか問題があると四六時中、連絡が入ります。そして社員のかたは現場へ出向きます。

そのほかには医療現場があります。

私があげたこれらのお仕事は、日本社会では一般的ではありません。専門性も高く、かかわっておられる人の割合もそれほど高くはありません。

だから、「日本社会にかかわるかたたち(もちろん、外国人・外国籍のかたも含めて)のリモートワークを実現させる」というテーマで考えると、上記以外の人達の実現可能性について考えればよいのですから、かなり高い確率だと思います。

横浜港

AIや通信技術・速度が発達・改善されていけば、上記のお仕事もremote workが可能になる可能性はあります。

少し前に、「BBCパパ(BBC Dad)」がYouTubeのviralで流行りましたよね。私も娘さんと息子さん(姉弟)のあまりの可愛さに何度も観返した動画です。あのアメリカ人教授がBBCに対して解説されていた場所はご自宅です。だから、プライベートな家族のシーンが偶発的に放映された。まるで放送事故のように。笑

部屋の様子。

大学教授でも自宅で仕事ができる。テレビ中継の仕事で。パロディで、「教授はあのとき、画面の下ではスラックスではなくステテコ(?)を履いていた」なんてのもありました。そういう時代になったのだとつくづく感じました。

(あの「事故」によって「アジア人に対する差別がある」というような問題提起も随所で起こりました。でも当のご夫婦(米国人と韓国人のご夫婦です。英語でinterracial coupleと言います)たちが、「あんまり難しいこと言わないで、とにかくあのシーンを楽しんで」とBBCの後日の取材に対しておっしゃってたので、私も彼らのご意思を尊重したいと思います)

★★★★★Quoting from the official YouTube video of BBC News’★★★★★

 

私が考える、「リモートワークを実現させる方法」は下記のとおりです。

1)「その場」にいないといけない、と思い込んでいるものがないか、洗いだす。たとえば、会議。a)先延ばしする。 b)通信機器を利用(テレビ会議)c)イントラやクラウド上でテキストと音声にてやりとり d)移動中に会える人間だけでカフェなどや会員制図書館・オフィスで打ち合わせ も可能な場合があります。

2) 「ずーたいがでかくなるほど動きづらい」。少人数のユニットにできないか検討する。働く単位が限りなく「個人」に近づくほど、remote work やnomad lifeの実現可能性は高まります。

3) 私生活の中に仕事場がある場合、「BBCパパ」のようなハプニングが起こる。物理的な線引き、環境の確保、精神的な線引きを考える。

4) セキュリティ、安全性、機密性について今一度、みなおす。それらがネックになって「持ち出し厳禁」で在宅やremote workの可能性に足かせをはめていないか?一般的に出回っているもので代替可能なものはないか。わざわざ「難しく」していないか?

いまはどうかわかりませんが、Googleが検索企業として脚光を浴びだした10年以上まえ、Gogleのサーバはごく一般的な安価なものをいくつもつなぎ合わせている、と聞いたことがあります。そんなことができないか?

あるいは、以前もこのブログで書いた、ZARAのビジネスモデルはとてもユニークです。縫製工場はスペイン国内の小さな村々にある、たくさんの「さんちゃん企業(家内工業)」。だから、それらにたとえ競合が近づいて情報を盗もうにも、あまりにも相手が小さすぎて、かつたくさんありすぎて、マネすることができないのだそうです。

コーヒーカップ

「ZARA」本体を見ているとまるで、スペインやイタリアあたりの一等地に、専属デザイナーも働いている大きな自社工場があるような気がしますよね。

相手が一般化、零細化、細分化、陳腐化、すればするほど、意外と安全性が高まるのかもしれない、と私はZARAのビジネスモデルを見て思いました。

 

●「移動」はコストである。

私は表立って「通訳」の看板を出していません。通訳さんには申し訳ないのですが、通訳先に出向く移動時間がとてももったいなく感じるからです。だから、コンサルや上記の会社のような保守の仕事もしません。いつ呼び出されるかわからないから。オンライン上で解決するならいざしらず。

私にとって「移動」はコストなのです。金銭的にだけではなく、精神的にも肉体的にも。

たとえば、通訳は取引先を含めて大勢の人間の中で仕事をするわけですから、ある程度のストレスを感じます。私が会社勤めをしていたときなど、ストレスだらけでした。そして通訳は移動があります。

会社員のかたと話していて不満を感じるのは、「移動はコストである」という考えが頭からすっこぬけている点です。だから、平気で人を呼びつける。「お車代」もなしに。笑 (もちろん私は出向いたりはしませんが・・・)

新宿の空

ご自身たちが月々、決まった金額が銀行口座に振り込まれるので、その感覚で人を呼びつるのだと思います。でも、たとえばフリーランスの人などは、仕事をもらわないかぎり、呼びつけられる時間も無償となってしまいます。

だから、私の知り合いのグラフィックデザイナーなどは、「おたくにこれだけ呼びつけられました。そしてこれだけ修正させられました。この分も請求します」と、段ボール箱いっぱいになった修正案を相手の目の前につきつけたそうです。

私も見積書を作るときは、「出向く必要がある場合」と「ない場合」に分けて提出するようにしています。移動はコストだからです。

「移動」がコストである、という考えに最初に立てば、コスト削減が「移動をいかに限りなくゼロにしていくか」ということにつながります。そして、remote workに向けて、具体的かつ実行可能な案がでてくるのではないでしょうか。

remote workやnomadの基本は「ネットや通信機器を利用して仕事」だと思います。これがまずボトルネックになるのかもしれませんね。「遅々として進まぬ」と言われる在宅ワークやremote workは。

さきほども海外企業からネットで依頼が来て、スキマ時間に楽しく仕事をしました。すべてネット上で完結してしまいました。相手の顔は知りません。機密性が高いのでカフェでさくっと、というわけにはいきませんが。

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