今日の記事では、
長年、英語の翻訳者として仕事をしている私が思う、英作文のコツについて書いています。
● Be動詞の使用はできるだけ避けよ。
●Be動詞の使用を避けると、語彙が広がる。
このカテゴリー「英語(潜在意識を味方につけて)」では前回、下の記事を書きました。
●米国大学で受けた英作文の授業より。「Be動詞は極力さけよ」
私のプロフィールページにもかいてあるとおり、私は青学から単位をもって、青学が交換留学制度を有している米国オレゴン州のオレゴン大学へ編入学してDouble-major(2つの学部から同時に)で卒業しました。
米国大学では「英作文Writing」のクラスが卒業要件のひとつとして必修です。
そのときにたくさん、英作文のコツを習いました。そのコツがいま、英語の翻訳者として英文を作成するときに多いに役立っているわけですが、ひとつは、「できるだけbe動詞は使わないほうがいい」というものです。
どういうことか。
たとえば「彼は成功している」という日本語を英語にするとしましょう。
多くの日本のひとが英訳するのは、
“He is successful.”
だと思います。
実際、学校で使う教科書もBe動詞オンパレードで、上記のような文章がところせまし(?)と並んでいます。
でも、この文章は下の文に置き換えられます。
“He succeeds.”
これも、日本語訳すると「彼は成功しています」となります。
どんなふうに違うのでしょう。
“He is successful.”
と聞くと、なんとなく、彼はなんにも努力してないけれど、成功のほうから勝手にやってきてくれた、彼は「状態」として成功しているのであって、何も行動していない、などなど、というような「静的」な印象を受けます。
いっぽう、
“He succeeds.”
と聞くと、彼はたゆまぬ努力を重ねた結果、自らの力で成功を勝ち取った、と言っているような「動的」な印象を私は受けます。
これは思うに、米国の文化が色濃く反映されているようにも感じられます。移民の国として、なにもないところからそれぞれが当事者意識をもって行動することで、それぞれの望むものを自ら勝ち取っていく。
英国からの独立、
民主主義、
公民権運動、
「自由」、
すべてそうです。
日本は古くからの伝統や家柄などが重んじられるせいか、自ら動いて何かを勝ち取っていくような人に共感を寄せるよりも、もって生まれた「状態」のほうを重んじるようなところがあります。
★きれいに生まれた。スタイルよく生まれた。そしてスカウトされて、人気女優になる。大学の芸術学部や演劇学部を卒業して 米国の大学院へ演劇の修士号を取りに行って 努力して「女優」となるようなひとよりも。
★だれそれさんは二世、三世芸能人。だから、注目される(マスコミがとりあげる)。 (お父さんお母さん、おじいさんおばあさんが著名人というおうちにもともと生まれたから)
など。
米国でこういう著名人、まったくいなくはないけれど、割合としてはそれほど多くはない。
Be動詞って、読んだり聞いたりしていると、その文章から「動き」や「行動」が見えないし、どこか「ぴたっ」と流れが止まっているような気がしてくる。
I am happy.
He is rich.
It is fine today.
etcetc.,
英語圏は米国ばかりではありませんが、正規の授業として英作文がある国の人たちを英語の文章で説得させたり、世界第1位の経済大国のビジネスパーソンたちが上司となったり、取り引きしたりするとき、より力強く、動きのある文章でアピールする必要性もでてくるでしょう。
英作文として。
それはメールという手段かもしれないし、パワポを使ったプレゼンかもしれない。あるいは企画書、という可能性もある。いくら「5Gで動画の時代です!」って言われたって、会社の資料がすべて動画になるわけじゃない。
国連のような公的な組織では英語は英国英語が主体と言われていますが、ビジネスの世界ではやっぱり米国英語が幅を利かせています。
ビジネスパーソンが「静的に」静かに座って仕事をしている、ということはあまりありません。つねに動く。営業したり、プレゼンしたり、セミナーを開催したり、交渉しにいったり、接客、なんてこともあったりするでしょう。
Get the ball rolling.
なので、使う英語の動詞も、私はbe動詞以外をおすすめしたいです。
(とくに米国英語は、スポーツや軍隊から派生したような言葉がよく使われますよ。Strategyだってそう。Operationも。上記のGet the ball rollingも!)
●そしてもうひとつ。Be動詞をさけると、語彙が広がる(広げざるをえない)。
Be動詞の使用を避けたとき、じゃぁどうする?となると、かわりの表現方法を探さなくてはなりません。つまり、動詞の語彙を増やさざるを得ない。
それによって相手の知性を推し量るという意味でも、英語ネイティブにはBe動詞以外が好まれるじゃないかと思います。
He is successful.
ならteenagerでも書けそうですが、
He has achieved his goal.
He always comprehends what he needs.
He has accomplished the role taking advantage of his gifted talent.
あたりになってくると大学教育以上の英作文クラスや独学でも本や新聞、専門誌などを日々、丁寧に読みこんでいないと出てこないと思います。ネイティブでも。
I am happy.→ I enjoy the moment God (or universe/the Creator) gives me.
It was difficult→ I thought that the task challenged me.
なので、今日お伝えする「英作文のコツ」のもうひとつは、「語彙をひろげる。ほかの表現方法を考えてみる」ということです。
まずは、be + 形容詞で表現されるものを動詞ひとつの単語で表せないか、それを普段から調べてリストアップして、覚えてみるとよいと思います。
【余談】
わたしがこれまでの人生のなかで、語彙の豊富さに驚かされたネイティブはBob SappとMadonnaです。笑
Madonnaの地頭の良さや努力家&読書家なのはよく知られているのでおいとくとして、Bob Sappの言葉の表現力には深い知性を感じましたね。
“英作文のコツ。Be動詞はできるだけ避けよう。” への7件の返信
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