知ってましたか?
専門性の高い分野ほど、
専門用語って
わりと繰り返し使われることが多いんですよ。
「ひな型」もありますし。
「こんな専門性の高い分野で、
英語にかかわるのは不安がある」というビジネスパーソンのかた。
「いえ、専門性が高いからこそ、ぜひ英語を道具にグローバルなご活躍を!」
とエールの気持ちも込めて「専門性の高いビジネスと英語」
について書いてみようと思います。
【結論】
専門性の高い英語は、
繰り返し使われるので慣れてしまえばよい。
昨日は下の記事を書きました。
●専門性の高いビジネスほど、同じ英語が何度も使われる。だから、慣れてしまえばよい。
【具体策】
1) 仕事の英文文書をとにかく読み漁る。
2) 繰り返し使われる言葉を書きだす。
3) 可能であれば、英文文書は辞書を使わず速読で。
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昨今、日本企業であっても上司や同僚、部下、取引先や株主まで外国人であったり、あるいは「社内では英語を公用語とします」という企業があったりで、「英語」はビジネスシーンから切っても切りはなせない言語になっています。
翻訳の仕事をしていて、法律関係や建築関係の案件もあります、とお話しすると、相手のかたが「すごい難しそうですね!」と驚かれることがあります。
でも、私の経験から実感しているのは、専門性の高い分野ほど繰り返し使われる英語が決まっている、ということです。
米国大学で授業を受講しているときもそう感じました。
テレビドラマのSituation ComedyやTalk showなどは、聴いているとJokeやスラングわからないことが多かったのですが、授業は以前ブログで書いた「テープ起こし」をあきらめずにコツコツと行っていると、次第に理解できるようになります。
繰り返し使われる用語があるからです。
たとえば、法律用語だと「third party」とか「hereinafter referred to 」とか「or/and」「above-mentioned」なんて言葉がなんどもなんども出てきます。
これまたお伝えしたように、略して書かないところや(should not/ have not/they are, など)受動態が多い点も特徴的です。
だから、専門性の高い分野の英語ほど、慣れるに限る、というのが私の結論です。
よって、具体策の1)として、「とにかく仕事でかかわる英文文書はひたすら読み込む」ということがあげられます。
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次に具体策2)として、読み込むうちに、何度も使われる言葉がわかってきますから、それをExcelなどに書き出して、専用の辞書を作ってしまいます。
デジタルに強いかたはご自分専用のソフトを開発できるかもしれませんが、私のようなアナログな人間は、Excelをアルファベットやあいうえおのページにそれぞれ分けて、そこへリピートされる言葉をそれぞれ書き込んでいきます。
“hereinafter referred to “であれば、H ではじまるので H のページというように。
そして、意味を右側の欄に記しておきます。
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契約書のような、「Please read carefully」なんて、先方から注意書きがついているような重要文書はなかなかできないかもしれませんが、具体策3) としては、可能であれば英文文書は辞書を使わずにとにかく速読することをおすすめします。
やってみるとお分かりになると思いますが、数をこなすごとに次第に、ひな型や決まった言い回しのパターンなどが「感覚」として見えてきます。
そうなると、集中力がでてきて思考に流れができ、創造的な考えが浮かぶこともありますし、辞書を使う手間と時間も省けます。
●日本語から英語にするときも同じ。作った自分仕様の辞書を使ってみましょう。
上記の 具体策2) で、ご自分専用、あるいは会社や部署専用の用語集をおつくりになられたと思います。
それは、日本語から英語に翻訳するときにも利用できます。
少し時間はかかりますが、2) の作業のときに、できうるかぎり、その日本語訳をたくさん調べて、「あかさたな~」あるいは「あいうえお」のそれぞれのページに載せていきます。
たとえば、「hereinafter referred to 」
「以下~」という日本語にしたのであれば、「い」のページに「以下」と書いて、対訳の箇所に「hereinafter referred to」と記します。
私はこの方法で翻訳していますが、ご自身でやりやすい方法があると思いますので、利便性の高いやりかたで英訳のための用語集も2)のときに同時並行で作成してみてください。
地道な作業ではありますが、機械翻訳では補えない、微妙なニュアンス(「ゆらぎ」)や人間らしい、配慮ある言い回しの英訳などができるようになります。
想像してみてください。
1年目はそれほどたいした量にはならないかもしれませんが、これを5年、10年と続けていったら・・・
企業秘密に匹敵する、すごい財産・資産ができあがりますよ(笑)。
弊社も長年の経験から地道に作ったコーパスは門外不出、秘伝の味です(大笑)。
なにしろ、15年やってますから・・・。
ここでも、「こつこつ」が生きてきます。
●高い専門性を有する分野ほど、同じ英語が繰り返し使われる理由について考えてみました。
学術分野もビジネスの法律分野も、古くからある文献を利用したり「スキのない文書」が好まれます。
だから、同じ言いまわしが何度も現れるのだと思います。
耳慣れない英語をたくさん利用したり、あるいは造語を利用したりすると読み手の自由な解釈が可能になります。
芸術分野ならいざしらず、たとえば契約書が自由に解釈されては不利益を被ることもあるかもしれませんし、学術分野であれば研究として認められない、なんてこともでてくるかもしれません。
先行研究やすでに先人が発表している理論をもとに研究を進めることもあるからです。
Journalに論文を発表するのであれば、厳格なひな型にそった英文を作らなければ論文として受け付けてもらえません。
●まとめ
一見すると専門性のたかい分野の英文はとても難しいと思われるかもしれませんが、お話した「具体策」を実践し、なおかつ英語発信も行えるようになると、大きなグローバルビジネスにつながる可能性が広がっています。
具体策をもう一度、お伝えします。
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【具体策】
1) 仕事の英文文書をとにかく読み漁る。
2) 繰り返し使われる言葉を書きだす。
3) 可能であれば、英文文書は辞書を使わず速読で。
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世界を相手にした、実り多いビジネスをお祈りしております。