今日の記事では、年内に全店閉店が決まったセシルマクビー(ブランド)とブランド展開してきた株式会社イマジネーションについて書いています。
<もくじ>
●セシルマクビー(CECIL McBEE) 全店閉店
●株式会社ジャパンイマジネーション (Japan Imagination Co., Ltd.)
このブログ「小山ケイ:Feel this precious moment」はいくつかのカテゴリーに分かれています。今日は「企業分析」のカテゴリーで書きました。昨日書いた記事は下からごらんになれます。
●セシルマクビー(CECIL McBEE) 全店閉店
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株式会社ジャパンイマジネーション(設立1957年。創業は1946年)が1987年に打ち出したブランド、「セシルマクビー」が年内をめどにその43店舗のすべてを閉店するのだそうです。
思えば、私とセシルマクビーの出会いはおそらく、ブランド打ち出しの1987年ごろ。
服が大好きだった私は、百貨店や駅ビルのファッション店によく出入りしていました。ウインドウショッピングも兼ねて。
あるときふらっと立ち寄ったルミネにあったお店。
値段も手ごろで、それでいてフォーマルとキュートの境目のような印象で、どこにでも着ていけそう、とほぼ衝動買いしました。
店員さんから渡された大きなショップバッグには「CECIL McBEE」の文字。
そして、出るときに店先の壁に目を転じると、そこにも「CECIL McBEE」の大きな文字が。
「外国ブランドなのかな」
アイルランド系の人間が作ったのかと思われるようなブランド名もキャッチーで覚えやすかった。笑 (Mcと名字に着く人はアイルランド系です)
[CECILl(セシル)」もなんとなく耳慣れた人名みたいですよね。
その後、セシルマクビーを利用する機会が減って、なんとなく存在を忘れてしまっていたのですが、あるときから街中で「CECIL McBEE」の大きなブランド名が印刷されたショップバッグを肩に下げた若い女の子たちがすごく増えた。
それも当時「コギャル」なんて呼ばれた(懐かしいですね。笑)ファッション感度の高そうな女の子たち。
まるで、ヨーロッパの高級ブランドのショップバッグかと思えるほど、意気揚々とかついで闊歩している。
それからほどなくして、テレビや雑誌からの情報で「
人気ブランドとなってから調べてみて、セシルマクビーが外国ブランドではなく日本企業のものであるということを私がようやく知ったのもこのころです(サマンサタバサみたいですよね)
通称「マルキュー(「渋谷109」→東急系列です。トー、
コギャル=渋谷のイメージとともに。
文化・ファッションの街・渋谷でファッションを発信するブランド「セシルマクビー」。
財布などの小物はライセンス契約することもあるとのこと。移り変わりの激しいアパレル業界で34年間、しかも激戦区の渋谷をまさに「闊歩」していた。
よくやったな、と思います。勇退ですね。
●株式会社ジャパンイマジネーション (Japan Imagination Co., Ltd. )
設立:1957年
非上場
資本金:6100万円 (ジャニーズ事務所の6倍。笑)
本社:東京都渋谷区代々木1-11-2 代々木コミュニティビル4階(5階)
地図をみるとアパレル集積地であり「ファッションのメッカ」、千駄ヶ谷のすぐ近くですね。
若者の街、世界の原宿 (Harajuku)とは目と鼻の先。
代表取締役会長兼社長:木村達央氏
年間売上:12,112百万円)2020年2月期)
一時代を築いたCECIL McBEEブランドを抱えているとはいえ、利幅の大きな高級ブランドがあるわけではなく、顧客層も若者中心で、手ごろな価格帯の製品であるがゆえに売上高はそれほど大きくはない印象です(いわゆる3ケタ。しかも1ケタめは1)。
けれど。
私がこのブログで何度か書いているように、売上高は企業の優良性を分析するベンチマークにはほとんどなりえません。
とくにアパレルをはじめとする小売の場合、仕入れ価格に対していくらで売るのかが重要です。その差額が利益となっていくから(もちろん、そこから経費を差し引いていくわけですが)。
その率(かけ率)は、ほぼ社外秘。笑
CECIL McBEEはどうだったかわかりませんが、現場の販売員さんたちもおひとりおひとりがその「率」を把握するようにすると、販売に対するモチベーションが違ってくるでしょうね。
「かけ率が高い商品はどれか」
「どれを売ると自分たちのお給料分(そのほか)がたくさん残るか」
販売価格の高い商品が必ずしもかけ率が高いわけではない。価格が低くても仕入れのロット数が増えれば問屋が割引率を上げてくれることもある。
定番商品であれば売上原価は低くなりやすい。
さらに。
プロパーで売れる率が高ければ高いほど、当然ながら利益は残る。
社員数:680人(2020年2月末日現在)
この社員数で資本金が1億円以内に収められているのは節税対策が上手な企業じゃないか、と思います。
日経をはじめとする記事を読む限りでは、木村会長いわく「倒産ではない」としています。
実店舗の現場ではアルバイトのかたも多いはずです(おそらく、店長以外はほぼアルバイト?)。
大きな固定費になりやすい正社員や契約社員とあわせて、アパレル小売の常である流動性あるアルバイトのかたも「人材」として同社の事業をささえているはずなので、コロナ禍で売上は減少したとしてもたしかに、倒産にはいたらないと思います。
けれど、セシルマクビーの実店舗はほとんど一等地。そして、駅ビルのような交通の便が良い場所に出店されています。
渋谷の一等地であるマルキューに出店するなど、ブランド戦略を巧みに利用していたとも言えます。
損益計算書の中で大きく占めてるのは社員給与以上に不動産賃料じゃないかな、と思ったり(非上場企業なので財務諸表は公開されておらず。私の推測ですが)。
アパレルの売上は当然ながら流行にも左右されます。
若者ファッションの代名詞、のようなブランド戦略をとっていたこともあるので、セシルマクビーブランドは流行にもかなりの影響を受けていたとも言えます。
間違ってもロングテールではない。まったくもって。
つまり、それだけ在庫を抱えるリスクがあるということ。売れ残ってしまったら転売はきかないし、翌年の同じ季節に再販(キャリー品)するわけにはいかない。
だからこそ、流行に左右されない「財布」のような小物は今後も生き残れる道があるのだと思います。
大切に育てられてきた、「セシルマクビー」のブランドとして。
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これらの細かい数字や住所などは、ジャパンイマジネーション社の公式サイト(http://www.j-im.jp/company/)を利用させていただきました。
いち利用者(かなーりの大昔だけれど。笑)として、ジャパンイマジネーション様の今後のご活躍を見守っていきたいと思います。
小山ケイ@もとギャル
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