頭ひとつ出るビジネスパーソンになるには「ビジネス書(実用書)は読むな」。笑 一流になるために。

Q) 社会人となって20年が経ちました。おすすめのビジネス書は?

A) 社会人30年目の私から(笑)。「本はもう十分読まれたのではないですか?次のステップへ進まれるとよいと思いますよ。4つ、ご紹介します」

昨日は下の記事を書きました。

ビジネスで人より頭ひとつでたかったら、「ビジネス書は読むな」。体験からお話します。

浜松町のビル

 

またもや刺激的なタイトルでスミマセン。一冊も読んだことのない新卒ではなく、社会人となってからある程度たっているかたに向けて書いています。

本を読むことをもちろん否定はしません。私も若いころから活字中毒で暇を見つけては読書に明け暮れてきました。私の高校時代の愛読書は、社会学者の中根千絵先生の「タテ社会の力学」や心理学者の土居建夫先生の「甘えの構造」です。私は高校生のときに、社会科学系のアカデミックな本が大好きで読み漁っていました。

浜松町

その私が、「ある年齢に達したビジネスパーソンは、読書、とくにビジネス書を生活の中心におくよりも、さらにするといいことがある」とお伝えしたいと思います。

 

理由は2つあります。

ひとつは、本を読むとウンチク家になりやすいから。

これまでそういうかたに何人であったかわかりません。聞かされるほうはたまったもんじゃない。

本を読んで、「へぇ!なるほど!」と思うと、どうしてもそれを知識として他人に言ってみたくなるんでしょうね。それを人に言うのではなく独りで温めて、ご自身の新しいビジネスに生かして起業する、というひとはほんとうに一握り。

 

もうひとつは、頭でっかちになりやすいことです。

頭の中で完結してしまって行動することを忘れたり、体を動かさなかったり、人間が持つ直感や感覚、感情をどこか軽んじたりする。

金太郎飴になりやすいのです。判で押したような発想。

コーヒーとTIME Magazine

ネットの世界では信じられないことですが、会社員ばかりがくるビジネススクールなど、「SEO対策」とか「アフィリエイト」などと言ってもぴんとこない人がほとんどです。

発想や興味が画一化されているのだと思いますね。

だから、ビジネスパーソンが新規性ある視点や発想力を養う、という点ではビジネス書はあまりおすすめしません。

「ビジョナリーカンパニー」やドラッガー先生の本などは良書だと思います。マーケであればコトラーとか。

ようするに、「永遠に読み継がれるであろうビジネス書」。宗教の世界で言えば「聖書」と同じです。

文字通りバイブル。

横浜港

私が読書、とくにビジネス書をお勧めしたい職種のかたは、俳優さんやミュージシャンなど、表現活動をされているかたがたです。分野がまったく違うから、ものすごく「目からうろこ」になりやすいのです。その逆がビジネスパーソンということ。

あるいは未成年の学生さんにもおすすめしたい。「自分」の売りこみ方とか、将来会社を作る可能性を考える楽しみが広がりますので。高校生の時の私がわくわくしながら、社会学や心理学の本をむさぼるようにして読んだように。

男性ビジネスパーソンに多い話題の例)

坂本龍馬、明治維新、三国志、将棋(戦略)、そば、寿司、日本酒、ワイン。

きっとご自身を重ねちゃうんでしょうね。「よし、オレが日本を変えてやる!」と。

(いや、おたくに変えられるほど日本はちゃちな国じゃないです。人口の約半数の切り札=女、を完全に無視してるしね、この手のドリーマーって)← ← ←(自分がインフルエンサーとはいいたがるが、世界的なインフルエンサーのこんまりさんのこと取り上げる人間はほとんどいない。オノ・ヨーコさんのことなんて完全に忘れてる)

申し訳ないのですが、上記の坂本坂本龍馬から続く例は、私にはほとんどヒットしないキーワードです。

●私がお勧めしたい、「ビジネスパーソンが頭ひとつ出るためにやるとよいこと。たくさんの点をつくる。Steve Jobsが言ったように」

銀座のまち
Apple stoer in Ginza, Tokyo

1) 読んだ本と同じ数だけ、音楽を聴く。

2) 自分と立場・性別の違う人間を友にせよ。

3) Jobsを信望するならカリグラフィーを習ってみよ(たとえとして)。

4) 歴史書もいいが、「昔の」音楽を聴き「昔の」映画もみてみよ。

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1) は「音楽」のところを「映画・動画」としてもいいと思います。

私が普段、日本にいて、「いやぁ、さみしいなぁ」と思うのは、たとえばカフェの有線から流れてきたり、デパートやレストランのBGMで流れてきたりするJazzやクラシック、ロックの曲を耳にしたとき、「あ、これ●●だよね」と言い合える知り合いがあまりにも少ないことです。

私が特殊な芸能界という世界にでもいたらちがったのでしょうが、私は芸能人ではありません。

4) にも通じますが、先日も某カフェにてフリートウッドマック((Fleetwood Mac) の「Don’t Stop」がかかってました。でも、「これフリートウッドマックだよね」と通じるひとがまわりにいない。この曲は米国民主党のテーマ曲としても何度か使われている曲。バンドは英国バンドですが。

ヒットした世代は私よりひとまわりくらい上です。

*追記:TikTokのBGMで使われたそうで、かれらの「ドリームス」が若者の間で再燃している、とのこと (2020年12月27日現在)。ヒットしたのは1970年代。おもしろいですねー。

 

★★★★★Quoting from the official YouTube video of Fleetwood Mac’s ★★★★★

読書はもちろんいいもんですし、私もひとと話をしていて、「あ。このひとあんまり本、読んでないな」とすぐにわかるのもいます。

たしかに、いろいろなかたがおっしゃるように、読書は教養や見識を高めてくれることがあるのかもしれない。

けれど、読書はわりとしている人が多いことも事実です。ビジネスパーソンのなかでは。

だから、一億総サラリーマンのビジネスパーソン社会では、「頭ひとつでる」ためには読書+αで、1)の「音楽(映画・動画・表現の世界)」に触れる、それも4)の「昔の」をすると、さらに多重構造となってご自身を唯一無二の存在にしあげてくれます。

音楽や映画、それも昔のものがいい理由は、新たな視点を与えてくれることです。温故知新でしょうか。

東銀座の歌舞伎座

2) も1)や4)に通じますが、自分と立場の違う、しかも性別の違う友人というのは、かなり新しい視点を与えてくれます。大きな刺激ですね。

たとえば上記の、「男性ビジネスパーソンがよくする話題」は、私のまわりの女性たちのなかでそれほど取り上げられません。

それよりも、彼女たちからよく聞く話や最近聞いた話は以下のようなことです。

 

★どこどこのなにかにがおいしかった

★いま発売されているなになにというデザートがおいしい。

Jazzミュージシャンのだれそれがすごくいい。

東方神起のライブに行った。

★ネットのQ10でコスパいいジャケットが買えた。

ラムネは脳を活性化してくれるらしい。東大生に人気。

糖質カットするとお肌(顔の)にいいらしい。

 

こうした話題を見て、「かなりおもしろい」と思われた方がおられたらぜひ、異性の、年齢も違う、職業も違う友だちをつくられると、ご自身の仕事にプラスとなる可能性があります。

日本のかわいい道路工事標識

3) Jobs信望者が多いのはもちろん、知ってます。

でもこれまで、いちどたりとて、「オレ、Jobsに心底惚れこんでるから、Jobsと同じくカリグラフィー習ってみたよ」というビジネスパーソンにお目にかかったことは私、ありません。大笑

Apple社の分析とかJobsの発想の特徴とかについては、わりとむずかしい理屈をこねくりまわすかたはたくさんおられます。

私が言いたいことはそういうことです。

Jobsに憧れてカリグラフィーを習うという行動をとれる人は、いっけん単細胞に見えるかもしれませんが(スマソ)、取らない人が圧倒的に多いなかで頭ひとつでる可能性がある、ということ。

銀座のApple Store

「User-orientedでCoolなAppleを作ったJobsが若いころに習ったカリグラフィーって、どういうものなんだろう」という好奇心と想像力を大切にして。

Jobsはカリグラフィーを習ったことによって、頭ひとつどころか、いくつ出たかわからないほど、新規性あり、なおかつ世界規模のビジネスを成功させたわけですよね。

ご自身でもそう言ってる。

「Macを独創的にしている字体は自分が習ったカリグラフィーの経験が生きた」と。

4) の「歴史書」ですが、経営者のかたがわりと好んで読まれることは私も知っています。

でも、読まれた本の話をお聞きしていて偏った印象を受けることがあります。明治から昭和の戦前にかけての話とか中国の戦国時代の話とか。

「いくさ系」が多いのです。

文楽のポスターBunraku

ビジネスもいくさだ、と言われれば確かにそうだ、と私もひとりのビジネスパーソンとして思いますが、みながみな、同じ歴史書を読んでいたとしたら、同じ戦術で攻めてくる、ということになりますよね。笑 

「こっちが有利だ!」と右に行ったら敵も右に来ていたとか。

 

私が敬愛する歴史上の人物は、葛飾北斎翁です。でも、これまで経営者のかたで「葛飾北斎を敬愛している」というかたにはおめにかかったことがない。芸能関係のかたにはおられますが。

浮世絵の大家となってからも自分のことを「画狂老人」と呼んで自分をコケにする執着心のなさ。

「絵が好きで好きでたまらねぇぜぃ」と言いながら、オランダ人が来たと知れば、長崎まで出向いて新しい顔料や西洋画の「構図」を一生懸命勉強する。

画家としての自分の好奇心と興味をいつまでも大切にして探求心を失わない。

たくさんたくさん練習もして。

だからあの時代で89歳まで元気に活躍された。なんともチャーミングで魅力的な人で、私はあの時代に生きていたらきっと弟子入りしただろうな、と思います。

先生として、目上の人として、そして「人をひきつけてやまないトップ」として、私には最高の歴史上のロールモデルです。

北斎翁から学ぶ、「経営の秘訣」は、こんなことです。いくさ系の歴史書ではあまりお目にかからない「戦術」だと思います。

★プロとしての自分の好奇心や興味を大切にする。

行動する。

★大家であっても、練習を怠らない。

★他の画家や海外アーティストからも貪欲に教えを乞う。

独自性や新規性をつねに意識する。

その姿を社会に見せる。それによって下(弟子)がついてくる。

★自分の専門性や才能をつねに「疑う」

(危機感につながり、行動する原動力となります)