【おすすめ映画】バグダッド・カフェ(1987年西ドイツ)(Baghdad Cafe)

今日の記事は、
1987年西ドイツの映画「バグダッドカフェ」
について書いています。
●バグダッド・カフェ(Baghdad Cafe)
●「バグダッド・カフェ」の魅力
●「コーリング・ユー (Calling You)」



●バグダッド・カフェ(Baghdad Cafe)

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いまでこそミニシアター系の映画は

たくさんありますが、

その礎を築いた映画が

「バクダッド・カフェ」といわれています。

日本では1989年に公開されて大ヒットしました。

西ドイツ(当時)から

夫とともにアメリカへ旅行にきていたヤスミンは

ラスヴェガスに近いモハーヴェ砂漠のまっただなかで

夫と喧嘩をし、怒りのあまりに

車から立ち降りて別行動をとることになります。

ここからが物語のはじまり。

ふらっと立ち寄ったのが、

すたれた雰囲気のカフェ、

その名も「バクダッド・カフェ」。

アメリカ西海岸にあるのに、

「サクラメント・カフェ」でも、

「マリブ・カフェ」でも、

「サンタモニタ・カフェ」でもない。

そして経営している主人は、

イラクの人でも中東系の人でもなく、

アフリカ系アメリカ人女性のブレンダ。

公開時のポスターは、

チロリアンハットをかぶった

スーツ姿でヒールを履いたヤスミンが、

高く設置されたまっ黄色な水上タンクの側面を

同じ高さの脚立に腰かけて、

長い柄付きブラシでこすっている写真

が写っています。

そして右側の真っ青な空が写った

空いたスペースに、

赤い文字で映画のタイトル

「Baghdad Cafe」と

書かれています。

みごとなグラフィックデザインです。

これだけで、

「この映画、観てみたい!」

と思わせてくれました。

いま見ても、

私を含めた多くの人たちが

この映画のとりこになったのは

納得がいきます。

●「バグダッド・カフェ」の魅力

まずは「アンバランス」ともいえる、

不思議な対比。

ポスターしかり。

ごつい砂漠の中の水上タンクを

しっかり正装したヒールの、

女性(ヤスミン)が

ごしごしとこすっている。

そしてヤスミンのふくよかな体系。

専門トレーナーがついてがっつり痩せた

スーパーモデルや女優が活躍していた時代です

(一部、社会問題にもなりました)。

主役が一般女性以上にふくよかな体型をした女優さん、

というのも、私にはとても珍しく映りました。

その他、

アメリカの砂漠に ドイツのチロリアンハット、

べらべらと英語(米語)をまくし立てる カフェの女主人ブレンダと

あまり言葉も発せずに

(ドイツ語が通じない、 ということもあるのでしょう)

おとなしくしているヤスミン、 という女性ふたり、

荒涼とした砂漠の映像をバックに流れる、

ゼベッタ・スティール(Zwvetta Steele)の

水分をたっぷり含んだ 艶やかでのびやかな歌声による

主題歌「Calling You」 などなど。

カメラワークや色使い、 小道具の使い方も、

とにかく面白い。

携帯用魔法瓶に入ったコーヒーとか

地面に斜めに設置したカメラに映る

キャディラックの タイヤとか、

地上に設置された 大きなタンクとか。

そういえば、 この魔法瓶が

なにやら不思議な動きをしていた 記憶が・・・。

この映画によって、 アメリカンコーヒーがやたら

薄いんだ、ということを私は知りました(笑)。

いまの私のコーヒー人生へと導いてくれた ひとつの映画、

と言えるかもしれません。

劇中のどのコーヒーも、 なんだかおいしそうでした。

時代劇にでてくる町中の素うどんが

むちゃくちゃおいしそうに見えるのと同じく。

魅力的な映画には不可欠の

魅力的で芝居のうまい役者さんたちも

バグダッドカフェには健在です。

主人公のヤスミン役には、 この数年後の1992年、

ヴェネチア国際映画祭で別の映画で

最優秀女優賞を受賞している ドイツ女優

マリアンネ・ゼーゲブレヒト、

西部劇ファンにはなつかしい、

アメリカ俳優のジャック・ポラン、 そして、

ヤスミンと次第に心を通わせていく

カフェのオーナーで、

気丈でとんがった肝っ玉ママ・ブレンダ役には

アフリカ系女優CCHパウンダー。

私の大好きな女優さんのひとりです。

CCHは幼いころに英国で育ったため、

普段話す英語は英国英語なのだそう。

それを聴く人によっては、

「わざと気取ってる」と誤解するときもある、

と私が留学中に読んだ雑誌の インタビュー記事で

CCHは言っていましたね。

反対に、アフリカ系の人たちのなかには

「アメリカのアフリカ系のくせに

英国英語のアクセントなんて、白人きどり」

だと受け止める人もいるのだとか。

いやぁ大変だ。

アメリカで、しかもアフリカ系の人に対する

ステレオタイプって、どの人種の人にもあるんだ、

ってことを このCCHパウンダーの

インタビュー記事を読んだときに思いました。

現在までに、

テレビドラマのゲストやレギュラーでの出演も

多数あります。

ほがらかながら、

おとなしく控えめな 雰囲気のドイツ人ヤスミンと、

気丈ではっきりとした性格のアメリカ人ブレンダの

女の友情を軸にした物語。

何度観ても、 心が柔らかくて暖かいエネルギーで

満たされるような映画です。

映画ファン、とくに、女性たちにお勧めしたいですね。

それも、あらゆる世代の女性たち。

●「コーリング・ユー (Calling You)」

ハスキーでのびやかな声の

ゼベッタ・スティールによる

テーマ曲。

歌詞の「I (ai)」

と歌う部分は楽曲中でいちばん高音で、

2小節にまたがりますが、

そのまぁ、のびやかなこと。

共鳴版のある

高い吹き抜けの広い空間を

どこまでも高く、遠く、

声が反響しながら伸びていく。

そんな映像が浮かんでくるような、

ゼベッタ・スティールの

高音の安定性と広がりは、

映画のさらなる魅力となって、

話題となりました。

カバー曲もたくさん出たのですが、

このサビの部分ののびやかさで

そのシンガーがうまいか下手か、

私なんかはジャッジしちゃいます。


★★★★★映画のサントラではなく、Christian Falk氏のOfficial siteでZevetta Steeleがフィーチャリングされていたので。若いころより少し声量は落ちていますが、ハスキーな渋さは変わりません。Quoting from Warner Bros Sweden official YouTuve site★★★★★

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