昨今、いたるところで耳にする「地頭(じあたま)」について今日は書いています。
●私が「地頭」という言葉をはじめて耳にしたのは、いまから15年ほどまえ。
●ビジネスパーソンが地頭力を有することで得る利点。【9つ】
●私が「地頭(じあたま)」という言葉を耳にしたのは、いまから15年くらいまえ。
昨今、「地頭」という言葉をよく耳にします。私がいちばん最初にこの言葉を聞いたのはたぶん、15年くらいまえだと思います。
当時、ある大学教授が主催する私塾に通っていたのですが、そのときに教授が「だれそれは地頭がいい」と言ったのをきいて、「頭がいい」ではなく「地頭」というところに妙に納得したのでした。
10代のころから私がずっと感じていた違和感は、日本語の「頭がいい」という言葉が、「偏差値のすごく高い、超難関の有名大学に受験で合格した」という意味だということです。その違和感を「地頭」という言葉が肯定してくれたような気がした。
いまでは「地頭の良さ」について、論理的に研究しているかたもおられて、「地頭の良さ」があらためて脚光をあびてるのかな、と感じます。
この間も、Newspikcsで「よく読まれている記事」として、東洋経済オンラインの記事が取り上げられていました。読んでる方は働き盛りの男性ビジネスパーソンでしょうか。
系統立てられた「地頭研究」は専門家のかたにおまかせするとして、今日は私が初めて「地頭」という言葉を耳にした15年もまえの新鮮な気持ちを思い出しながら、書いてみたいと思います。
*************************
<「なぜ?」を正確につねに伝えられる。>
「なぜ」を伝えずに、あれやってこれやってを連発する私のかつての上司については以前、ブログで書きました。
「なぜ?」がつたえられるということは、次の4つの能力があるからです。
1ものごとを俯瞰してみられる。
2他者に言葉で伝えられる。
3相手にイタコできる(相手は「なぜ」を知りたいということがわかっている。相手のわかっていないことを相手の目線に「乗り移って」言語化できる。映画「ゴースト」のウーピーゴールドバーグ状態。
4数学に基づいた論理性を有している。
***************************************
<「感情」に根差した言葉を自然に発することができる。>
男性に多いのがうんちくや分析がしょっぱなに口をついてくる人。そうではなくて、感情に根差したシンプルな言葉を発することができる人は、人との共管能力が高い。私にとっては「地頭がいい人」だと思えます。
こんなところを想像してみてください。何かを一緒に食べに行ったときに、こちらが「あ、これおいしいね」とひとこと言ったところ、むこうから帰ってくる言葉は「うん、これがおいしい理由はね、駿河湾のなんちゃらかんちゃらって料亭で、創業100何年のなんちゃらって秘伝のたれがどうしたこうした、それは相模湾のなんちゃらかんちゃらって店にのれん分けわれていまでも残っている。その味を再現したからだよ」
一事が万事この調子。こんなひとと会食していたら、日本酒ぶっかけて帰ってこようかと思っちゃいます。感情がぜんぜん交りません。
いちどたりとて、「感情に根差した言葉」を発することがないひとがいるのです。会っている間に。たとえ大学は超有名校を出ているとしても。
************************
うん、おいしいよね。
見た目がきれいだよね。
たしかに。香りもいいね。
これなんの食材で作ってんのかね。いいね。
芸術だね。すごい。
*******************************
こんな感情に根差した言葉を開口一番に言える男はもてますよ。笑
モテる男は地頭のいい男だと思います。女性も「偏差値」と結婚するわけじゃでしょうし。ミスター偏差値ではなく、ミスター地頭力に魅力を感じるかたが多いんじゃないかな。
<先が読める。段取り付けられる。>
超有名大学を出ていても、なんか仕事が「ハテナ」というひとはいますよね。要領得ないというのかやたら杓子定規にしか考えられないというのか。要領の良さも能力のひとつです。大学入試では決して計測されることはありませんし、評価もされませんが。
でも要領がいいと、人との潤滑油がうまくまわったり、仕事が効率よく進められたりします。先が読めて段取り付けられるから。優先順位がわかるから。どこかでだぶりそうな仕事とか、あとでいくらでも直せる仕事とか、人に頼める仕事とか、時間がかかる仕事とか、臨機応変に対処できるから。
<想像力が駆使できる。>
想像力こそ、人間である証です。想像力が駆使できる人は、人が1いえば10を瞬時に理解できる人です。シナプスの反応が爆速。5Gどころか10G 20G.。笑 1と言われれば、相手の言わんとすることを次の瞬間には10まで読んでしまうかしこさは地頭の良さを代表する要素だと思います。
<日常生活に芸術やアートがある。>
芸術やアートは、心の栄養です。心が豊かということは、ひらめきや直感、「もののけを感じる能力(第六感の領域)」すら発達しているということ。有限の顕在意識だけではなく、無限にひろがる潜在意識をもモノにしているということ。地頭力インフィニティです。
天はこの男(女)に味方します。
日常生活に芸術やアートがない人間は、AIに乗り移られますよ。AIが代替可能な分野ばかりを得意にしているってことですから。
●ビジネスパーソンが「地頭力」を有することで得る利点。【9つ】
私も想像力を駆使して、これまで自分がかかわった業界や友人知人から聞いた業界のことなどから、ビジネスパーソンにとって地頭力がどうメリットになるのかを書いてみます。
**************************
★ 自分の会社員寿命がわかる(転職時期が直感に降ってくる)
★ いやな上司も手で転がせる(気に入られたりする)
★ 下の人間をかわいがれる(対等な立場で意見が聴ける)
★ 幅広い層から支持を得る。
★ いろんな人が「あなたのために」と力を貸してくれる。
★ 重要な仕事には「知恵を拝借したい」と言ってもらえる。
★ オンオフの切り替えが上手。だからストレスレス。
★ お金がついてくる(いっときは苦しい時期もあるかもしれないけれど)
★ モテる。
ある金融マンの物語
地頭の良い人間は、要領がいいので、保守的で年功序列制の金融業界のしきたりをすぐに見抜いて、波風立たせずに虎視眈々と、雌伏のときをまずは過ごします。うらではしっかり、自己投資をし、人脈を広げ、「なにくそ」と思いながらこつこつと努力をつづけ。
そしてある日、世界的な投資銀行にアナリストとしてヘッドハントされ転職します。人脈は金融マンのときからしっかり広げていたので、彼(彼女)の企業分析能力や地頭の良さに興味を持った出版関係の知人から、「本、書いてみない?一冊」と電子書籍を動画付きで発行します。
時流にのっていたことと、彼(彼女)のルックスの良さ、声の良さ、表情の良さなどから(なにしろ地頭がいいので、表現力は抜群です)、思わぬ反響があり、さらに二冊目、三冊目、と本を出版していきます。あるとき知り合いのテレビディレクターから「本、読んだよ。今度、コメンテーターとして少しだけ、でてくれない?」と誘われます。
本人も軽い気持ちで「記念に」と出演してみることに。専門性の高いビジネスパーソンのコメンテーターが不足していたことや彼(彼女)のテレビ写りの良さ、気の利いたコメントが言える要領の良さ、自分の意見が言える論理性、知的でさわやかな雰囲気などもあり、お茶の間の奥様がたにじわじわと気に入られついにレギュラーに。
そして10年後。彼(彼女)は日本を代表するエコノミストとして今日も国内外を飛び回っています。(作・小山ケイ)
“「地頭の良さ」あれこれ” への4件の返信
コメントは受け付けていません。