英語の発声について。日本語と違う気がします。

Q) 英語と日本語の違いは、どんなのがありますか?

A) 発音やスペルだけではなく、「発声」も違っているように思います。

今日の記事では、私が長年にわたって感じている、「英語の発声について」書いています。
●英語の発声。日本語と違って聞こえます。単に言葉を発しているというよりも。
●ビジネスパーソンがビジネスの現場で英語を使うときの発声。
●まとめ
昨日は下の記事を書きました。



●英語の発声。なんとなく日本語と違って聞こえます。単に声を出しているというよりも。

セントアンドリュースの風景

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長年、英語の発声を聞いていると、日本語の発声とは違って聞こえます。なんというか、英語は胸板に共鳴させながら発声する言語で、日本語は口腔内で音を炸裂させて出している言語のような。

だからでしょう、英語圏の人が日本語の響きをまねするとき、「かきくけこ」や「たちつてと」のような、炸裂する音を使う。「kakikukekotachituteto!!」みたいな。笑

映画「M★A★S★H」とか、昔のSaturday Night Liveのジョンベルーシ(John  Belushi)なんかが出しているような音です。

一方の英語は、胸板内で共鳴させて気道を通って音が出ていく。英国人であれば、それが頭上に突き抜けていくような感じであり、米国人であれば、それが鼻腔に抜けていくような音。

私自身も英語を話していて、「どうやってもなんとなく、nativeの発声のようにはいかないんだよねぇ」と思うのはこのあたりです。米国に留学していたときも、なんとなく私の英語は口の中で完結しているような音で、だからときどきどうも、nativeの耳には届いてないときがある。

骨格とか、頭蓋骨の形なんかが違うからかもしれませんね。このあたりは言語学とか人類学あたりで研究されています。

コーヒーカップ

以前私は、「私には英語は音楽に聴こえる」とこのブログで書きました。

  小山ケイ過去記事】「ビジネスパーソンと英語の発音」コツは4つ。

 

だから、英語を話すときはまるで、舞台にたったオペラ歌手か役者になったつもりで、声を何メートルも先の「観客席」に届けるようなイメージで出すと、おじさまおばさまをはじめとするnativeの耳にちゃんと届いたりします。おもしろい。

ぼそぼそと口の中だけで歌っても、舞台ではお客さんに声が届かない。言葉が命綱であいまいさがない低コンテキスト社会であることも一因かもしれません。日本だとなんとなく、見知らぬ人ともジェスチャーだけで通じてしまったりしますよね。ささやくように「すみません」と言ったり。

 

●ビジネスパーソンがビジネスの現場で英語を使うときの発声。

渋谷

先日は上記のとおり、英語の「発音」について書きました。でも英語が英語らしく聞こえる場合、私の耳が言うことによると(笑)それは、腹式呼吸で胸板に共鳴させる音がまず第一にあるように感じます。

英語が牧草地帯の遊牧民や、広大な土地でいちから開拓した人たちによって使われてきたからでしょうか。遠くの人にも届く声で話す必要があったとか。

さらに、英語は子音だけでも発声される言語でもあります。子音ってともすると、ささやき声みたいできづらかったりしますよね(発音されていないようにも聞こえるし)。その分、おなかのそこから声を出さないといけないのかもしれません。若者には聴こえて年寄には聞こえない「音(ヘルツ)」があるというのも聴いたことがありますし。

いっぽうの日本語は、小さな土地で隣近所の生活音も聞こえるような生活環境のなかではぐくまれてきました。だから、腹式呼吸でオペラ歌手みたいな発声をしなくても、小声でささやくような発声で十分だったとか。「スマホ発声」(と私は命名したい)のような。笑 (いまでは英語圏でもスマホ発声の若い子は増えましたけれど・・・

日本が高コンテキスト社会であることも一因かもしれません。

  小山ケイ過去記事】高コンテキスト社会vs.低コンテキスト社会

 

Shibuya

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少し具体的なことを書きます。

ビジネスパーソンが英語圏で商談をしたり投資家めぐりの「Roadshow」などをする場合、次のようなことを意識されるとより英語らしい、nativeの耳にもとどく発声になると思います。「歌」ですから。歌ってしましょう。

1)腹式呼吸でまずは発声します。瞑想の要領です。

2)米国英語であれば、胸から出した音を「鼻に通すような音(nasal sound)」を意識してみてください。

3)英国英語であれば、鼻よりも、なんとなく、頭上に抜けていくような感じがします。2との違いを私が強烈に感じる言葉は

can’t, understand,「n」の発声、liaisonの音(とくに米語)

4)高いキンキン声よりも低い声を意識してみてください。ビジネスパーソンが低い声を出すと、落ち着いた印象です。日本と反対ですよね。笑 (日本はキンキン声で「え~そうなんですかぁ」なんてケロッとして言う若い女性が人気あったりしますよね。発声で言えばフォルセトー)

●まとめ

Belfast

発音だけではなく、発声においても、日本語と英語は違っていると思います。言語学や人類学的にみて骨格や体格、頭蓋骨の形の違いなどもあるかと思いますが、私の感覚としては遊牧民や移民を先祖にもつ人たちと、隣近所の音が聞こえたり、「あうんの呼吸」という文化がある高コンテキスト社会に住む人たちとの違いもあるのではないかと思います。

高コンテキスト社会では活舌よく朗々と発声する必要はなく、言葉を介在せずともジェスチャーや「空気を読む」ことで他者と理解しあえる部分が低コンテキスト社会よりも多いから。

さらに、英語は子音だけを発音する言葉であることも、英語の発声に影響を与えていると私は思います。発音していないように聞こえる子音があるため、声をしっかりとおなかから出さないと、言葉の意味が通じないこともあるからじゃないかと。

青山の空。

タモリさんのものまねのように、それぞれの言語にはそれを話さない人間が耳にすると、「こう聞こえる」という響きがありますよね。それは、発声方法を変えることでも表現することができる。怒っているように話したり、口の中だけでぼそぼそと話したり。

外国語を勉強する楽しみのひとつとしても、発声の違いに意識を向けてみると、その言語をしっかりとマスターする自分を思い描くことができそうです。少しでもネイティブに近づけそうな気がするから。

ビジネスの現場でも、英語を使うのであれば、発声についても「英語の発声」を意識すると、より説得力と信頼が増すと思いますよ。そのビジネスパーソンが話す言葉へのまわりの安心感が増すから。

ということで、今日は「英語の発声」を取り上げました。他の言語を勉強されているかたも、ぜひ発音と合わせて発声にも注目してみてください。

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