今日の記事では、文化によって「おもてなし」は異なるということについて書いています。昨日はカテゴリー「英語(潜在意識を味方につけて)」で、下の記事を書きました。
●「おもてなし」、には文化が反映されている。
米国に留学していたとき、すごく感じたのは、フレンドリーであることが価値あることとされているということです。
スーパーにいけば、レジでHi!と挨拶してくる。How are you?なんて言ってくる店員すらいる。いずれも関係性がものすごくフラットで、日本人の友人たちとよく話したものです。
「なんで見知らぬ初対面の店員が、ハーイ、なんて声かけてくるんだろうね」
帰国して何年もたってから気づきました。彼らにとっては、フレンドリーであることが最高の接客、として教えられてるんだろうな、と。
他民族国家で、ともすると市民それぞれの共通項、共有するものがものすごく少ないなかで、あえて古くからの友人、みたいに振る舞う ことで、顧客との距離感を縮めようとする。
でも日本でこれは、必ずしもいい印象ではない。下の立場の店員が、上の立場の顧客と、同等のようになるから。目線の高さが同じになってしまうから。
タイなどは、高貴なかたとは目線をしっかと合わせることすら失礼にあたる、と聞いたことがあります。日本だって、自分より立場が上のひとには、頭をさげたりする。文字通り、目線が同じ高さにならないように。
日本でのおもてなし。
言葉数は少なくアイコンタクトは少なく、でも察しの能力を最大限に使って、言われるまえに用意したりさしだしたり。
でも、あまりにも言葉数が少ないと、外国人には誤解を受ける可能性はある。フレンドリーではないから。
おもてなし、はどの文化にもあります。でもその表現方法は外国人にはカルチャーショックとなることもあるのです。米国大学に留学していたときの私のように。申し訳ないけれど、初対面の店員から馴れ馴れしく挨拶されるあの居心地の悪さ。
もちろん、心の込め方とか、本当に心から挨拶してくれていることがハートでわかる場合もあります。ほとんど魂レベルですが(同志よ、現世でがんばってますか?というエールすら感じられる優しさ)。
でもだからこそ、ローカライズが必要になってくるのです。何かを海外に持ち出したり現地で商売するときは。
●翻訳もそう。正確に訳せばいい、だけではない。
正確さが求められることの多い翻訳ですが、起業サイトやITアニュアルレポートなどの企業イメージにかかわることや、ステークホルダーとのコミュニケーションツールとなるものは、自由度が高いことが多い。
先日もお伝えしたように、米国向けの英語であれば、plain Englishで軍隊やスポーツに根ざしたような躍動感ある言葉を選んだり、動詞を多用するようにする。
英国向けであれば、一見ひねったような長文でありながら、皮肉が効いていたり、痛烈な批判が込められていたりする文章をかいたりすることも。
おもてなし、に文化の違いがあるように、コミュニケーションツールの文言や表現にも違いはあるのです。
●日本に進出しようとしている海外企業さまへ。Dear Foreign Companies. 笑
上記のとおり、日本は顧客と企業側の目線がひとしくフラットな印象はあまりよろしくない。
顧客とのコミュニケーションは密にとってもいいのですが、日本における「フレンドリー」の意味は、敬語の
1)丁寧語、
2)謙譲語、
3)尊敬語
すべてがつかわれている状態での親しみを感じる関係性。
わかります?笑
日本のフレンドリーな接客や対応、の意味、いわゆる、「タメ口の関係」ではない。「どうよ?調子は」ではない。
ぜひ日本を研究されつつ、実り多いビジネスにつながりますよう。
“何をもって「おもてなし」とするか。それぞれの文化による「おもてなし」。” への3件の返信
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