昨今はやりの「直感」をビジネスで使う方法。感覚を大切に。コツ3つ。

アタマ至上主義の日本(笑)でも昨今、「ビジネスでは直感を大切にする人間が成果を出す!」なんて言われるようになりました。今日はそのことについて書いていきます。

先日以来、「感覚(feeling)を大切にする」ことについて書いています。さいしょの記事と昨日書いた記事はしたのとおりです。

●ビジネスで「直感」を使う。アタマと両輪で。

MBAの特徴は以前も書いたように、「言語能力(日本であれば日本語、米国であれば英語)」と「数学能力」が基本です。英語圏のビジネススクールに入学するために要求されるGMATの構成が、「英語」と「数学」パートから成り立っていることからも明らかです。

数学能力はアタマを使います。「昨日はこう表現したけど、今日はこう表現しよう」なんて「感覚」にもとづいて日々によって違う回答を出すことはできません。

けれど、言語能力のほうは、昨日とは違う表現をすることはできる。たとえ同じ内容を言っているとしても。表現如何によっては人に与える印象は変わってきます。

MBAコースが「定量分析」という数学能力がもとめられる分析と「定性分析」という言語能力や場合によってはクリエイティビティが求められる分析の2つに大きく分けられる点を見ると、ビジネスでリーダーとなる人間は「アタマと感覚」が求められているとも解釈できます。

昨今、ビジネスにおいて「直感力が必要である」とあちこちで見かけるようになりました。直感力で世の中渡ってきた私としては「よっしゃ、出番が来た」という思いでいっぱいです。笑 

Louis Thomlinson

このブログの別カテゴリー「働きながらMBA」で書いたように、私がビジネススクールに入学したのは、アタマ(左脳)をうんと鍛えたかったことが一番にあります。それまでの私はビジネスにおいても「直感力オンリー」で渡り合ってきましたので。

そこで今日は私の実体験とMBA-holderとしての視点から、「直感がなぜいま求められているのか」そして「直感とアタマをどう連動させるか」について書いていきます。

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●なぜいまビジネスで「直感力」か?

ビジネスの世界でも定性分析が生かされている分野はたくさんあります。たとえばマーケティング。消費者がどういう意志判断のもとで購入をきめたり、あるいはどんな広告媒体の影響を受けているのかをさぐっていく過程で定性分析は大いに生きます。

これだけ地球が小さくなり、一般消費者でも簡単に海外製品を自分の家に居ながらにして購入することが可能になりました。海外の一般消費者の意見を自由に見ることもできますし(日本では)、かれらの「表現物」である動画すら気軽に見ることができます。

かつては「一般消費者」とは「大衆」として十把一絡げに扱うことができました。そのときはマスを定量分析することが可能だったはずです。ところがいまはそれぞれがさまざまな経験を有していることとさまざまな意見を有していることなどにより、好みや購入意欲もさまざまです。私のように「テレビを持っていない生活」をしている人間などは、テレビ広告や芸能人の影響を受けることも少なくなっています。

そんなそれぞれの人間を十把ひとからげにマス扱いしても得られる結果は正確とはいえるのかどうか。いまの時代。だからこそ定性分析がとても重要視されているのです。

定性分析で得られた、たとえばインタビューの内容からどんな結論を導き出すのか。これはマーケティングだけの話ではありません。たとえば新規で新商品を開発する際、新規事業を立ち上げる際、あるいはモノが売れている・売れない理由を考える際など。

たとえば、私は子どものころに親の転勤で秋田に長年住んでいた経験があります。何年か前、ある人が秋田の教育を調査していたのですが、「秋田の子どもたちは全国平均よりもずっと高い教育水準を保っている。授業を見ていると集中力もすごい」と言ったことがあります。

「教育水準」自体は定量分析でいくらでも得ることができるでしょう。全国一斉テストの結果や高等教育機関への進学率、研究職についている人間の割合、研究職についている人間のなかにおける、秋田出身者を数値で把握するなど。

でも、土地勘のある私としてはこの一因に「おじいさんおばあさんといっしょに住んでいる子がすごく多い。そういう子はおじいさんおばあさんから知恵やしつけも含めて、核家族の世帯からは得られない教育にかかわるものを得ている」ことがあげられるような気がしたのです。私の定性分析として。

学校の勉強でわからないことがあれば聞ける大人がいつもいるわけですし、農業や商売を通して実社会について教えてもらったりそこで必要な知識や知恵を教えてもらえる子もいる。しつけもしてもらえる。相談もできる。近所づきあいという「社会」についても教えてもらえる。目上を敬う姿勢も生まれる。豪雪地帯ですから自然の脅威を感じながらどう暮らしていくかもとことん教えてもらえる。(マタギ、は秋田にいらっしゃいます)

くだんの知り合いには私の定性分析の意味がどうも伝わっていなかったようです。

けれど、私は彼女から話をきいたときに直感で「おじいさんおばあさんの影響もあるはずだ」と感じました。都会の家族構成との圧倒的な違いだからです

仲の良かった友達のなかで核家族だった子は私が記憶している限りでは一桁です。あとは全員、おじいさんおばあさん(あるいはそれよりさらに上)と一緒に住んでいる。

定性分析にはクリエイティビティや大胆な発想・仮説がもとめられることがあります。定量分析とは違ってこれが正解(計算式と答えが合っている)ということはありませんが、直感を頼りにすることでそれらが得られやすくなります。

判で押したような解釈をしていては、他社・他人と同じ発想となってしまい、出てくるべき新規性あるアイデアも「降って」きません。

ビジネスにおける直観力とはつまり、競合相手やライバルとは異なる、one and onlyなアイデアや製品・サービスを生み出すことにつながっていくのです。

 

●「直感」をビジネスで使うコツ3つ。

1) 「降ってくる」状態を常に保持する。

2) 「降ってきたら」すばやくつかむ。

3) 動く。行動する。

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1) 最近の芸能界はわりと「有名どころ」がクスリでつかまってますよね。クスリをやるひとは日本の芸能界に限らず、米国のJazzミュージシャンやロック歌手など、とにかく昔からたくさん存在しました。クスリのせいか昔の米国Jazzミュージシャンはたいがい短命です。体がボロボロになるんじゃないかな。

箱根

クスリをやらないと「降ってこないから」という表現者も多いのだと思います。というのも、彼らの宿命が「直感に降ってきたものをつねに表現する」だからです。降ってこなくなったら用済み。そう考える表現者は多いのかもしれない。

けれど、薬をやらなくても降ってくる状態を保つことはできます。そのために大切なのは下の3つ。

 

★人の力を借りる

力、とは才能であったり技術であったり「人脈」であったり、ありとあらゆることです。松下幸之助さんをはじめ、すぐれた他人の力を使って成功しているひとはいまでも世界中にいます。

六本木ヒルズから見る新宿方面

★アタマの干渉をできるだけ最小化する。

「恐れ」はアタマの干渉です。だから怖くなってクスリに走る。「降ってこなくなったらどうしよう」「人気がおちぶれたらどうしよう」「役がなくなったらどうしよう」。クスリになどはしらなくても芸能界の最前線でずっと活躍されているかたもたくさんおられます。

新宿のビル

★つねにアンテナをはる。

私がこのブログで何度も触れているように、「ゼロから一を生み出す」ことは「一からそれ以上を生み出す」よりもはるかに至難の業です。苦行です。

だから、万が一「降ってこない」ゼロの状態が来たとしても、「一から何かを生み出す」ことはできます。

さくらの木

他のアーティストから影響を受けたり刺激を受けたり、まったく異なる分野の人から影響を受けたり刺激を受けたり、あるいはそういう人たちをサポートしたり、いちど違うたちばになってみたり(ボーカリストからプロデューサーへ転身したり、女優から小説家に転身したり)。

上の星印「人の力を借りる」にも通じる姿勢です。ゼロから一は本当に苦しいですよ。

 

2) 「幸運の女神は前髪しかない」とはよく言われることです。直感もそれと同じ。なんとなく「ちらっと」自分の感覚にのぼってくるもの、それが直感です。

のぼってきたらそのとおり、その指示に従って行動したり、急いで書き留めてアイデアとしてさらに練ってみたりする必要があります。

3)だからこそ、動く。行動する。とにかく動く。動いて動いて動き回る。そうすることで次第にアタマの干渉する余地が低くなっていきます。たいてい、体やアタマが疲れて、「なにもかんがえていいない」状態になりますが、そのときこそ、おもわぬアイデアや神がかったパフォーマンスができるのです。

以前このブログで私が書いたとおりです。

  小山ケイ過去記事「感覚(feeling)を大切にしよう!アタマと感覚は両輪です」