今日の記事では、母校の青学から単位をもって米国オレゴン大学へ編入学して卒業し、15年以上に渡って「サステナビリティ・ESG・気候変動」などに特化した専門翻訳会社を経営しながら再び青学(大学院)へ戻ってMBA(修士号)を取得した私・小山ケイが、「私の好きな英語」として”Nerd”を取り上げます。
<もくじ>
●<私の好きな英語>Nerd
●”Confessions of a Reporting Nerd”
このブログ「小山ケイ:Feel this precious moment」はいくつかのカテゴリーに分かれています。今日の記事は「徒然なるままに、ひぐらし。」のカテゴリーで書きました。同じカテゴリーの過去記事は下からご覧になれます。
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●私の好きな英語ー”Nerd”
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この言葉にはじめて出会ったのはもう20年以上も前。私が米国大学へ留学していたときのことです。
たしかテレビドラマを見ていたときだったと思うのですが、なんだかやたらアタマを使って凝りに凝ってる人間をそう呼びつけていたような。
あんまり良いイメージではない。笑
日本語にすると、「キモいオタク」。あるいは「ダサいオタク」。たんなる「オタク」を通り越している。
時を同じくして、同じように「オタク」みたいなニュアンスを含んだ“Geek”という言葉も私は米国で仕込んだのですが(笑)、Geekはどちらかというとキモさが薄れてスマートさすら備わった凝り性のように使われていたように記憶しています。
「神経」を表す英語が”Nerve“ということもあり、Nerdという英単語は当時、私には「頭の中の神経系統をさんざん使いまくっている」映像と結びつきましたね。
Nerdのなにが好きかというと、「自虐で使うとユーモアが醸し出されること」。
人のことを面と向かって”Nerd.”などというとケンカを売っているとしか思えないのですが、自分のことを”Nerd”と表現するとまるで、かぶりものをして自分をコケにしている大物芸人さんにでもなった気がします。
「どう?あたしは自分のこと、こんなにコケにできるのよ」と。
だから大物。
よゆーってやつです。笑
Geekも凝り性ではあるけれど、なんだか時代の最先端を行くプログラミングとかデザイン関係、ゲーム開発にむちゃくちゃたけているようなイメージ。
だからどこか「かっけー」。
仕事しながらサーフボードでも担いでいるような。
既成概念とか会社組織なんてものともせず「我が道を行く」。
AppleとかGoogleあたりにたくさんおられる感じですね。イメージとして。
自分に対して「あたし・俺ってGeekだから」と誰かが言えば、なんかちょっとばかし、「お鼻が上向いてる」気も。Geekであることに誇りすら感じられるからでしょうか。
●”Confessions of a Reporting Nerd.”
以前、私はこのブログで母校・青学のビジネススクールのある勉強会にて、海外企業のアニュアルレポートについて勉強したことについて触れたことがあります。
小山ケイ過去記事】政治学者・丸山真男氏からインスピレーション。「人のたこつぼに取り込まれるより、水中を漂うほうがまだ面白いかも」
どの製薬会社だったかは忘れてしまったのですが、欧州の超大手製薬会社のアニュアルレートで書かれていた一文が、“Confessions of a Reporting Nerd”
自虐です。
直訳すると、「報告すること(報告書の作成を含めて)に凝りに凝ってる弊社が『懺悔』いたします」(“Confessions”はとても宗教色の強い英語です。おもにカトリックの言葉ですね)。
そして、アニュアルレポートですから、裏を返すと「それだけ私たち(弊社)はどんな細部も数値も、正確に、漏らさず、こうして記しております」という意味でもある。
あるいは、「報告書としてデザイン性、ユーモアすら大切にしながら、どうしたら読みやすいか、ということにも心を配ってます」という意味にもとれる。
残念ながら、上記の勉強会ではそこまでつっこんだ議論はなされませんでしたが・・・。
日本企業のアニュアルレポートでここまで自虐ネタを記載するセンスは、皆無だと思います。
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「わかっちゃいるけどやめられない。他社にも負けないアニュアルレポートづくり」
「あら、およびでない?わが社のこれまでの活動をご報告いたします」
「隅から隅までずずずずいっとご覧くだされ」
「ガチョーン。ガチで調子をあわせます!我ら●●●グループ」
「ステークホルダーのかたがたの『忖度なし』で忌憚のないご意見・ご感想をお待ちしております」
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こんな新旧流行ネタが織り交ぜられたキャッチが日本企業の報告書に踊ることなど、おそらく永遠にないとすら思えます。
なぜなら、ふざけている、としか受け取られないから。おそらく上には。
「ふざけている、と社会に受け取られかねないから、ふざけているように見えることはやらないほうがいい」
それゆえ、横一列で既視感まんさいの報告書が日本国内には出回ることになる。
「わが社の今後の事業展開」
「SDGsに掛ける全社一丸となった弊社のソーシャルスピリット」← なんのこっちゃ。
「お客様第一主義で顧客満足度は業界一番と自負しております」
「弊社は全社一丸となって改善に日々つとめております」
「提案型営業を展開するわが社はこれからも社会のお役に立つ顧客第一主義で事業活動を行ってまいります」
こういう手あかのついたもっともらしいキャッチはおそらく、永遠にのこるはずです。
「弊社は報告書づくりに凝りに凝っております」(Confessions of a Reporting Nerd)
すらもおそらく、却下されることでしょう。
自分たちのことを”Nerd”と呼びつける言語感覚のある企業環境のほうが、横一列でユーモアも自虐ネタも出てこない報告書作りをする企業環境よりも、働く環境がよさそうに見えるのは私だけでしょうか?
ガバナンスすらも透明性が高いような気が。まったくの直感ですが。
“Nerd”という英単語は私にさまざまな映像とインスピレーションを与えてくれる。
だから私は”Nerd”という英単語が好きなのです。
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