今日の記事では、15年以上に渡って「サステナビリティ・ESG・気候変動・地球温暖化対策・環境CSR(企業の社会的責任)」等に特化した専門翻訳会社を経営している私・小山ケイが、昨日米国ユタ州にて開かれた、次期副大統領候補者討論会について書いています。
<もくじ>
●2020次期米国副大統領候補討論会 -女性の権利や気候変動などについて。
●Climate Change(気候変動)
●米国の価値観にもかかわる重要語句。
このブログ「小山ケイ:Feel this precious moment」はいくつかのカテゴリーに分かれています。今日の記事は「Sustainability(持続可能性/サステナビリティ)」のカテゴリーで書きました。同じカテゴリーの過去記事は下からご覧になれます。
●米国副大統領候補者討論会(ユタ)October 8, 2020 in Utah
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昨日、日本時間午前10時(現地7日東海岸時間午後9時)開始の米国副大統領候補者討論会をYouTubeのCNBCライブで観ました。
★★★★★Quoting from the official YouTube vide of CNBC’s★★★★★
モデレーターはUS Todayからスーザン・ペイジ氏。討論議題(issues)は9つ。
Pandemic (COVID-19)
Healthcare
Climate Change
China
Economy
Role of US in the global society
Racial justice
Supreme Court
Student’s question (from a junior high school student)
議題は両候補者には事前にまったく知らされていないとのことで、ペンス現副大統領(共和党)とハリス上院議員(民主党)にとっては「ぶっつけ本番」。前回の第一回大統領候補者討論会でトランプ氏とバイデン氏が立て板に水のごとくに話していたのと比べると、今回の副大統領候補者たちはどちらも言葉を慎重に選ぶようにゆっくりと話していたのが対照的でした。
私は政治評論家でも国際政治学者でもありません。
が。
印象としては、アメリカ国民には申し訳ないながら、「これ」といって目新しく画期的な政策を両陣営から聞けた、とは思えませんでした。
というのも、上記の9つの課題に対するそれぞれの答えが明確でなかったり、際立った違いがなかったからです。
「Abortion(人口中絶)」に対する見解を除いては。
+++++++++++++++++
毎年、二十万体ちかい人工中絶が行われる日本においては、「米国では人工中絶が政治議論として大きく取り上げられる」ということにどうも関心が薄いように思います。
(数日前にマスコミを騒がせた足立区の白石議員(78)も、少子化を語るうえで「女性の出産数減少」や「LGBT」については持論をぶちまけながら、「日本の人口中絶の現状」についてはまったく触れませんでした)
日本のマスメディアでも米国のこの点を取り上げるところはあまりありません。
でも、米国では「Pro-life」「Pro-choice」と政治家がそれぞれの立場を明確に述べます。どっちつかず、はありえません。だから大統領選でも大きな議題となります。
Pro-lifeは中絶反対派。
Pro-choiceは中絶賛成派(女性が選べる権利として)
(“Feminism”は米国では社会学に根差した「女性学(Women’s Study)」で議論されます。私がオレゴン大学に留学したときの女性学の教科書には、1950年代、ボーイフレンドとの間に子どもを宿した白人女性が中絶できずに、場末のモーテルで自ら「中絶」を試みて出血多量で事故死したそのままの写真と、その写真を「女性に権利を(Pro-choice)」としてプラカードに掲げて運動する女性活動家たち(事故死した女性の姉を含む)の写真が掲載されていました)
今回の討論会でペンス氏は明確に、「私はPro-lifeである」と述べました。そしてハリス氏は「女性が自分の体について選択できる社会でなければならない(Pro-choice)」と言いました。
(ペンス氏が“I’m pro-life.”と言ったとき、私は「カトリックかな」と思ってペンス氏のプロフィールを調べるとやはり、でした。アイルランド系だそうです。ちなみにギンズバーグ判事が亡くなったことにより選任される予定の最高裁判事もカトリック(女性)です。判事には養子縁組した子も含めて子どもさんが7人。一部の米国カトリックでは避妊も禁止されています。「性行為は生殖目的でなければならない」と聞いたことがあります)
日本では数か月前の自粛期間中、「自粛ポリス」なるものがマスメディアで取り上げられました。米国の一部Pro-life派は「ポリス」どころか「テロリスト」かと思える過激かつ暴力的な行動に出ます。人工中絶を行っているクリニックに対して散弾銃で押し入って殺傷事件を何度かおこしています。私が留学していたころの米国にもありました。
それだけ、米国にとっては「人工中絶」は国民ひとりひとりの信条にかかわってくるといえます。
宗教的かつ政治的な信条として。
●Climate Change (気候変動)
上記9つの議題のなかで、私がいちばんわが身のこととしても身を乗り出したのは「気候変動について」です。
日本人という外国人であり、15年以上にわたって「気候変動」や「地球温暖化」「環境CSR(企業の社会的責任)」「環境対策」「サステナビリティ」などの翻訳にかかわってきた私にとって、米国の動きは無視できません。
米国はパリ協定(Paris Climate Code) (COP21)から離脱しています。
けれど、ペンス氏いわく、「パリ協定を批准した国よりも米国はエネルギー政策もうまく行っている。ハリケーンも過去100年の間で米国では減少している。再生可能エネルギー、水質管理もすべてそう(「世界で一番きれいな水を米国は確保している」とのこと。あーそうですか、と私。笑 ← 水道水飲めるかね?米国で)」
7
前回の次期大統領候補第一回討論会でも気候変動については取り上げられました。
米国の影響力は世界最大です。
それが証拠に、今回の副大統領討論会についても、日本の公共放送でしっかり、取り上げられます。
米国が環境政策やサステナビリティ、再生可能エネルギーの大規模な開発等に取り掛かれば、それが世界規模となることは想像に難くありません。
気候変動自体の科学的な根拠については懐疑主義者を中心によく取りざたされます。
パリ協定の問題点についてもときおり議論されます。
けれど、大統領候補討論会でも、副大統領候補者討論会でも、いずれの討論会においても「気候変動」が論点のひとつとして米国で取り上げられたことには大きな意義があります。
それはつまり、米国がパリ協定を離脱しようとも、有権者の意識に「気候変動」があるということ。「どちらの候補に投票するか」を検討する材料のひとつでありえるということ。
次期大統領の時代から、気候変動をはじめとする環境対策やあらゆる分野での「サステナビリティ」そのものが地球規模で大きく動き始めるのだと思わずにはいられません。
今回の討論会の中でも民主党のハリス氏がトランプ大統領について「Scienceというものを軽視している。科学者の言うことを軽視している。それが彼のいつものPatternだ」と非難していました。
Scienceというものを軽視していると非難される大統領候補者、科学的根拠がないといわれる気候変動対策、サステナビリティ、そして経済活動。
次世代という未来は前人未踏の世界なのだとあらためて思います。
●アメリカの価値観にも関係する、討論会に出てきた重要語句
“Vote.” (「棄権せずに有権者としての意思表示をしてください」)
“Packing”
Christian faith
Beauty of diversity
“America First”
Access to abortion
Abortion right
Renewable energy
Zero emission (of GHGs)
American innovation
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