今日の記事では、母校の青学から単位を持って米国大学へ編入学して卒業し、15年以上に渡って「サステナビリティ・ESG・気候変動」などに特化した専門翻訳会社を経営しながら再度、母校の青学(大学院)へ入ってMBAを取得した私・小山ケイが、2021年16日17日に行われた「大学入学共通テスト」の「英語」について書いていきます。
<もくじ>
●<英語>大学入学共通テスト2021「リーディング」問題と解答の解説・分析・対策「スマートフォンでのやりとり」(第1問A)
●第1問Aの全体の文章から受ける印象は「スマートフォン」。スマホではない。
●来年度に共通テストを受験予定の学生さんの「英語」。どんなことを勉強しようか。
●共通テストの出題の大部分が「イギリス英語」である点。
このブログ「小山ケイ:Feel this precious moment」はいくつかのカテゴリーに分かれています。今日の記事は「英語(潜在意識を味方につけて)」のカテゴリーで書きました。同じカテゴリーの過去記事は下からご覧になれます。
●<英語>大学入学共通テスト2021「リーディング」問題と解答の解説・分析・対策「スマートフォン」でのやりとり (第1問A」)
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昨日行われた第一回大学入学共通テストの速報で英語問題を見てみました。
毎日新聞サイト(URL) https://mainichi.jp/exam/kyotsu-2021
その中から今日は、「スマートフォンでのやりとり」の設問を取り上げます。
*************************
ベネッセのサイトによると、出題の大部分がイギリス英語とのこと。このことについてはのちほど触れるとして、私が問題のやりとりを一読した限りで要約すれば、
「寮で同室の友達 (Julie) が切羽詰まった様子でUSBメモリを届けてほしい、と頼んできた」ということ。
1) しょっぱなに”Help”が来ている。
2) ビックリマーク(感嘆符)が3つもついている。
私がこのメールを友だちから受け取ったなら、「なにごとか!」と思います。
ここから「書き手の意図」を読み取っていく読み方になります。
長文読解の読み方も同じです。
さらに何度か読んでみると、次の情報が分かります。
1) JulieがUBSを必要としている時間。
2) 置き忘れた(と思っている)場所。
3) どうしてそれがほしいのか(理由)。
この文章からは、やりとりしている二人の関係性も見えてきますよね
(“Could you – ?”ではなく“Can you – ?”とかなりフランク(?)な頼み方なので)。
そして、”Help!”と送ってきた“Julie”の性格も。
★のっけから”Help!”と動詞の原形ひとこと=命令形を使うJulie。(「Please help me, 相手の名前」や[I need your help, 相手の名前」「相手の名前、help me!」ではなく)
→ ”S.O.S!”でもおもしろいかも。
★そして”Could you bring -?”ではなく”Can you bring -?”とかなりフランクに頼める関係性。
★実は自分の鞄の奥底に入っていたのに、ちゃんと探さなかったおっちょこちょいのJulie.
この共通テストが回数をかさねるにつれて、次のような質問がなされるかもしれないですよ。
「二人の関係性についてどんな印象を受けましたか?記述してください。Write down what you feel about their relationship quoting exact words in the sentences. 」
「Julieはどんな性格という印象を受けましたか?Julieがあなたのルームメイト・同僚であった場合、あなたは彼女とうまくやっていけそうですか?それとも人間関係で悩みそうですか?その理由を記述してください」
まぁ、こういう質問はかなり遠い先の話かなぁ・・・。
●リーディング第1問Aの全体の文章からうける印象は「スマートフォン」。「スマホ」ではない。
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プロの翻訳者として私がこの「画面」の英文を読んだときに受けた印象は、「とても格式ばった文章を書くかた」です。作文(出題問題を作成)されたかたはおそらく、英語を学問として勉強されているかたか、あるいは留学経験はないものの、日本国内で超難関大学に入学しながら英語を研究したようなかただと思います。
だから、「スマートフォンに関する出題」であって「スマホに関する出題」ではない。たとえるならば。
「私は今日、コンビニエンスストアでスマートフォンを使ってモバイル決済でポテトチップスを朝いちばんに購入する予定です」
に匹敵するような書き方です。
「うち、ちょっぱやにコンビニでポテチ買うんだー。スマホ決済で」
ではない。
さらに。
“a copy”という部分があります。米国の大学であれば、“a photocopy”というはずです。
(発音は、「Fo + Lo + カ + ピー」。「カ」の部分が一番、音程が高い)
日本語のカタカナで「コピー」と言われる印刷機から出てくるものは、“a photocopy”です。
“a copy”はなにか複写式になっている領収書や納品書などの紙製のもので「写しのほう」という印象を受けます。
ちなみに、問題文の”Your dormitory roommate”はおそらく、米国であれば”Your roommate of your dorm“が一般的な気がします。
“teacher”という箇所も、高校の先生を差している印象です。
“Dormitory”とあるので一般的には大学での生活風景だと思うのですが、もし大学であれば”instructor”や”Professorなになに”などが用いられます)
スマホの画面(のイラスト)から読み取った情報をもとに、こんな能力があれば、正解にたどりつけるはずです。
問1)正確に読み取る力。
問2)想像力(「やらかし」をしてしまったJulieへどう、声をかけてあげるか)
→「よかったね」の声掛けがいちばん、適切な回答ということになります。ほかの選択肢はピントがずれている。すでに見つけてるのに「大丈夫、見つかるよ(1)」はおかしいし、「もう一回バッグの中、見てみて(3)」もおかしい。ましてや「がっかりしたでしょ(4)」はないよなぁ。笑 友だちなんだから一緒に喜んであげたい。
(ビックリマーク3つもくっつけて「助けてくれー (Help!!!)」と必死こいてたんだからね、Julieは)
小山ケイ過去記事】霊長類最強のリーサルウエポン「人類の想像力」ー育てかた5つ。神様からのGIFTです。
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●来年度に共通テストを受験予定の学生さんの「英語」。どんなことをしようか。
このブログで何度か書いているように、基本が「単語力」であることには変わりません。
本文も英語、そして質問文も英語です。これらをすべて、理解する必要があります。
今回の第1問Aに関しては難しい文章ではありません。だから、こつこつと年月と日数をかけて単語力を身につけた子には解きやすかったんじゃないかな。
単語力をたくさんたくさん身につければ、たとえば今回の次の箇所も理解できるようになると思います。
1) DomitoryとDorm。
2) Can you -/と Could you?の違い。
3) Copy と Photocopy
4) Julieが一般的には女性の名前であること。
5) 「teacher」「instructor」「faculty」「professor」の違い。
6) ”Just”が便利な英単語であること。
7) 「do + 動詞の原形」で動詞の意味を強調。→ ”I do love it!” (ダイスキッ!)
*”Julie”が女性の名前であることが分かると、今後出題されると思われる記述式においても、”She”や”her”などの代名詞を使えるようになります。
*Julieのリプに”I did have it!”とあります。
●出題の大部分が「イギリス英語」である点。
スマートフォンをはじめ、SNSや動画サイト企業のほとんどが、Apple、Facebook、Twitter、Google/YouTubeなどの米国企業である点を考えると、私は回数を重ねるごとにより実用的に、「米国英語での出題」のほうが良いのでは、と思っています。
このブログでも何度か触れたことがありますが、イギリス英語が広く用いられる場面は、国際的的な組織においてです。
国連やIMFや外郭団体など。
けれど、こうして共通テストにも「実地に根差した現実的な問題が出題」されることとなったのであれば、そうした現場で実際に広く使われている言葉を選ぶほうが、受験する学生たちの生活にも共通テストで学んだ英語が生かせたり、将来にもつながるように感じます。
大学生活において海外YouTubersの動画を観たり、Wall Street Journal紙やNew York Times紙のTwitter投稿を読んだり、Apple 製品を購入して英文の取扱説明書を読んだりすることもあるはずだからです。
学生さんたちが時間をかけてこつこつと学んだことです。受験勉強しておわり、ではもったいない。
ここはスタート地点。
ここから先に広がる、めちゃくちゃ面白い世界を学生さんたちには知ってほしい。
第一回目が始まったばかりでまだまだ試行錯誤の段階だとは思いますが、学生さんたちが大きな興味をもって共通テストの受験勉強ができるよう、試験内容がどんどん改善されていくことを、いち翻訳者であり「いちWordPresser」である私としては願っています。
*リスニング問題も一度だけ通しで聞いてみました。
こちらは米国英語でしたよ。
また詳しくこれからこのブログで書いていきますね。
(たとえば「Can you – ?」の発音や「more」, 「thirsty」「after」「work」の発音など)
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