機械翻訳と人間翻訳。どう使いこなしていくか。(1) How are we gonna use AI translators?

AI translators

母校の青学から単位をもって米国オレゴン大学へ編入学して卒業し、15年以上に渡って「サステナビリティ・ESG・気候変動」などに特化した専門翻訳会社を経営しながら再び青学(大学院)へ戻ってMBA(修士号)を取得した私・小山ケイが、自身の長年の経験から「機械翻訳と人間翻訳の関係」について書いていきます。

<もくじ>
●機械翻訳と人間翻訳。どう使いこなしていくか。(1)
●具体的なやり方。

このブログ「小山ケイ:Feel this precious moment」はいくつかのカテゴリーに分かれています。今日の記記事は「英語(潜在意識をみかたにつけて)」のカテゴリーで書きました。同じカテゴリーの過去記事は下からご覧になれます。

●機械翻訳と人間翻訳。どう使いこなしていくか。(1)

長年、翻訳者をしてきました。

プロとして、そして5年に渡るWordPresser/ブロガー (BU-LO-GAR = blogger)として、これから機械翻訳や人間による翻訳について書いてみようと思います。

あくまでも「自分の長年の経験」にもとづいて。

仕事や勉強で機械翻訳を使っているかたにエールを込めて。

AIや機械、人間にできることの可能性を想像しつつ。

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「機械翻訳」については専門的な記事がネットにはたくさんあります。

その歴史や呼称そのものについて。

私が自分のブログで書きたいことは、専門的なことというよりも、より多くの人に「ああわかる。それは自分も経験している」ということです。

今日書きたいことは、「機械の融通の利かなさ」について。笑

人間にできて今の機械にできないことは、臨機応変な対応だと思います。

あるいは、おなじことを昨日と今日でまったく違うようにやってみたい、と人間が思うことがあるのに対して、機械はまったく同じことをする。

だから、1たす1を3,と答えると、機械はエラーとしてつねにはじいてくれる。

ニュアンスをときおり変えてほしいのに、通り一遍で答えてくる。

★天邪鬼(あまのじゃく)→ 人間。

★その日の気分によってやりかたがちがう。反応が違う。→ 人間。

★融通が利かない。→ 機械。

★天気によって気分が異なる。→ 人間。

★人によって反応を変える。→ 人間。

★ 日々刻刻と変化している。その変化によって要求が異なる。→ 人間。

●具体的なやりかた。

以前このブログで、私がクライアントから受け取った下訳があきらかに機械翻訳であったことについて書きました。

日本語の原文が「しかしながら」となっているところが、下訳の翻訳では“But Nagara”となっていたからです。”Nagara”という英語はありません。笑 10年近く前だったでしょうか。

いまの機械翻訳は精度が格段にあがっています。

Google翻訳に「しかしながら」と入力すると、ちゃんと”however”と出ます。

ご自身の会社で機械翻訳と人間翻訳をどう使いこなすか。

1) 大量の文書を短期間で翻訳する必要がある場合。

★どの言語からどの言語か?

★社内用か?社外用か?

★精度の高い機械翻訳が利用できるか?

★能力のある翻訳部署があるか?

★能力のある外部委託者があるか?

それぞれのチェック項目によって使い方が違ってきます。

【シーン1】英語から日本語へ。社内用。

→ 機械翻訳の独擅場でしょう。いまも多くの企業で、この使い方が一般的なのではないでしょうか。

【シーン2】英語から日本語へ。社外用。

→ 「大量の文書」を機械翻訳だけに頼るのも無理があります。社外用ですから、プレスリリースやIRなど、一般社会に向けて発信するツールだからです。ちまたでもときおり、「?」と思うような日本語のトリセツやサイトにお目にかかりますよね。人間がある程度関わって、機械翻訳したものを修正する必要があると思います。

→ 完全に人間翻訳に頼るのであれば、社内でその体力のある部署へまわすか、外部で技術力のある専門会社へ頼む必要があります。

(あまり大きな声ではいえませんが、数か月前、うちでときおり依頼することのある某翻訳会社から、「弊社で機械翻訳をつかっていたことが発覚しました。お詫び申し上げます」と一斉メールがおくられてきました。手間暇かけたくなかったのかなぁ、と勘繰りたくなりました)

【シーン3】日本語から外国語(英語)へ。社内用。

「社内」がどの範囲かにもよります。

世界的な大企業の「社内用」が誤字脱字、誤訳だらけの機械翻訳というわけにはいかないこともあると思います。なぜなら、読むのは必ずしも英語圏の支店支社ばかりではないはずだからです。まともな英語にしておければ、現地でもしっかりローカライズできます。

社内外の翻訳専門チーム(会社)に最終的なチェックをゆだねます。

(私が青学ビジネススクールの学生だったころ、ある教授に「自分の英訳した自分の論文に目を通してほしい」と頼まれたことがあります。なんとなく「?」という英文だったので、「ちゃんと(お金を払って)プルーフリーディングしたほうがいいと思います」と助言させていただきましたが、「掲載するのは英語圏のジャーナルじゃないからいい」みたいなことを言われました。そうじゃないんだよなぁ・・・笑)

【シーン4】日本語から外国語へ。社外用。

「大量の文書」ですから、機械翻訳で社外用、それも短期に、となるとなかなかに使いこなしづらいと思います。

おかしな外国語訳にしたせいで、海外メディアや投資家などから揚げ足取られかねません。

いちばん「人間翻訳を中心にしたほうがいい場合」です。

2) 人間翻訳に比重を置いたほうが良いものもある。

たとえば、上記のような、天邪鬼で気分屋の人間の不条理さや非論理的で不可解な行動に根差したようなものです。

芸術的な表現とかクリエイティビティもそう。

★文学

★劇作

★映画字幕

★一般消費者むけの文書。

★スピーチ

★笑い(人を笑わせるということ。笑いやユーモアを理解する能力はAIにはすでにあるそうですので)

分かる人にはわかります。

とくに、私のような長年プロをしている人間には、機械翻訳はたいてい分かります。

人間翻訳ももちろん、分かります。

3) いまのところ、機械翻訳を過信しない。

→ 精度があがっているのは事実ですが、最終的なチェックは人間がしっかり、する。

4) それぞれの利点、難点を把握しておく。

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